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(152)投稿日:2005年02月04日 (金) 01時38分
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【タイトル】SIMEX
次第に上値が重くなりました。
FOMCは0.25%のFF金利誘導目標の引き上げと、しかしながら慎重な ペースで今後も利上げを行うとの予想通りの発表を行いました。
これを受けて米国市場は一時買われましたが、それも長くは続きま せんでした。すでにFOMCはすんだこととして、市場の関心は次の材 料に移っています。
昨晩の米国株の上昇は、結局はグーグルやボーイングの好決算。一方 で、上値を押さえたのは週末に発表される雇用統計への警戒感でした。
ただし、ダウは25日移動平均線10574ドルを超えてきました。という ことは一旦は戻り売りも出るかもしれませんが、それでもひとまず は弱気の世界からは脱したようです。
一方、ナスダックの方は、25日移動平均線は2084ポイント。昨日の 高値は2079ポイントですからもう少しです。ただ、こちらの方は、 ここから2100ポイントの間にもみあいゾーンがありますから、戻り 売りが出そうですね。
さて、それでもFOMCの無事通過と米国株式の続伸により、CME日経 も11480円。日経平均の方はすでに昨日25日移動平均線を超えてい ましたから、好材料への反応は良かったようです。
ただ、東京市場が始まると、買い先行でしたが上値は伸ばせません でした。日経先物の寄り付きは、シカゴ市場に届かない11450円でし たがこれが高値となりました。
その後はじり安の展開です。押されてくるといろいろな材料は出て きます。三井住友銀行の決算のはなし、新生銀行の売り出しのはな し、またSQのはなしなどなど。しかし、真偽も分りませんし、あま りピンと来る材料でもありません。
ただ、11400円台後半までは上値を伸ばせなかったことだけは事実 です。ということで、これを見た短期のトレーダーたちは、当面の 上値は寄り付きあたりとして、次第に買いポジションの整理売りや 新規の売りを出していった、ということは確かでしょう。
日経先物はその後は11300円台半ばまで下げましたが、最終的には 11390円での引け。11400円をはさんだ狭いレンジでのもみあいといっ たところです。
さて、日経平均株価の方は、結局11389.35円-17.79と小反落でした。
朝方は11444円まで上昇しましたが、昨日の高値11447円にまでは届 きませんでした。逆に昨日の下値11339円を割り込んできたことで、 ここまでの上昇も一服というところでしょう。
そのため、明日は本日の安値11344円の水準が維持できるかが一つ のポイント。これを割り込むと昨日の高値が一つの小さなピークと なり、次の底値を模索する流れになります。
一方、25日移動平均線11399円は維持できなかったのですが、5日移 動平均線11377円は終値では7日連続で維持。ここからは1月24日安 値からの上昇トレンドはなお維持されていると言えます。
したがって、現状は超目先での調整局面として、11400円を中心と する保ち合いレンジを形成するのは仕方ないところでしょうね。
話しは変わりますが、昨日、シンガポール取引所(SGX)は、日経 225先物取引の立会い取引すなわちオープン・アウトクライの取引を 3月31日で廃止すると発表しました。今後は、電子取引一本になり ます。
実はSGXは、その前身はシンガポール国際金融取引所(SIMEX)と言 い、1986年9月3日に世界ではじめて日経225先物の取引を開始しまし た。大阪証券取引所が同取引を始めたのは88年9月ですから、その2 年前です。
それ以来続いていた取引方法がついにここで幕を閉じるというは、 一つの時代の流れとはいえ、思いもひとしおという部分はあります。
オープン・アウトクライという、まさに売り方と買い方が怒鳴りあ いながら取引を成立させていくという方法は、いくつものドラマを 生みました。
買いが殺到すると気配がついてなかなか約定しない大証に対し、 ほぼ瞬時に値がつくSIMEXのフロア取引は、東京市場の方向を示す 役割も時として果たしていました。
あるいは、ブラックマンデーの翌日に、誰も買い手がいないからと、 2万円台であった日経先物をいきなり何千円の世界でスタートさせ るといった大サプライズもありました。また、ベアリングを倒産さ せたニック・リーソン事件の現場もこのオープン・アウトクライの フロアでした。
ただし、それでもフロア・トレーダー、オーダー・フィラー、そし てローカルズといった市場参加者や関係者の顔が見える取引は、今 一体そこで何が起こっているのかが容易に分るものでした。
それだけに、これとは対照的な顔の見えない電子取引になることに 対しては、大きな時代の変化を感じざるをえません。
もちろん、電子化というこの流れは投資家の利便を考えると、正し い選択でしょう。執行のスピードや、レスポンスの確実性は格段に 良くなります。
また、PCとネットを通して簡単に市場参加ができますし、プロと同 じ取引環境なのですから、参加者も増えていくことでしょう。電 子化のパワーです。
そう言えば、東京株式市場でも、昨日は出来高10億株以上の取引が 100日続いたという報道がありました。これも電子化そしてインター ネットの普及がもたらした結果です。
くしくもその晩に、SGXがフロア取引の廃止を発表。取引に新たな時 代が訪れていることが思い知らされます。
ただし、それは投資が身近な時代でもありますし、また同時に投機 にも容易に手が出せる時代ということでしょうね。
さて、明日は立春。むかしの新年です。 ということで、あらためてがんばりましょう!
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