[98] 95.「アングリマーラ経」の不思議①「お釈迦様も心の力を使う事が出来た) |
- 信天翁 - 2023年03月21日 (火) 13時30分
原始仏典に「アングリマーラ経」という感動的な物語があります。
「アングリマーラ」というのは、「指の首飾り」という意味で、殺した人の指を切って紐で繋いで首飾りにしていたため、そのように呼ばれていたそうです。
ある日、お釈迦様が、村人が止めるのも聞かれず、アングリマーラのいる方に行かれました。
アングリマーラは、早速、殺そうと思って、後を追いかけました。
でも、アングリマーラが全力で追いかけているのに、ゆっくりた歩いているお釈迦様に、どうしても追いつく事が出来ませんでした。
仏典には、「精神力の不思議な現象を現出して」と書かれています。
お釈迦様は、イエス様のように、華々しい奇跡は起こされていませんが、心の奥底にある精神の力を自由にお使いになられた事が分かります。
昔、読んだ時は、意味が分かりませんでしたが、今は分かります。
アングリマーラは、自分が一生懸命走っているのに、ゆっくり歩いているお釈迦に追いつけない事が不思議で、「沙門よ、止まれ」と言いました。
お釈迦様は、「私は止まっている。あなたこそ止まりなさい。」と言われました。
アングリマーラは、「これは、一体どういう事か?」と疑問を持って聞きました。
お釈迦様は、「私は、いかなる時も、一切の生物に対して害心を捨てて止まっている。しかるに、あなたは、その心を制することが出来ない。それゆえ、私は止まっており、あなたは止まっていない。」
アングリマーラは、この言葉に心を打たれ、「この沙門こそが、長く求めていた大仙人であるとおむって、一切の武器を捨て、膝まつきました。
「比丘よ、きたれ」
この言葉によって、アングリマーラは、お釈迦様の弟子になりました。
この話の内の、不思議な精神力の箇所が、今は良く分かります。
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