世間では、韓国の徴用工問題に対して、日本が報復経済制裁を発動した。
そのように捉えている方が多いですが、事実は違います。
もちろん徴用工問題は重要な「トリガー（引き金）」ではありますが、それが原因ではありません。

今回経産省が輸出見直しを図った「フッ化水素」は、大量破壊兵器や核兵器などを製造する材料となる戦略物資でありました。

そして工業製品の過程で用いられる純度の高いフッ化水素は特定の国でしか生産出来ません。

日本政府はこの「フッ化水素」の輸出にあたっては、大量破壊兵器などに転用しないこと。
テロ組織やテロ国家に譲渡しないこと。
などを確認して輸出を許可して来ました。

しかし同盟国など「信頼できる国」には特例として、この個別の審査を免除していました。

が、韓国はもはや「信頼できる国」ではありませんから、原則どおり、輸出先の企業が「武器に転用しないか。テロ組織テロ国家に横流ししないか」をチェックする。ということです。

ここ半年、韓国は北朝鮮に物資を横流ししていた事実がいくつも出てきています。

韓国人たちが「徴用工の報復だ」と勝手に思い込んでくれるのは、日本政府にとって都合が良いことです。
たとえ（絶対にありえませんが）ムン大統領が徴用工問題を国内問題として解決すると宣言したとしても、今回の輸出措置が解けるわけではありません。

フッ化水素を輸出する韓国企業が、北朝鮮に横流ししない。
と証明出来ない限り、韓国を特別待遇国（ホワイト国）に戻さない。ということです。
その証明はどうやってするんでしょうね。

横流ししたことの証明は簡単ですが、横流ししないことの証明は相手がウソをつくのが前提でありますから難しいです。

日本政府は粛々と進めていた、理想的。
G20で安倍首相がムン大統領と、立ち話であっても会談しなかったのはこのことでありましょう。

もし立ち話でもすると「徴用工問題について韓日両国で解決させることで合意した」など無いこと無いことをふくらませて言いふれまわることが目に見えてます。

まず正式にムン大統領から徴用工問題についてきちんと提案させること。
G20まで待つ。反応がなければ制裁と手順がきちんと決められていた。

安倍首相は粛々と手順を踏んでいたわけです。
岩屋防衛大臣の握手の件も、韓国の全てを敵に回すわけではない。
という日本政府からアメリカ政府へのメッセージであります。

日本政府が「信頼できる」と判断するまで。
日本政府が発表した「韓国は信用に足らない国なので」という抽象的な表現。これがミソです。
韓国政府が「日本にとって信用たる国家になること」を提示できるかそれはほぼ不可能です。
「信用たる」とは主観的な判断ですから。

韓国お得意の「謝罪しろ、謝罪しろ。被害者がウンと言うまで謝罪しろ」のブーメランです。

日本政府が「韓国は信用できる」まで、誠意を示し続けろ。という関係になりました。