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[1028] 友の言葉〜ZAC2100年・10月〜 ヴォルド - 2005/09/14(水) 22:11 -

―オォ・・ォォォォン・・・・

ZAC2100年10月・帝国軍ニクシー基地。

新大型ゾイドの群れが、帝国軍戦艦ホエールキングの中から現れる。
巨大な象型ゾイドだ。
長い牙、鈍く光る頑丈そうな装甲。
それは、見るからに強力そうだった。

―エレファンダー。
ZAC2099年末より開発が開始され、共和国に止めを刺す決戦ゾイドとして生まれたゾイドだ。
・・だが、今彼等が遂行しようとする任務は、当初の目的とは明らかに違った。
現在の彼等の任務・・・
それは、西方大陸戦争に敗れ、暗黒大陸に敗走する帝国軍主力部隊を逃がすまでの時間を稼ぐこと。言わば、捨て駒だ。

『共和国部隊、確認。数、約5000。』
外の戦場とはまるで別世界のような静けさが漂う、1機のエレファンダーのコクピット内。
その静けさの中、静かに敵戦力の報告を受ける者がいた。
真面目そうで、何処か冷たい感じの軍人顔の男だ。
「・・生還の望みは、無いな。」
眼前のモニターに映る凄まじい数のゾイド。
その中には、味方など1機もいない。全てが敵である共和国ゾイドなのだ。
ふと、彼は横を見る。
多くの帝国ゾイドがいる。エレファンダー、ブラックライモスなどだ。
だが、その数は500機。相手は第一波で5000機。勝てる数ではない。
勿論、帝国軍上層部もそれは知っている。
それでも彼らは出撃させられた。
何故なら、彼等はガイロスの民にとっては虫ケラ同然の存在価値であるのだから。

―ゴゴゴ・・・
ゾイド達が動き出した。
咆哮を上げ、敵に立ち向かう。
『さぁて、帰りの無い任務に挑むとしますか?ハルトマン大尉。』
張り詰めた戦場の空気の中、場違いな陽気な声がする。
「・・リュウジか。言っとくが、遠足に行くんじゃないんだぞ。」
ハルトマン、と呼ばれた軍人顔の男が、モニターの端っこに映った随分と幼い顔の青年を注意した。だが、注意といった感じの声ではない。
むしろ、友人に話しかけるといった口調だ。
『わかってます。ですが暗い気分でやったんじゃ勝てる戦も勝てませんよ。・・尤も、この戦いはどう足掻いても勝てそうにありませんがね。』
リュウジという青年の声が、後半少し暗い感じを帯びる。
彼も十分に知っているのだ。この戦いには、絶望しかないことを。

それっきりハルトマンとリュウジは喋らずに、進軍し続けた。
彼方此方で、火花が散り始めた。
共和国は予想外の新型ゾイド、エレファンダーの攻撃に戸惑っている。
ハルトマンのエレファンダーにも、共和国ゾイドが襲い掛かった。
相手は、青き疾風シールドライガー。
遥かに上回る機動力でエレファンダーを混乱させようとする。
そして背後から牙を光らせ噛み砕こうとした。
―が、その刹那、ハルトマンは猛烈な勢いでエレファンダーを旋回させる。その勢いを利用し、長い鼻でシールドライガーの顔面をぶん殴った。
シールドを張っていたようだが、そんなものは全く役に立たず、ライガーの顔面は無残に潰れた。
ハルトマンの目には、赤くなったコクピットが映った。

シールドライガーを撃破したハルトマン。だがそんなのは所詮前座。
更にゾイド達が来る。
今度は1体ではない。かなりの数だ。10機はいるか?
「ちぃっ・・!」
左右から2体のゴドスが足を振り上げる。
ゴドス最強技、キック。
ハルトマンは右のゴドスをビームで、左のゴドスを鼻で打ちのめす。
それとほぼ同時にコマンドウルフがゴドスの残骸を飛び越えてきた。それを勢いよく振り上げた牙で串刺しにすると、それを横にいたシールドライガーにぶつける。
快進撃を続けるエレファンダー。

・・だが、突如鈍い金属音がすると、エレファンダーが悲鳴を上げて膝を折った。
「―っ!?」
コンピューターがが瞬時に被害報告をする。
後ろ足の間接に銃弾を受けていた。
関節を的確に狙う、精密射撃だ。
そして遥か後方に、その銃弾を放った犯人はいた。
共和国の誇る、限定的にOS(オーガノイドシステム)を組み込んだ小型機、ガンスナイパー。
格闘能力は低いものの、射撃能力は中型ゾイドすら凌ぐ。
厄介な奴がいた、と思った。
が、すぐにガンスナイパーどころではないことを知る。かなりの至近距離に、新手が現れた。
「―ゴシュラス!?」
西方大陸戦争開戦当初の共和国軍最強機獣が、そこにいた。
エレファンダーと同じパワータイプだが、その力の差は歴然だ。
ゴジュラスの腕が、エレファンダーを掴もうとする。
―やられる。
一瞬、そう思った。
だが、天はまだハルトマンを殺しはしなかった。

ゴジュラスが突如呻きを上げてよろめいた。
何が起こったのかハルトマンにはすぐに理解できなかったが、直後に入った通信で全てを知る。
『新型ゾイドに乗ってんのに、旧式ゾイドに乗る僕より先に死んでどうすんですか!』
―リュウジだった。
ブラックライモスの超硬度突撃ドリルでゴジュラスに体当たりしたのだ。
だが、所詮は中型ゾイドの攻撃。ライモスより一回りも二回りも巨大なゴジュラスに手痛いダメージを与えることなど出来なかった。
すぐにゴジュラスは動き出す。
このままだと、リュウジが危ない。
「させるかあぁぁぁ!!」
ハルトマンが叫ぶ。その思いに、エレファンダーが応えた。

―オォォォ・・ン!!

雄叫びとともに立ち上がるエレファンダー。
レーザーを連射する。
少しずつ、だが確実にゴジュラスの装甲を砕いていく。
そして、次の瞬間には牙を振りかざして飛び出していた。
目指す先は、ゴジュラスの心臓部・・。
「うぉぉぉぉぉ!」
凄まじい勢いでゴジュラスの尾がエレファンダーを殴り倒そうとする。
ハイパーEシールドで耐える。その一撃でシールドは使い物にならなくなった。
だが、もう勝負はついていた。
ゴジュラスの腹から、銀色に輝くエレファンダーの牙が生えた。

崩れ落ちるゴジュラス。
近くでは襲い来る他の共和国ゾイドをリュウジのライモスや他のエレファンダーが食い止めていた。だが、破られるのは時間の問題だ。
ニクシー基地を見る。
ホエールキングが次々に飛び立つ。
あと、少しだ。
上手くいけば生き残った者だけでも最後のホエールキングに乗せてもらえるかもしれない。
ガイロスだってこの長い戦争で兵力は消耗しているはず。むやみに兵士を見捨てることはすまい。
僅かにハルトマンに希望が見えた・・が。
『大尉!』
リュウジの叫びに、ハルトマンが反射的に振り向く。
そこに広がっていた光景に、希望は無残に破壊された。
―共和国軍の増援。
エレファンダーの思わぬ性能に、連中はディバイソン、カノントータスBCなどの重撃隊を送り込んできたらしい。あの砲撃を受ければ、ただでは済まない。
「―やはり、最後か。」
ハルトマンは呟いた。
恐らく、ここにいる全員が同じことを思っただろう。
1機のエレファンダーが、ふいに吼えた。
それにつられ、次々とエレファンダーが吼える。
最後に、ハルトマンのエレファンダーも。
叫びは巨獣の大合唱へとなっていた。
その威圧感に一瞬、共和国の進軍が止まる。

―ズン・・・

エレファンダーは歩みだす。
1歩、また1歩と。
だがそれとは逆に、1機のゾイドは後退した。
リュウジの、ブラックライモスだ。
そして走り出す。一路、今にも飛びだとうとするホエールキングへと。
ハルトマンはそれを気にも留めなかった。
自分は自分だ、と言うばかりに共和国軍へと近づく。そして―
「エレファンダー隊、突撃開始!」

地震が起こった。
自然的にではない。生き残りのエレファンダーが一斉に走り出したために、起こったものだ。
怯んでいた共和国軍も、一斉に砲撃を開始する。
猛烈な弾と光線の嵐がエレファンダー達を襲う。
1機ずつ、確実に撃破されていく。
それでも彼等は進軍を止めない。共和国の中には、目を疑った者もいるだろう。
ハルトマンのエレファンダーも、満身創痍だ。
牙は千切れ飛び、鼻もへし折られた。
だが、迫り来る共和国のゾイドを足で踏み潰し、体当たりで吹き飛ばす。
再び砲撃が来る。
ハルトマンの視界が白一色に染まる直前、彼は無意識のうちに叫んだ。

―ヴォルフ・ムーロア様万歳、と。


暗黒大陸へ向かう1機のホエールキング。
その中に、リュウジはいた。
もう、何も心配する必要はない。追手はレドラー決死隊が食い止めたから。
「大尉・・。」
あの時、ハルトマンは自分にこう言った。
“逃げろ。祖国のために。”
彼の言った祖国、それがガイロスではないことをリュウジは知っていた。
祖国―それは、50年前滅んだゼネバス帝国。
リュウジとハルトマンは、同じゼネバスの出身なのだ。
彼等は酷い差別を受けながらも、互いに励ましあい、必死にこれまで生きてきた。
出撃する時、ハルトマンがリュウジに友人のような声で話しかけたのもそのためだ。
階級の差など、形式的なだけのものだ。

「・・・。」
リュウジは、下を見る。
ガイロスの故郷、暗黒大陸の大地が広がる。
彼は思う。
この大陸に、“祖国”の旗が靡く時を。
彼は、それまで生き続けると決意した。

友の、言葉通りに。

[1029] にょん(謎 ヴォルド - 2005/09/15(木) 17:08 -

短編です(見りゃわかる
myuraさんの遠い幻に影響されて書いたんですが・・まだまだですな(汗
主人公はファンブック3に書いてあった人です。
投稿当初、少々ミスってた箇所があったので修正しました。
やはり、投稿する前に確認するべきですね(^^;



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