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[982] ―treachery― 独楽犬 - 2005/07/30(土) 20:35 -

これは西方大陸事変の続きです
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
treach・er・y [trét()ri]
━━ n. 裏切り(行為); 反逆(treason).

アルタイア上空
 帝国軍のホエールカイザーが低空を飛行している。中では空挺部隊が出撃の準備を整えていた。
「降下用意!」
 空挺部隊の指揮官であるラスコフ大尉は、自らのロードゲイルに乗り、部隊の先頭に居た。やがて、降下地点上空に達したので、発進口=ホエールカイザーの口が開く。
「降下!」
ラスコフのロードゲイルを先頭に、イグアン・カージナル(空挺仕様イグアン)に、レドラ-の羽を生やしたレヴラプター空挺仕様が空中へ飛び出した。

アルタイア レーダー基地
「首都上空に大型飛行物体。帝国軍のホエールカイザーと思われます」
オペレーターの一人が叫んだ。
「ホエールカイザーだと!ついに始まったか。戦争が!全部隊に迎撃の用意を!」
 当直仕官はそこまで言って、突然黙った。背中に銃を突きつけられたからだ。
「その必要はない」
 銃を突きつけたのは、他ならぬ保安隊司令であった。
「帝国軍が本格的に攻めてきたのなら、もはや保安隊で守り抜く事は不可能だ。放っておけ。そうすれば私の直属の部下とともに協定通り動いてくれる」
「協定だと?」
「その通り。私と帝国軍の間のな。この国を救う為だ」
「それはクーデターという事ですか?司令!」
「そんなところだな。さぁ、おとなしくしてくれよ」
だが、当直仕官は動いた。
「総員に告ぐ。帝国軍の侵略だ!全力で迎撃せよ。同時に司令に…」
銃声が基地内に響き渡り、当直仕官が倒れた。それと同時に司令直属の警備兵が突入し、レーダー基地を完全に掌握した。
「まったく。馬鹿な男だ」
司令はそう言うと、まだ銃身の熱い拳銃を懐にしまった。

政府官庁街
 ここはアルタイアの国家の中枢の集まる場所であり、最大級の警備体制がとられている場所でもある。警備は南部管区の管轄となっている。
「隊長!帝国の攻撃です!」
アーデントは、通信所から出ると叫んだ。
「攻撃?司令は?」
ミリィは、愛機のゴトスのコクピットに立っている。
「それが…通信が突然、断絶して…」
そう言うとアーデントも自分のゴトスへ向かった。
<こちら、砲台長だ。こちらも通信が…>
通信機の向こうから、官庁街の入り口に築かれた砲陣地の指揮官の声が聞こえてきた。
「なにがあったんだろ…」
ミリィがそう呟いた…その時だった。
<上空に敵影!>
砲台長だ。その叫びを聞いたミリィは、反射的に空に顔を向けた。
 ミリィの目に映ったのは、降下してくるイグアン・カージナルであった。

残存するキャリアーは、ウルトラザウルス・キャリアー4艦。
次にミサイル郡が襲ったのは、艦隊の最後尾を進んでいたウルトラザウルス・キャリアー<ウルトラザウルス>であった。
 ミサイル2発が格納庫に命中した。積まれていた艦載機用の弾薬に誘爆し、<ウルトラザウルス>は巨大な水柱を残して、瞬時に海上から姿を消した。轟沈だった。
 続いて、<ハーバード・リー・チェスター>が沈むことになった。1発がレーダーが装備されている首に命中し、へし折れ、操縦不能に陥った<チェスター>の機関部にさらに1発命中。<ウルトラザウルス>と同様の轟沈であった。

 空中で艦隊防空を展開したレイノス編隊、コード<アルファー>が展開した。彼らはウルトラザウルス・キャリアー<ロイ・ジー・トーマス>の艦載機部隊である。
「アルファ・ツーワン。ミサイル接近。数10。目標は<ロイ・ジー・トーマス>と<ルイ-ズ・エレナ・キャムフォード>だ」

空母型ウルトラザウルス<ロイ・ジー・トーマス>CIC
「対空砲撃ち方はじめ!ミサイル郡を撃墜せよ!」
艦長の叫びがCIC内に響いた。それと同時に、ウルトラザウルスに搭載されている対空砲郡が空に向け射撃を開始した。
 砲弾は空中で次々と炸裂し、ミサイル郡を襲うが、1発が突破した。
<こちら、アルファ・ツーワン。ミサイルが1基、突破。そっちに向かっていく>
通信機から上空のレイノスのパイロットの悲痛な声が聞こえてきた。
「面舵一杯!回避〜〜!」
「だめです!間に合いません!」
絶体絶命。誰もがそう考えた。その時、救世主が現れた。
<こちら、アルファよし、俺に任せろ!>
 ウルトラザウルスに向かうミサイルの前に、レイノスが回り込んだ。
「うぉぉぉぉぉぉ!」
 そして、そのままミサイルに突撃した。空中で爆発が起こり、尊い犠牲と引き換えに<ロイ・ジー・トーマス>と<ルイ-ズ・エレナ・キャムフォード>が救われた。

 警戒態勢に入りオーウェルもピドルと伴にパトロールを行なっていた。そこへ、当直仕官のあの通信。司令部との通信回線はそれ以来、途絶えていた。
「いったい何があったんだ?ピドル」
オーウェルの問いにピドルはなにも言わなかった。
「どうしたんですか?…!」
 オーウェルはなにも言えなくなった。彼の視界の中に、自分のレイズタイガーに襲い掛かるピドルのブラストルタイガーが入ってきたからだ。
「うわぁ!」
 間一髪でオーウェルは横に避け、叫んだ。
「なにするんですか!」
<許せ…これが国のためだ!>

すみません。遅筆で…本当にすみません…

[1031] ―crisis― 独楽犬 - 2005/09/24(土) 21:32 -

cri・sis [kráisis]
━━ n.(pl. -ses[-si:z]) 危機,重大な局面; 転機.

「くらえぇぇぇ!」
アーデントのゴトスのキックが、イグアンに炸裂した。イグアンは、味方と巻き込んで豪快に飛ばされ、10mほどいったところに落ちた。
「キリがない」
またイグアンは30機以上残っている。
<いったん撤退しましょうか?>
 ウィリーだ。
「バカ言うな!我々は引いたら誰はここを守る!」
そう言って、アーデントは近くにいたイグアンに蹴りをいれた。

「いったいどういう事ですか!国の為って!」
レイズタイガーのコクピットの中でオーウェルが叫んだ。
<お前は分かっていないんだ。この国の現状を!腐りかけたこの国の今を>
「腐っている?」
<この国は滅亡への道を歩んでいるんだ>
確かにその言葉に間違っていなかった。もともとろくな産業が農業しかないアルタイアは貧しい。多くの国民が貧困に苦しんでいる。最近は、豊かな暮らしを夢見て、山を降り国を出る者も増えているのだ。
<にも関わらず、政治家達は己の懐を暖めるのに夢中。国の惨事は眼に入ってはいない。おまけに中立という名の殻に閉じ篭り、外を知ろうという努力を失った>
「それで救う為にやったことがこれですか?侵略者を呼んだだけじゃないですか!」
<我々が呼ばずとも彼らは来ただろう。その時、中立というお題目を守っていればどうにでもなると勘違いしている政治家になにができると思う?保安隊と名づけられた軍隊もどきになにができると思う?オーウェル?>
「俺たちが居るじゃないですか!レイズタイガーもブラストルタイガーも強いゾイドです!2人が力を合わせれば、帝国軍も止められる筈です!ですからヘンな事言わないで…」
<若いな…確かにレイズタイガーもブラストルタイガーも強いゾイドだ。だが、帝国の圧倒的な物量の前になにができる?よく考えろオーウェル。帝国人はアルタイアを必要としている。我々はこの国を救う者を必要としている。両者の利害は一致しているんだ。だったら帝国と協力して、この国を建て直すべきだとは思わないのか?帝国と戦っても被害が増えるだけだぞ!>
オーウェルは混乱していた。
「そんな…おかしいよ…」
<オーウェル…俺に着いて来るんだ!この国を救うんだ!>
「だめだ…」
そう言って、オーウェルは、レイズを走らせ逃げた。暗い山道をひたすらレイズは走った。
 これは夢だ!なにかの悪い夢だ!ソフィー、僕を助けてくれ!
 レイズタイガーはいつのまにか、村落に着いていた。
「ソフィー…」
目の前には、ソフィーのグスタフが居る。
<どうしたの!オーウェル!なんか爆音がしたみたいだけど…>
「それが大変なんだ!」
その時、レイズタイガーの周りで爆発が起きる。
「逃がさん」
ブラストルタイガーだ。

「あれか。しぶとい連中だ」
ラスコフのロードゲイルは、上空でアーデント達の戦い振りを眺めていた。
「ふん。あれが指揮官機か…■!」
ラスコフはアーデントのゴトスに狙いを定め、急降下した。
 また1機、イグアンを蹴り飛ばしたアーデント。その時、なにかを感じた。殺気だ。
なにげなく空を見上げるアーデント。そこには迫り来るロードゲイルが。
「やばい」
 避けられない…その時、官庁街のビル群から1機の大型ゾイドが現れた。そのゾイドは、アーデントのゴトスの首に噛み付くとそのまま連れ去った。
 次の瞬間、さっきまでアーデントのゴトスが居た位置に、ゲイルのスピアが突き刺さった。
「間に合った」
 アーデントを助けた大型ゾイド。ケーニッヒウルフは、着地するとゴトスを放した。
「共和国軍准尉、ポー・ラウリ・シェフィールド」
<保安隊南部管区長、ミリィ・アーデント。なんの用?>
「もはや保安隊では帝国軍の攻撃を阻止できません。撤退すべきです!あなたがたは我々が保護します」
<ふざけないで、じゃあ、この国は誰が守るのよ…>
その時、通信に何者かが割り込んだ。
<彼女の言うとおりだ。すぐに逃げるんだ>
砲台長だった。
<我々、保安隊では、もはや守りきれん>
「しかし…」
<もちろん、共和国軍が帝国を追い出してくれるかもしれん。しかし、それでは支配者が帝国から共和国になるだけだ!アルタイアがアルタイアである為には、アルタイアを取り戻すのはアルタイア自身でなけりゃならん!>
「砲台長…」
よく見れば砲台には、砲台長一人しか居なかった。ほかの者はすでに■んでいた。砲台長はあの老体で、一人で装填・照準・射撃を行なっていたのである。
<この老いぼれが犠牲になってやる。とっとと行け>
 そう叫ぶと砲台長は再び大砲を撃った。砲台のすぐ前に居たイグアンが、胸に105ミリ弾の零距離射撃を受けて倒れた。
 その時、再びロードゲイルが襲ってきた。
「危ない!」
 ポーが叫んだ。
 空中から急降下し、アーデントのゴトスにスピアを向けるゲイル。
ポーは、とっさに愛機を動かした。ポーのケーニッヒは地面を蹴り跳び上がった。

[1062] ―assault― 独楽犬 - 2005/11/20(日) 14:34 -

as・sault [s()lt]
━━ n. 襲撃,強襲; 突撃; 強姦(ごうかん); 〔法〕暴行,脅迫.
━━ vt. 強襲する,に暴行を加える; 攻める.

帝国はレドラーを迎撃としてのみでは無く爆撃機としても運用していた。爆撃仕様レドラー・スツーカは、急降下爆撃能力に優れており、大小様々な爆弾を搭載できた。
 第27爆撃中隊に所属するヴァン・パトリック・ゲルリッツ少佐は、ロード・オブ・スツーカとも呼ばれるエースパイロットである、
「目標まで12分!」
 闇夜の中、編隊の先頭を飛ぶゲルリッツ。眼下には、進撃する帝国軍装甲師団があった。

 リベル社会主義共和国は、西方大陸・・・いや惑星Ziに存在する唯一に共産主義国家である。その国境線の守備隊には、カノントータスやらゴトスやらゾイドが祖国を守るべく配備されていた。

 ゲルリッツのレドラー・スツーカは、高度1万メートルから急降下し始めた。翼下には大型爆弾が搭載されている。無誘導ではあるが、威力は高い。
「6000…4000…3000…」
高度計の数値がどんどんと下がっていく。次の瞬間、閃光がレドラーを掠った。
 対空砲火。リベル軍の高射砲だ。だが、レドラー達はかまわず降下していった。
「1000…600…今だ!投下!」
 十数機のレドラーが一斉に爆弾を投下した。大型爆弾は無誘導であるにも関わらず、目標に向かって正確に落ちていった。降下したレドラーが機首…頭を上げ、水平飛行に映った。この時、レドラーの飛行高度は地上より30mだった。
 爆弾が命中したカノントータスは吹き飛び、ゴトスは倒れ、歩兵は薙ぎ払われ、地上波まさに地獄絵図であった。

「照準よぉし!撃ち方はじめー!」
 帝国機動陸軍も行動を開始した。先頭を行くのは第一装甲師団。その師団砲兵連隊が最初の攻撃を行なった。連隊隷下には4個の大隊があり、大隊の下にはAZ120mmグライドキャノン(モルガに搭載)4門を持つ射撃中隊2個があるから、連隊全体での火力は32門の野砲となる。それが全門、射撃を開始したのだ。
 装填された榴弾は、その威力を発揮しリベル守備隊陣地を吹き飛ばした。

「くそぉ。もうダメだぁ!」
「撤退!撤退しろ!」
「これ以上はもう持ちこたえられない!」
「母さん〜助けて〜」
 急降下爆撃と長距離砲撃の洗礼を受けたリベル陣地は混乱に包まれていた。泣き叫ぶ者、怒鳴る者、逃げ出す者、なにもできずに呆然としている者、気が狂い笑い出している者。多数のゾイドが破壊され、多くの死傷者が出た。血だらけになっている者あれば、腕や足が引きちぎられている者、火達磨になり転げまわっている者、そしてすでに動かなくなった人間だった物。
「静まれー」
 男の叫びともに、機関銃が唸り、鉛の弾丸が右往左往している兵士達を襲った。
「撤退は許さん。あらゆる手段をつくして国境を守るのだ!」
 政治将校。政権を握る共産党から派遣される人間である。逆らえば本人は処刑され、家族も強制収容所送りだ。まさしく恐怖の象徴だった。
「同志党書記長閣下も諸官らを応援している。祖国防衛の為を諸官らの命をもらうぞ!」
そう言うと、撤退を唱えた将校に拳銃を向けた。
「撤退は党への叛乱とみなす。叛乱者は、粛清あるのみだ!」
 次の瞬間、将校は胸に風穴を開け、その場に倒れていた。
 その時だ。兵士の1人が叫んだ。
「帝国軍だ!」

それより数刻前。深夜の森の中に数十機のゾイドが潜んでいた。
「第1連隊戦闘団。総員前進!」
 第1装甲師団第1装甲連隊を基幹に、歩兵大隊、工兵中隊などを組み合わせて編制された第1連隊戦闘団。ミニ師団とも言える。
 第1装甲師団は隷下の3個装甲連隊で戦闘団を編制し、電撃戦を展開していた。
 戦闘団指揮官で装甲連隊連隊長のウィレム・イェレミース大佐はアイアンコングMk=2に乗り込み、最前線で指揮を執っていた。指揮官が最前線に出るのは、あまり望ましくないことであるが、いまだに地球人到来前の伝統が残る惑星Zi、ことに騎士道精神が今なお生きる帝国では、これが指揮官の当然の姿なのである。
 彼らは山と山の間に広がる森林の中を突き進んでいた。目標はリベル守備隊陣地である。突如、ウィレムの脇の林からセイバータイガーが飛び出してきた。
「師団強行偵察大隊のハイネン少尉であります!」
セイバーのパイロットは通信機越しそう名乗ると、リベル守備隊陣地の詳細な情報を伝えた。ウィレムは、それを聞き終えると決断を下した。好機だ!
「よし。第1大隊、突撃せよ」
 第1大隊は、レッドホーン、モルガ、ブラックライモスなどの重ゾイドで構成される突撃部隊である。彼らの行動は迅速だった。
 大隊のゾイド達は、その進行速度を上げ、最大速力で森林を駆け抜けた。リベル陣地から対ゾイド砲や守備隊ゾイドの火器が放たれるが、あまりにも非力だった。
 第1大隊は、速度を緩めずリベル陣地に突撃した。立ちふさがったゴトスやカノント―タスは文字通り吹き飛ばされた。30m近く飛ばされた機体もあった。
 リベル防衛戦線は崩壊した。

リューナック基地 第24山岳師団 第371歩兵大隊兵舎
 ポーたちと同様、第24山岳師団に所属する371歩兵大隊。大隊は大隊本部中隊と重火器中隊、それにアルファベット中隊とも呼ばれるA〜Eまでの歩兵中隊5個、合計7個中隊で構成される。
 ジェームズ・ウィンターズ大尉は、C中隊の指揮官であり、彼は3個の歩兵小隊と1個の軽迫撃砲小隊を率いる立場にある。
「全員起きろ!」
 大隊長付の曹長とともに兵舎に入った彼の仕事は、大隊の兵士を叩き起こすことであった。1人1人に声をかけ、それでも起きなければ、蹴りをいれて無理やり起こした。
「なんですか大尉!」
第1小隊長のクリフ・ユークリッド少尉は頭を掻きながら起き上がった。
「緊急事態だ。全員、装備を持って広場に集合しろ」
ウィンターズはそう言うと、ユークリッドに小銃を手渡した。
「いいから部下を起こせ」
「了解」
ユークリッドが、最初に起こしたのは、先任曹長のレオン・マルキーニ曹長である。
「曹長、起きろ。集合だってよ」
二段ベッドから出てきたマルキーニはいかにも不満といった感じの表情だ。
「小隊全員を起こせ!」
「了解」
そこは先任曹長。ユークリッドが命令すると、すぐさま軍人の表情を取り戻した。
「トリガー、起きろ。戦争だってよ」
マルキーニは、二段ベッドの自分の上で眠る男に頭を叩いた。
「いた。起こすならもっと優しく起こしてくださいよ。曹長」
小隊の機関銃手である<マシンガン・トリガー>ことアノ・トリガー軍曹は、叩かれた箇所を手で触りながら起き上がった。
 マルキーニは無視して<任務>を続行した。次の目標は小隊の紅一点、アレシア・アントネッリ軍曹だ。彼女は<投擲の魔女>とも呼ばれる手榴弾の使い手であり、爆発物に関する知識は、小隊、いや、大隊で右に出るものはいない。
「起きていたのか?」
彼女はすでに起きていた。
「この隙にヘンなところ触られたくないからね」
そう言って、アレシアはマルキーニに笑顔を見せた。
「そりゃ残念だ。プライス上等兵。起きたか」
小隊の最年少、17歳のジョン・プライス上等兵はすでに準備を整えていた。
「はい」
その声は震えていた。相当緊張しているようだ。


執筆速度が遅くてすみません
一部、設定変更です。ポー准尉たちの所属する部隊が第2特務集団から第24山岳師団に変更となりました。



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