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(105)投稿日:2005年01月12日 (水) 22時31分
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相場を扱った小説は意外に多くあります。清水一行の「小説 兜町(しま)」は企業小説というジャンルを確立、同氏の「小説 暴落企業」は実際の事件を彷彿するストリー展開となっています。また、是川銀蔵をモデルにした津本陽の「最後の相場師」はあまりにも有名です。 時代は違いましても、実際にあった相場をモチーフした小説は、相場に翻弄される人々や人々を翻弄する相場師の心理なども描写し、読み応えがあります。 「そろばん」という小説も相場を扱っていますが、これは日経新聞に掲載された「私の履歴書」を再編纂した、山崎種二の自叙伝となっています。「売り将軍」こと山崎種二は、丁稚奉公から出発し、相場で財を築いた立志伝中の人物ですが、残念ながら現在はなかなか手に入りません。山崎種二をモデルにした小説では、城山三郎の「百戦百勝 働き一両・考え五両」も有名で、機会があれば一度手にされてみてはいかがでしょう。
ちなみに日本画の収集でも有名であった山崎氏でしたが、贋作を掴まされることも度々だったそうです。しかし、奥方の「本人に目の前で描かせたものは本物でしょう」を実行に移し、後に大家と言われる画家達の若い頃に描いた本物の作品を多く所蔵することになります。他人の評価や、評価の定まったモノを求めがちな一般人に比べ、ある意味相場師らしい側面でもあります。
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