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[8661] 清山 稔 釈 辞世 の歌  投稿者:naka 投稿日:2013年03月02日 (土) 00時52分
 
  一生は もうこれきりのこととして

       心に刻む 緊要の時

 この歌は、2月18日に逝去した、今は亡き吟友、清山 稔さんの臨終の歌です。
癌に侵された肉体が死に向かって時を刻むとき、病院のベッドに横たわり、意識も朦朧とするあたり、
死に対して潔く心に決めたカウントダウンさながらの決断と言えよう。
「もうこれきりのこととして」あきらめよう、と決断の描写だ。
こう考えることで大切な一刻を自分自身に言い聞かせ、周囲に伝えようとする
壮絶な心の叫びを思うとき背筋が凍る思いがする。精一杯の無念の叫びと言えよう。
人は誰もが必ず死ぬもの、と自分に言い聞かせても、現実は「まだ遠いこと」と真に迫って考えようとしない。
清山さんの死は吟友の多くに時の緊要を教えてくれる。
「心に刻む緊要の時」、時計の秒針が刻む音、生命の限界に1秒ごとに迫る命の限界を確信する時の大切さ、
思い切ってあきらめる心の一途さに無念さが鋭く伝わる。吟詠を愛し、詠詩を楽しんで命を焦がした。
酸素ボンベを片手に引っさげてコンクールに出場していた時の彼の気丈な執念には頭が下がったものだが
もうその姿は見ることは無いのだ。
詩吟一途の大和魂は松陰の國を愛する一途さに通じるような心理が窺えるのです。
”身はたとい武蔵の野辺に朽ちぬともとどめおかまし大和魂”(吉田松陰)。 ””とどめ置かまし詩吟魂””

      ”” 天も地も 凍りて すべて眠る夜の 海にするどし 流星の飛ぶ ””  (菖豊)




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