[7919] 雷神 [-/-] 2019年12月02日 (月) 05時12分 |
タツさんに質問があります |
戦勝国はヒトラーが使用していた4つのロゴマークを禁止したとのことですが、それは何という条約でしょうか? |
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[7920] たつ [よかばい福岡/男性] 2019年12月03日 (火) 00時10分
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雷神さん、はじめまして。 敵国の軍旗や銅像や肖像画などを戦勝国が廃絶するのは、敗戦してもなおゲリラなど反旗を翻す者を呼び起こさないための処置で、条約や法律、司令官の命令がなくても軍人1人1人が破壊し焼いていきます。 少し記憶を辿っても、サダムフセインの像を倒して破壊したりなど、条約などなくても行うものです。 つまり、事実上「禁止」されます。
さて本題です。 ナチス・ドイツにおいては、領土拡大や領土奪取によることなくホロコーストを行っていたという点が、過去の戦争とは大きく異なっています。 そのため、大戦中から連合国側は、ホロコーストにおけるナチスの組織的な犯罪を重く受け止めており、ドイツ軍に勝利するだけではなく、ドイツ国民の心の中にあるナチズムを根絶しなければいけないという大きな役目がありました。
1945年5月7日にナチスドイツ軍が無条件降伏し、同年11月20日から始まった「ニュルンベルク裁判」で連合国側はナチズム根絶のため「個人の戦争犯罪」と「組織の戦争犯罪」とを分けて『組織的な犯罪』を暴いていきました。 その結果、■ナチス党指導部 ■親衛隊(SS) ■ゲシュタポ・保安部(SD)の3つの機関や部隊に対して有罪判決が下っています。 (ナチス党も組織犯罪であったと認定されています)
ニュルンベルク裁判の判決文は読んでいませんので「こられの組織が使用したシンボルの使用を禁止する」と書いてあるかはわかりませんが、今日のドイツにおいて、ハーケンクロイツを禁止する法律(組織や団体での使用は禁止だけど、個人での使用なら大丈夫かもよ)という、ドイツ連邦刑法86条の基礎となっているのは明らかです。
雷神さんの質問に事実上の禁止という曖昧なものではなく、史実として答えるなら、ニュルンベルク裁判で禁止にしたということになります。
ちょいと余談。ひとつのお話 ドイツのように日本が旭日旗使用を刑法にしないのは、日本国民が思想としたシンボルは、日章旗でも旭日旗でもありません。また天皇陛下(無罪)の勅命による組織犯罪もありません。 日本人にとっては天皇陛下そのものがシンボルなのですが、対戦した連合国は、玉砕してでも、たった1人になっても戦を挑んで来る日本人の恐ろしさを知ったため、日本のシンボルを消し去ることが出来ませんでした。戦後は象徴としての天皇になっています。 一方、ドイツは自殺したヒトラー、そのヒトラーの命令よる組織が有罪判決を受けたことにより、ドイツはこのシンボルマークを使う組織や団体の使用禁止を刑法にしておかないと、連合国や周辺諸国に対してニュルンベルク裁判を否定したことに繋がりますし、ナチズムという歴史処理もできませんので必然的に刑法にしておかざるを得なかった訳です。
私の話は噓かも知れませんよぉー 「こいつデタラメ言いやがるな!!」と疑ってください。 そして、ご自身で考察されてください。 |