| [14] 現代版 犬夜叉ー桔梗 『高校生活』 |
- しっぽ - 2004年05月01日 (土) 22時37分
この小説は、現代版犬夜叉ー桔梗です。桔梗は風林館高校の3年生で、女子弓道部の主将。一方犬夜叉は、今春入学の一年生です。
勉学、運動部とも結構レベルの高い高校であり、犬夜叉の学力では普通ならまるっきりレベル外の高校であったが、犬夜叉の類い稀な運動能力が認められて、陸上部の特待生として迎えられていた。
当然、犬夜叉は授業に全く付いて行けずに、よく屋上で授業をさぼって居た。また、桔梗は学業優秀で、生徒会長も勤めて居た。今日も、桔梗は生徒会の風紀委員の活動の一環として、校内を見回って歩いて居た。
犬夜叉『ったくよ・・・・授業何て退屈で受けてらんねぇぜ!』
桔梗 『おや?屋上から風が吹き込むな・・・ドアでも開いて居るのか・・・』(桔梗は屋上に向かう)
犬夜叉『口が寂しいな・・・・(シュボ!)』(犬夜叉は授業に付いて行けず、クラスで孤立しているイライラの為か、入学後にタバコを覚えてしまった)
桔梗 『やはりドアが開いていたか・・・・ん?誰か居るのか?』
犬夜叉『や、やべぇ!誰か来たぜ・・・・(慌ててコンクリートでタバコを消す)』
桔梗 『授業中だぞ!ここで何をしておる!』
犬夜叉『な、何でぇ!先公じゃねぇのか!脅かすんじゃねぇ』
桔梗 『お前、タバコなど吸って!』
犬夜叉『てめぇには関係ねぇだろ!?』
桔梗 『お前は、生徒会長の顔も知らんのか・・・・風紀委員でもあるのだぞ!犬夜叉よ』
犬夜叉『な!?何で俺の名前知ってるんだ?』
桔梗 『ふ・・・・お前が毎日陸上の練習して居る横の弓道場で、毎日見ておるからな。お前陸上の中学記録出して、特待生で来たそうでは無いか』
犬夜叉『そうか。と言うことは、お前桔梗さんか?袴着てりゃすぐわかったんだがよ』
桔梗 『名前も知っておったのか』
犬夜叉『ああ・・・・生徒会長で、主将のおっかない女って有名だからよ^^』
桔梗 『な!おっかないだと!? ふ・・・当たって居なくも無いがな』
犬夜叉『で、どうするんでぇ・・・・やっぱ先公にチクるのか?まあ、別に停学、退学でも良いけどよ!』
桔梗 『その様な事はせぬ。過ちを正すのも風紀委員の役目だからな』
犬夜叉『見逃してくれるのか?』
桔梗 『もう吸わぬと約束するのならばな。お前も知っおろう。我が校は、甲子園も毎年目指しておる。たった1本のタバコでも、高野連から騒がれて出場停止にも成り兼ねないのだぞ!』
犬夜叉『ああ・・・・そうだったな・・・・』
桔梗 『それに、陸上選手にとって、肺は命であろう。タバコなど吸うと、記録にも影響が出るぞ』
犬夜叉『そうだな・・・・もう吸わないぜ!』
桔梗 『わかってくれたか。タバコは私が預かり、処分しよう』
犬夜叉『ああ・・・・』(犬夜叉は桔梗にタバコを渡す)
桔梗 『所で、授業に付いて行けないか?』
犬夜叉『ああ・・・・全くチンプンカンプンだぜ・・・』
桔梗 『ならば、放課後、私が補習してやろう。練習終わる時間は同じ頃だからな』
犬夜叉『そんな事してくれなくってもよ・・・・』
桔梗 『実は、私は犬夜叉・・・・お前に興味があってな・・・・////』
犬夜叉『んだと?』
桔梗 『入学前から噂になって居たのだ。中学記録ホルダーのスプリンターが来るとな。インターハイ(※)で、どの様な記録出すかとな。それに・・・・』(※インターハイ=全国高等学校総合体育大会の事。高校総体)
犬夜叉『それに?』
桔梗 『フィールドを伸び伸び走る犬夜叉の姿に、憧れて居た//// だから、勉学もこなし、高校生活を楽しんでもらいたいのだ』
犬夜叉『そうかよ・・・・わかったぜ』
桔梗 『では、今日の夕刻から早速・・・・犬夜叉の部屋でも良いか?』
犬夜叉『良いけどよ・・・・汚い部屋だぜ?』
桔梗 『構わぬ』
こうして、桔梗と犬夜叉は、二人三脚で勉強を始める。若い二人が同じ部屋に居れば恋に落ちて行くのも、当然の成り行きである。
桔梗 『犬夜叉・・・今度のインターハイでは、一緒に優勝しような』
犬夜叉『ああ・・・・確か、日程は一日ずれてたな。俺、桔梗の応援行くぜ!』
桔梗 『そうか。待っておるぞ。私も行っても良いか?』
犬夜叉『ああ!もちろんでぇ!』
こうして、まず先に犬夜叉の陸上の試合当日を迎える。種目は100メートル走。
50メートル過ぎまで横一線の展開。桔梗がその地点で犬夜叉にエールを送る。
桔梗 『犬夜叉!お前の力、見せてくれ!』
犬夜叉『桔梗!』(犬夜叉は渾身のスパートを掛ける)
結果は・・・・・
会場 『わ〜わ〜!!』
高校記録で、犬夜叉の優勝。桔梗はゴール地点に移動して、犬夜叉に手を振る。犬夜叉も応える。
桔梗 『やったな!犬夜叉』
犬夜叉『ああ!お前の声が、俺に力をくれたんでぇ!』
喜びに浸る二人。しかし、桔梗はいつまでも浮かれては居られない。明日は桔梗にとって高校生活最後のインターハイである。さっそく学校に戻り練習に打ち込む桔梗。
そして、翌日の桔梗の試合当時。桔梗は順調に勝ち上がり、決勝戦を迎える。決勝戦は10本の矢の合計点で競われる。1本10点満点、最高100点満点である。
9本目までの合計点は、桔梗82点、対戦相手81点。全くの互角であった。そして相手の最後の1本は、10点満点で合計91点。これで桔梗が単独優勝するには10点満点を出すしかなくなった。
犬夜叉『(桔梗・・・・)』
犬夜叉は、桔梗を見つめて心でエールを送る。大声を出しては、桔梗の集中を崩すと思ったからである。
桔梗 『(犬夜叉・・・・)』(桔梗は、犬夜叉の想いを十分理解していた。そして的を見据え、高校生活最後の矢を引く)
静まり返る場内。
桔梗 『(きりきりきり・・・・バシュッ! ズバン!)』
結果は・・・・・
10点満点!見事な逆転優勝であった。
表彰式が終わり、会場を出る桔梗に、犬夜叉が掛け寄る。
犬夜叉『良かったな!さすがだぜ!』
桔梗 『ありがとう。犬夜叉の応援のお陰だ』
犬夜叉『け!^^』
桔梗 『ふ!^^』
犬夜叉『そうだ、桔梗が優勝したら、渡そうと思ってたのがあるんだ・・・・』
桔梗 『ほう。何だ?』
犬夜叉『め、目閉じてくれ・・・』
桔梗 『瞳をか・・・ああ・・・(_ _)』
犬夜叉『ん!ん!・・・・・』(犬夜叉は桔梗にキスをする)
桔梗 『な!?////ん!んん・・・・!』
長いキスが終わり、ようやく口を離す二人。
桔梗 『いきなり、何をするか!////渡したい物があったのであろう?』
犬夜叉『ああ・・・・お前の首に掛けた・・・・』
桔梗 『何?こ、これはネックレス・・・綺麗だな。この様な物を、私がもらって良いのか?』
犬夜叉『ああ。安物だけどな・・・・受け取ってくれ!』
桔梗 『犬夜叉・・・・・』
犬夜叉『桔梗・・・・・・』
二人は、互いの手を取り合い、硬く握って歩み出す。
まだ高校生の二人である。結婚などは考えて居ないかも知れない。しかし、夕日が二人の将来を明るく照らすかのように、優しく光輝いていた。
(完)

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