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お誕生日、おめでとうございます。
先生の作品と出会ったのは、もう十年くらい前でした。あるサイトで「Smile!」という本が紹介されているのを見て興味を持ち、読んでみました。それ以来ファンになって、先生の作品を読むようになりました。 特に好きだったのは「そして僕は…」とjinxシリーズです。本屋さんに行く度に、先生の新刊が出るのを楽しみにしていました。 でも、何年か前からぱったりと先生の本が出なくなりました。私は何度も何度も先生の新刊を探しました。でも、いくら探してもないのです。 何度も本屋さんに通っているうちに、嫌な予感がしてきました。「先生は病気だった。もしかしたら…」でも、それを確かめるのが恐くて調べることを避けていました。先生の本は、いつになっても出ません。 最近になってやっとこちらに辿り着くことができました。
先生は、もう3年も前に亡くなられていたんですね。
まさか、そんな前に亡くなっているなんて思わなかったので、ショックで、その日から涙がとまりません。おかしいですね。もう3年も経っているのに、私は「もしかしたら」と思っていた現実を、今になってやっと知ることができたのです。
もう先生の作品は読めませんか? 「jinx」シリーズの克彦と洋司は、あのまま別れたままですか?「続きは必ず描くから」とあとがきに書いてあったので、私はいずれ二人がまたしあわせになってくれると信じて、ずっと待っていました。何も知らずに、3年間ずっとずっと待ち続けていました。譲と雄介の話も、もっと読みたかったです。もう描いてはもらえませんか?答えていただけないことはわかっているのに、そう思わずにいられません。
先生、私は部位は違いますが、先生と同じ病気です。先生の気持ち、今ならわかるのに…。こちらの日記はもう消えてしまっていたのでもう読むことはできませんが、読んだらまた更に泣いてしまうと思うので、今はそれでいいのかなと思います。でも日記が復活したら、いつか必ず読もうと思っています。 私は先生のように強くはないけれど、先生に恥じないように自分なりに病気と闘いながら精一杯生きていきます。つらくなったら、先生の作品を読みます。先生の本が、先生が、きっと励ましてくれるはずだから…。 そしていつか時がきて、先生と同じ世界に行ってお会いできたら、今度こそたくさんたくさん感想を伝えようと思います。克彦と洋司がどうなったのかも聞かせてくださいね。それまでの楽しみにしておきます。
でも、今はまだ涙がとまりません。先生、どうしたら涙をとめることができますか? もう3年も経っているのに、今頃になって自分の気持ちをぶつけることを許してください。このままではけじめがつかなくて、長々と書いてしまいました。先生の誕生日なのに…。
加山 弓先生 素敵な作品の数々を本当にありがとうございました。これからも大切にします。 たくさんのありがとうを先生に。 |