「成長期遅っっ」
「開口一番がそれかよっっ」
立松よりも少し目線が高くなっていた事に、自分でも気付かなかった見下ろす、なんて程差があるわけじゃないけど視線を合わせて
「お前は成長のろいんじゃないのか?」
高校時代と、全く変わっていないように見える外見に
そう言いながら、久しぶりの立松を見ると
「ジロジロ見るんじゃありませんっ」
怒られたけど、そう言う立松も俺の事をジロジロと見ているくせに
「久しぶり」
「うん、久々だねぃ」
「元気だったか?」
「元気も元気、進藤ちゃんは?」
「まぁ、元気かな」
「なぁにぃ?しけたツラしちゃって」
「いや、変わってないなぁって」
「ん?俺が?」
「そう」
「そんなにすぐには大きくなりませーーん、って」
「じゃあさ」
「うん?どしたの、進藤ちゃん」
その、呼び方も全く変わっていない立松に
「気持ちは変わった?」
「…………」
「俺は、変わってないけど」
驚いた顔
大きく見開かれた目から、涙がこぼれて
自分が泣いているということに驚きながら、それを拭う立松の動きを止めて顔を覗き込む
「まだ、好きなんだけど」
「……っ」
「だから」
「…進藤ちゃんの……馬鹿」
「うん」
「無かった事にしてくれて…良かったのに」
「うん」
「だけど、好きだからさ」
「……俺も」
「進藤ちゃんが、好きだよ」
ようやく、言えた
そう言う立松を、
腕を伸ばして捕まえた
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ミニアンケート110票記念。手紙を発見してから、少し後の設定で…。すぐでもいいのですが、なんとなく。