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短編リレー

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[286] 学園事件(ウピエル&ストゥリ&リタルード)−7(2) 消失と閉塞と黄金の女王
夏琉 - 2004年12月16日 (木) 09時53分

「ふぅん」

 だんだんと何回か足を踏み鳴らし、それでも何事も無いことを確認してリタルードは呟いた。

 青い髪の少女が踏み抜いたはずの廊下にあった穴がなくなっていたのだ。それどころか腐っていた形跡すらなく、階を間違えたのかと思い移動しようと思ったら、なんと階段があった場所はただ木製の壁があるのみとなっていた。

 あれからすぐ、リタルードはあの金髪の少女を見失った。
 足の速さについていけなかったわけでも、目の前で消失されたのでもない。少女が屋上に続く階段を下りてすぐにげこんだのが----女子トイレだったのだ。

 この旧校舎は下水道すら断たれて久しく、トイレの入り口で一瞬ためらってしまった自分を本当に愚かしく思うのだが、心を決めて突入したときにはすでに彼女の姿はどこにもなかったのだ(掃除用具入れまで確認したのだから間違いない)。

 見失ったといっても、物理的法則に適わないやり方で消えられたのに変わりは無いのだから、女子トイレに躊躇い無く入ることができていたとしても結果は同じだったのかもしれない。だが、それでも自分の行動に自分で腹が立つ。

 行き場を無くしてある程度現状を確認してみたところ、各教室の扉は問題なく開くが、窓は廊下側階段側ともに開かない。試しに椅子を叩きつけてみたが傷一つつかない。その上、あったはずの床の破損までなくなっている。

 そしてもうひとつの相違点。

 リタルードは床から視線を上げて、窓のほうに目を向ける。その切り取られた視界は運動場に面していて、普段は体育の授業や課外活動に勤しむ学生の姿が見えるだけだ。だが。
 
 黄金の、と形容するのに一部の違和も無いほど完璧な様子の、窓の外の存在。風が吹いているのか、特徴的な扇型の葉をたえずわずかにゆらしている。距離的にさほど近いわけではないのに、窓を開けて手を伸ばすことができたら、指先くらいその葉の表面を感じることができるのではないかと思わせるのは、その存在感の絶対さ故だ。

 すくなくとも数刻前までは、この窓からそんなものがみえることはなく、下の地面に切り株がひとつあるだけだったとリタルードは記憶している。十年ほどまえに雷が落ちてそれがきっかけで切り倒されてしまったのだと、去年の秋ウピエルが言っていた(それにしても彼は一体何年前からこの学校にいるのだろう)。

 時代も季節も無視して、突然それは出現したということだ。樹の向こうに、運動着姿の生徒達が見えるのがかえって不自然だ。それはまだある程度現実世界と繋がっているということか、それとも外の風景すべてがこの樹の存在したころのものなのか。

「雌株…だよね、やっぱ」

 犯人は大体見当がついたが、ゲームの目的とルールがさっぱりわからない。それとも単にリタルードを閉じ込めたかっただけなのか。主賓はあの二人のどちらかで、自分はただ隔離されたということだって考えられる。

 何にせよ、設定された情況の中でただ指をくわえて待っているというのは全くリタルードの趣味ではない。

 とりあえず片っ端から教室を調べてみることにきめて、リタルードは今一度窓の外をにらみつけると足早にその場を立ち去った。

[287]
夏琉 - 2004年12月16日 (木) 09時56分

やべぇ、きえこどのほう書きかけの下書きどっかやった!
無くなったのは書き直せばいいんだけど、誰かに見られたらどうしよう…寮なのに。やばい、やばすぎる。

空間内の設定がそっちと違うのはわざとです。まるっきり同じでも仕方ないと思ったんで。でもシンクロさせてくれてもOKです。あと、「犯人に見当がついた」とか言ってるのはこっちの勝手な話なんで別に肩透かしくらわせてくれてもいいです。

では次よろしくですー。



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