[99] 96.「アングリマーラ経の不思議」②(お釈迦様も冗談を言われるのか?) |
- 信天翁 - 2023年03月25日 (土) 19時10分
アングリマーラがお釈迦様の弟子になった後で、ある村に托鉢に出かけた時に、ひどく難産で苦しんでいる女性を見かけました。
アングリマーラは何とかしてあげたいと思っても分からないので、帰ってからお釈迦様に相談したところ、次のように言われました。
「私は、この世に生を受けて以来、故意に生き物の命を奪った方がない。この真実によって、あなたに安らぎがあらん事を、胎児に安らぎがあらん事を」
アングリマーラは、沢山人を殺していますから、そのような嘘はつけません、と言いました。
すると、お釈迦様は、「私は、聖なる道に志して生まれ変わって以来、故意に生物を殺した事がない、この真実によって、・・・」と言いなさい、と言われ、アングリマーラがそのようにしたところ、この女性に安らぎがおとづれ安産したと伝えられています。
この話で不思議なのは、アングリマーラが殺人鬼として多くの人を殺している事はお釈迦様は分かっているのに、何故、「生まれてこの方、故意に生物の命を取った事がない」などと言いなさいと言われたのかと言うことです。
まさか、お釈迦様が、冗談でそのような事を言われる訳がないので、推測すれば次の理由かも知れません。
1.アングリマーラの心の底にある本当の意識は、神の意識であり、人を殺した事は無い、と言う事を言われたのかも知れません。
2.或いは、アングリマーラの反省が進んで、過去の悪行を全て光の記憶に変えている事を、お釈迦が、見られたのかも知れません。
何れにせよ、よく分かりません。
ただ、アングリマーラが女性の所に行って、オシャが言われた言葉を伝えたところ、すぐに安らぎがおとづれたというのは、今から思えば、お釈迦様が、遠隔で、心の力によってそのようにされたのだと思います。
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