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[53]録音レコードによる音楽の感動とは - 投稿者:たろう
今日聴いたこのレコード、「ETERNA チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲第一楽章、演奏ダビッド・オイストラフ コンビチュニー指揮ドレスデン交響楽団」 このレコードの演奏始めの針を下す部分は猛烈なプチプチ音があった。これはまさにこのレコードが名盤たるゆえんであり多くの回数が聴かれた証である。レコードの冒頭から猛烈なオケのツッティが鳴り響く。左右のスピーカーからうなり出る音はとてもほかのレコードで聴いたことがないようなエテルナ特有の音だ、 そしてしばらくするとオイストラフの力強い演奏が始まるのだが、ジャケットの写真に載せられたオイストラフの恐ろしいほどの顔が眼に浮かんでくる。それから約20数間続くこの第一楽章は決して聴き手を休ませることはないほどの力のこもった演奏だった。 多くの演奏者の同曲を聴いてきたが、こんなにも音楽の中に引き込まれたことはなかった。 聴きての私がこのような印象だから、実際の演奏者は果たしてどんな顔をしていたのだろうか。とにかくその一音々々を聞き逃すまいと必死だったが、この曲が終わったところで疲れ果ててしまった。それは体力的な問題というより、芸術鑑賞の凄まじい代償でもあったようだ。それほど、このレコードは聴き手にも驚嘆する演奏効果をもたらす。どっぷりと音楽の中に取り込まれたということなのだ。 CDを聴いていてもこんな深い感動が得られることはないだろう。これがまさしくLPレコードが故の効果なのである。 そのあと、PCの前に行って五嶋みどり氏の 同曲を視覚的に視た。これにも驚かされた。 まるで彼女はリングの上でボクシングをしているような姿でバイオリンと格闘していたのである。ウエイビングしながらあるいは身体を前に深くまげて体を振り回しながらバイオリンの音を紡ぎ出してゐいた。ああ、やはりこの曲は黙って突っ立って出てくる音ではないんだとつくづく感じた。まさに「格闘」する音楽なのである。
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2021年05月23日 (日) 15時15分 )
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