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[32]製造国違いのレコードを比べてみた - 投稿者:taro
手元に出てきたBACHのLPの音質を調べてみた。BACH ヴァイオリンとチェンバロのための ソナタ。各2枚入ボックス VN:コーガン チェンバロ:カール・ リヒター 1973年録音 1.日本国内盤 オイロディスクジャパン制作 キングレコード製造 2..英国RCA録音及び製造 ジャケットもも同じレコードではあるが、双方の音楽にかなりの違いがある。 RCAはまるでジャズと変わりがないほどのダイナミックな音だ。まるでヴァイオリンのコーガンが大声でわめいているような感じだ。 リヒターのチェンバロも総じて音が強過ぎる。本来かすかな音であるはずのチェンバロがここではまるでリズムを強調するための楽器と化している。
この曲はバッハの曲の中でもしっとりと演奏されるのが普通なのだが、英国版のRCAの場合、これで果たしてバッハの曲想にあっているのか疑問が残る。まるで作曲家を間違えているような雰囲気だ。 一方、国内盤の方はきちんとした演奏でそれなりの折り目正しい両者の演奏が光っている。 私は国内版はほとんど聞くことはないが、まあ、なんとか最後まで聴くことができた。
もともとの米国版RCAの場合、例のリビングステレオのあまりのレコード制作のまずさに驚いて、これまでほとんど聞くこともなかった。やはり米国人の気質はこうした「モノづくり」には向いていないのだろう。 ジャズレコードを聞く人の中には結構ファンも多いようだが、クラシックをじっくり聴く人間からすると、やたらとドラムやベースで調子を取る音楽は好きになれない。 かって、私はアメリカのジャズ発祥の地と言われるニューオーリンズにもでかけて行ったことがあるが、お祭り騒ぎの街の雰囲気に飲まれてしまった。彼らは音楽を聴くというより楽しむという方が似合っているようだ。そのニューオーリンズの夜の帰り道に小学生位の男の子が、橋の上で、ヴァイオリンを奏でていた。前に立って聴いたらそれはバッハの「無伴奏」だったので大変驚いた。アメリカでバッハを弾く人はこうしてジャズ文化の陰でひっそりと演奏していることを感じた次第である。
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2020年09月29日 (火) 11時18分 )
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