| [183] No.029 「例え話」+(「金貨」+「ナイフ」) |
- 匿名 - 2004年02月28日 (土) 08時16分
例えばさぁ、あ、例えばの話だよ?
(ドワーフにしては)毛深くなくて、トリートメントの効いたサラサラの長髪、お髭をミツアミにして、リボンでくくっているオシャレさんの子がいたとするだろ? その子は(ドワーフにしては)ちょっと臆病で、コボルドは7匹しか倒せないんだ。……でもそんなところがカワイイよな。 もちろん気立ても良くて働き者だから、ご近所の奥さんはみんな「ウチの嫁に来てくれたら」なんてぼやいていたりするんだ。
え?だから例えばの話だって。まだ続きがあるんだから聞いてくれよ。
彼女が旅に出たら、やっぱり恋くらいしちゃうよな? 初めての外の世界だモンな。きっといろんなモノが新鮮に見えて、彫金師のオレみたいな奴にもチャンスあるよな?
へへっ小突くなよ。そうさ、キャサリンのことなんだ。 なぁ、オレにもチャンスあるかなぁ。オレ、あの子が街に来てから仕事も手に着かないんだ。参っちゃうよ。 旅の資金が切れたからって、宿屋の食堂でバイトしてるじゃないか。 あんなにカワイかったら貢ぐ奴だっていくらでもいそうなのに、全く受け取らないらしいぜ? そんなところもイイんだよなぁ。ウットリするよ。
え?貢いでるのはオレじゃないかって? バカ言え!オレにそんな蓄えがあるワケないだろ? 仕事も手に着かないってのに。
ふむ。それは確かにそうだな。 男の仕事は魅力って部分、あるかもしれないな。 キャサリンに捧げるって考えたら、なんだか創作意欲が湧いてきたよ。
ああそうさ、彼女を魅力を金貨に閉じこめるんだ。 でも、それだけじゃ他の奴らと同じだろ? オレはオレの得意な分野で勝負しなきゃな。
へへっ、花の透かし彫りをあしらったナイフを贈るんだ。お守りって言ったら突き返すコトはないだろう? あの子はきっとこんな小さな街で終わる子じゃないんだ。 きっともっと旅をして、もっといろんな男どもに惚れられるのさ。 その時、側にオレの作ったナイフがあったらステキだろ?
聞いてくれてありがとな、ユージーン。 君がキャサリンを追って旅をしてきたって噂、聞いたときには殴ってやりたかったけど、オマエってやっぱりイイ奴だよ。 オレにはオマエみたいに歌なんか洒落たモノは贈れないからさ、せいぜい頑張って世界一のナイフを仕上げてみせるさ!
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例えば。 ドラゴンスレイヤにも負けないと評判の「花乙女のナイフ」は、こうやって生まれたのかもしれない。

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