mvunitさん、今回の更新も楽しく見せていただきました。10年以上ぶりの短命アニメ特集ということですが、それだけ長くこのサイトを続けられていることがシンプルに凄いと思います。
子供の頃、なぜか家に「81'アニメ年鑑」という文庫本がありまして、1980〜81年に放送されたアニメ作品が批評されていました。
「スーキャット」とか「さすらいの少女ネル」とか、この本がなければ当時存在自体知ることのなかった作品も多いのでありがたい本だったのですが、批評そのものは辛口で、子供心にぎょっとしたものです。イデオンの打ち切りがあった年ということもあるのでしょうが。
で、その中でも特に厳しい評価を受けていたのがドンデラマンチャだったと思います。企画・シナリオ・キャラデザ・作画、どれを取っても良いところがひとつもないという感じで、漫然とこんな作品を作っていたら日本のアニメは駄目になる!という感じでした。僕自身、掲載されたスチール写真を見て確かにこれは面白くなさそうだな、と思ったのも事実です。確かに主題歌はフィルム起こしの「国際映画社アンソロジー」ぐらいでしかCDでは聴けないかもしれません。
「フーセンのドラ太郎」は以前にここで当時の思い出を書いたことがあったと思います。それだけに、どういう経緯で作られた作品なのかを知れて、本当にありがたいです。ほんとぼんやりした印象の作品だったなぁ。
そして「いきなりダゴン」は、今までタイトル以外ほとんど何も知らずに来たタイトルです。今回はじめて作品の輪郭を知ることができました。先日個人的に「ボスコアドベンチャー」について軽く調べたばかりだったので、その局と原作を変えたリベンジ企画?という感じが強烈にします。と同時に思うのは、タイトルから作品のジャンルや内容が感覚的に想像できるのって大事だな、ということ。「いきなりダゴン」だと、ファンタジーというよりはギャグ物なのかな?と思いませんか?それにしても、「宇宙船サジタリウス」は視聴者以上に日本アニメーション自身に強いインパクトを与えたんですね。
3作品に共通して言えるのは、作品の内容はもとより、それ以上に時代に嫌われちゃった部分が大きいんだろうなぁ、ということです。80年代のアニメ界は業界全体で必死に背伸びしようとしていた時期だと思うんですね。それこそ「メガゾーン23」とか「バブルガムクライシス」とか、「ゴキブリ達の憂鬱」とかが最先端だったわけで、こういうどこか古典的でファンタジックなノリの作品は、国内の民放では居場所がなくなってたんだろうと思います。「アンパンマン」もアニメ化の企画が立ってフレーベル館から映像化権を得てから3年、権利が切れる寸前でようやく放送に漕ぎ着けるという難産だったとのこと。ほんとドラ太郎以外は海外市場ありきだったんだろうなぁ……。