楽観歓喜 (446) |
- 日時:2015年02月24日 (火) 18時09分
名前:夕刻版
【うれしい、たのしいを見つける】
*メルマガ「人の心に灯をともす(2015年02月24日)」より
(中村天風師の心に響く言葉より…)
古い日本の歌に、「おもしろき事もなき世を、おもしろく住みなすものは心なりける」 というのがあります。
さらに西洋の哲学者オリヴァ・インデス・ホルムスの言葉に、
「およそ楽観歓喜の観念は、神が人間の生命をより新しく甦(よみがえ)らせるために 与えた霊液(れいえき)とも言うべきもの。
これに反して憂愁(ゆうしゅう)、煩悶(はんもん)、恐怖、憤怒(ふんど)、悲観、 苦労というような消極的観念こそは、命を腐らす毒錆(どくさび)のようなものである」
というのがあります。
つらつらとこの歌とこの言葉を照らし合わせるとき、 そこに相通ずる人生哲学と人生科学とを発見するのであります。
わかりやすく言えば、たのしい、おもしろい、嬉しい、という思いが心の中に生じた時ほど、 朗(ほが)らかな生きがいを人生に感じられる、ということなんです。
そして、それがどんなに健康にも運命にも、 はかりしれない大きな効果を与えるかわからない、ということに思いいたるとき、 よりいっそうの貴い価値を感じるのです。
どんな名医や名薬といえども、たのしい、おもしろい、嬉しい、 というものにまさる効果は絶対にないんです。
これ、私は私の長年の経験で断言いたします。
わかりやすく言うとね、朝おきた。
頭が痛い。
普段なら「やれ薬だ、医者だ」、なんて騒いでるのに、そこへ好きな人がひょっこり来た。 そうすると頭が痛いのもなにもかも忘れて、そりゃもう夢中になって べらべらおしゃべりしたり、抱きついたり…。(笑)
嬉しくて楽しいもんだから、頭が痛いのすっかり忘れて治っちゃってますよ、その間。
これ、どんな名医や名薬にもまねできない芸当です。
これ観念の作用です。
あなた方が、「ああ、たのしい」「ああ、嬉しい」って思ってると、 もう、イキイキと生き甲斐のある人生に生きていられるんですよ。
病なんかも忘れて。
逆に「ああ、いやだな」「ああ、つまんないな」なんて思って生きてると、 熱はでるは頭は痛くなるわ、もうだんぜん、生き甲斐のない人生になってしまうんです。
もうおわりでしょう。
人生は心であり、観念であります。 これこそが、あなた方の人生を極楽にもし、また地獄にもすることができうる、 唯一のものなんです。
いいですか、よくお考えください。
「極楽だ、地獄だ」と感じているのは、あなた方の心でしょう。
あなた方の心が地獄だと感じれば地獄になってしまうんですよ、あなた方の人生が。 ですから何かがあれば、「ああ、たのしいな」「ああ、うれしいなあ」って 思うようにすればいいんですよ。
<『君に成功を贈る』日本経営合理化協会出版局>
・・・
毎日、そんなに面白いことや楽しいことなどそうそうあるものではない、という人は多い。
しかし、「面白いことなどめったにない、つまらないことの方が多い」と言うなら、 その通りになっていく。
なぜなら、心はその言葉に従がって、つまらないことを探すようになるからだ。
同様に、今より若い頃や学生の頃の方が断然楽しかった、 できれば昔に戻りたい、という人がいる。
今が一番楽しいと思えない人は、 日ごろ、楽しいことや面白いことを見つける習慣のなかった人だ。
どんな逆境の中でも、それを楽しんだり、面白がったりできる人はいる。
「極楽だ、地獄だ」と感じるのは自分の心。
どんなときも、「うれしい」「たのしい」「おもしろい」を見つけられる人でありたい。
・・・
幕末の歌人「橘曙覧」の歌集に、「独楽吟」があります。
橘曙覧(たちばなのあけみ)は江戸時代後期の国学者であり愛国者である歌人で、 正岡子規が激賞し知られるようになったのですが その後、忘れられている中、クリントン大統領のエピソードでまた知られるようになりました。
1994年、今上天皇がアメリカを訪れたとき、 時のクリントン大統領は歓迎の挨拶の中で独楽吟の中の一首を紹介したそうです。
そのときの歌とは、
「たのしみは 朝おきいでて 昨日まで 無かりし花の 咲ける見る時」
さらに続けて、大統領はこう締めくくりました。
「この歌は100年以上も前に詠まれたものでありますが、 その伝えることは時代を超えたものであります。
一日一日新たな人ともに確実に新しい花が咲き、ものごとが進歩し、 日米両国民の間の友好をはぐくむものです。(中略) 合衆国にお迎えできて誠に光栄です。ありがとうございました。」
この歌の英訳は
It is a pleasure When, rising in the morning I go outside and Find that a flower has bloomed That was no there yesterday
(「楽しみは -橘曙覧・独楽吟の世界-」新井満、講談社 2008年より)
このスレッドでは、以降は「橘曙覧」の歌集「独楽吟」を中心に、 「楽観歓喜」に関する話題を集めてまいります。
<感謝合掌 平成27年2月24日 頓首再拝>
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