十澄さん、はじめまして。管理人です。
返事が遅れましたことをまずはお詫びいたします。
おんぶおばけの最終回ですが、岡山の友人が20年以上前に
VHSに録画していたらしく、見せてもらうことが出来ました。
(ページ公開から数年してから、ですが。)
十澄さんのご指摘どおり、
「村を襲う洪水を防ぐために妖力を使いきったから」
というのは、ほぼ合っております。
ストーリーをかいつまんで示すと、
「ある日、ゴン(村のがき大将)がオンブーと別れる夢を見ます。
朝方に見る夢は正夢になる、とゴンは両親に話しますが、
どうも両親がその夢を否定しようとはしません。
心配になったゴンはおじぃの家にオンブーを尋ねに行くと、
オンブーはちゃんと居ます。なぁんだ、ただの夢かと
安心したのも束の間、両親がゴンに真相を伝えます。
お前はもうすぐ奉公に行くんだ。オンブーと別れるのは夢じゃない。
お別れするのはゴンのほうだったのです。
大工の棟梁の下で手に職をつけさせようと、
父親が頼みに行き、了承されたのです。
ゴンが村を出るまであと数日。
ゴンは強がって「明日にでも行ってもいいぜ」と
威勢よく言いますが、しだいに憔悴し始めます。
それを見かねたオンブーはおじぃの元で鍛冶屋の
修行をしても同じなんじゃないか?とゴンに提案するも、
「ほっといてくれ!」とゴンはヘソを曲げてしまいます。
豊年祭りの夜。明日ゴンは街にいってしまう最後の夜。
オンブーはすねていきり立つゴンに本当の気持ちを
聞き出そうとするも、意地っ張りのゴンは突っぱねます。
そんな最中、突然天候が崩れ、未曾有の大嵐が!
家も田畑も洪水で押し流され、皆山寺に避難に来ます。
しかし洪水は凄まじく、山寺も風前の灯。
避難した山寺でオンブーはゴンに尋ねます。
「このままじゃみんな死ぬかもしれない。最後に聞かせて!
本当は村に残っておじぃの鍛冶屋で学びたい?」
ゴンはついに本音を吐きます。
「鍛冶屋にいたい!村から離れたくない!」
それを聞いたオンブーは安心し、嵐の中に出て行きます。
「待つんじゃ!オンブー!」
おじぃの止めるのも聞かず、オンブーは嵐の中を飛びます。
すると、山寺を飲み込もうとする濁流が目前に!
オンブーは濁流に突っ込み、丸太を押し返そうと
必死に戦います。走馬灯のように今までの思い出が…
嵐が過ぎた後、おじぃは丸太の下に埋もれ
事切れたオンブーを発見し涙します。
「お前が皆を救ってくれたんじゃな、オンブー…」
オンブーの亡き骸に涙で訴えかけるゴン。
「おれ、おまえにまださよなら言ってねえぞ!」
おじぃ「思い出すのぉ…お前と初めて会った時を。
あのころは石のように冷たい体じゃった…
今と同じように…のぉ。
オンブーは翡翠から生まれた精じゃ。
またもとの翡翠に還るんじゃ…」
気づくと、背中に背負われたオンブーが
翡翠の塊に変わっています。
おじぃと子ども達は翡翠を川にそっと沈めます。
途端、翡翠は砂糖のように粉々に砕け、流されて消えます。
それから村は復興し、もとの平和な村に戻りました。
ただ、村の子ども達はそれからというもの、
空を見上げ、オンブーを探す癖が付いてしまった、
という事です。」
ストーリーを見ると、前半はゴンの別れ、後半は大嵐と
二重構造になってることが解ります。ただ、
ラストの大嵐がちょっといきなりすぎる印象があって、
ゴンの奉公のオチもつかないまま終わってたりと、
未消化な面もありますが、ラストのオンブーの翡翠が
粉々に砕けるシーンはクるものがありますね。
児童向けにしてはやや容赦ない演出のような気もしますが…(脚本は雪室俊一氏でした。)