【ああ、ありがたい】 (148) |
- 日時:2015年02月01日 (日) 04時38分
名前:伝統
*メルマガ「人の心に灯をともす(2014年12月31日)」より
(哲人、中村天風師の心に響く言葉より…)
あなた方、なかなかありがたがらないね。 当たりまえだと思っている。
この間、淡路島に行っていた。
朝、宿の女中が、
「まァ、もったいない、先生。お客さまがそんな、お床(とこ)なんかたたんで」
「冗談こけ。ゆうべ一晩、ゆっくり休ませてくれたこの布団に、 お礼を言っているところだ」
気が変になったと思っている。
私が布団をたたんで、ありがとうございましたと言うものだからね。
宿賃出したからには、この布団敷いたりたたんだりするのは 当たりまえだけれども、私のように長い間、軍事探偵をしていて、 森の中や林の中をもって、何も掛けずに、何も敷かずに寝ていた経験を もっている人間から見るってぇと、現在の生活は、ほんとうにありがたいですよ。
それをあなた方は、ありがいとは思わないんだから。
金やって使っている人間がするのは当たりまえだ。 礼を言うどころか、働き方が悪ければ、すぐ叱りつける。
まぁ、とにかくも、もう少し、気持ちの中をおおらかなものにしなさい。
明けても、暮れても、ありがたい、嬉しい、でもって送れるはずだけれども、 あなた方の煩悶(はんもん)は、たいてい、自分が望むものが得られないときに 起こってくるんだ。
自分の欲望がみたされないときに、必ず煩悶が起こる。
何事に対しても、現在感謝。 ああ、ありがたい。 何に対しても現在感謝。
それより事態が悪くなっても、喧嘩にならないじゃないか。
病になっても、ああ、ありがとうござんす。
病になってもありがたいというのはおかしいじゃないか?
だって、死んじまわなかったんだろ。 それで済んでいると思ったら、感謝したらいい。
そいう気持ちを持っていると、どんなことがあっても、 憂(う)いとか辛いとかいうことがなくなるんだ。
朝からしょっちゅうニコニコ、何事に対してもニコニコ。
<『ほんとうの心の力』PHP>
・・・
この冬の寒空に、住む家や、着る服や、寝る布団がなかったら、 どんなにか辛(つら)くて寒いことか。
だから、家や、洋服や、布団に感謝。
勤める会社がなかったら… 通勤や通学の車やバスや電車がなかったら… お金や食べ物や飲み物がなかったら…
それから、友達や家族、そして自分を支えてくれる人たちがいなかったら…
身のまわりにあるありとあらゆるもの、そしてご縁のある人たちに感謝をする。 お世話になりました、と。
こんにち只今(ただいま)、日本に生まれたことに感謝し、 すべてのご縁ある物や人に、「ああ、ありがたい」と心の中でつぶやきたい。
<感謝合掌 平成27年2月1日 頓首再拝>
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