『冬の春』(ふゆのはる) (245) |
- 日時:2015年02月09日 (月) 04時32分
名前:伝統
*メルマガ「夢の言の葉」(2015年2月9日(月))---旧暦12月21日---)より
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☆旧暦ではまだ十二月ですが、立春を過ぎました。
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『冬の春』(ふゆのはる)
☆-------年内立春(旧暦で、新年を 迎えないうちに、立春になること)------- ~ 年のうちに 春は来にけり 一(ひと)とせを 去年(こぞ)とやいはむ 今年とやいはむ ~ (在原元方『古今和歌集』)
『古今和歌集』の巻頭を飾るこの歌は、 「年内立春(ねんないりっしゅん)」を詠んだものです。 元日が来ないうちに、立春がきてしまった。 これから年末までを、去年といおうか、今年といおうか……。 旧暦では、新月から新月の間に、二十四節気の「雨水」が くる月が、正月(1月)となります。 ですから、立春は、元日より前にきたり、後にきたりするわけです。 元日より先にくる立春を、「年内立春」といいます。 旧暦では、1月から春。 ところが、まだ1月になっていないうちにくる立春は、『冬の春』というわけです。 「年内立春」は、それほど珍しいことではなく、だいたい2年に一度の割合でやってきます。 ですが、古くは、正月がきて、春になるという順序が、 あるべき姿だと考えられていたそうです。 戸惑っているような歌になっているのは、そのためなのですね。 和歌では、「年内立春」は、春の歌として詠まれてきました。 ところが、俳句では、冬の季語になっています。 現在では、必ず、元日の後に、立春がくるわけですが……。 厳しい寒さと相まって、『冬の春』という言葉がぴったりです。 <感謝合掌 平成27年2月9日 頓首再拝>
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