腐るほど用意された花火を
3Cの連中でやって
いつの間にか、秀雄や元哉も加わってたんだけど
すんげぇ楽しい時間も
やっぱ花火の数が減ってくると、寂しい気持ちになってくる
なんでかな…
昔から、花火ってそーなんだよな
だからこそ
花火の数が減ってきたら、俺は皆の前から姿を消した
後かたづけしたくねぇってのもあったけど?
最後の一本に火が点くのを見たくなかったんだ
「哲希」
それなのに
なんで追いかけてきてくれんの?かっちゃん
結局花火は全員参加
静まった下宿先で
かっちゃんが持ってきた線香花火
俺等、二人だけでさ
するもんじゃないっしょ?
ガラじゃないって、かっちゃん
二本だけの線香花火
「これをやらないと終われないだろ?花火は」
「終わりたくなかったから逃げてきたのに」
言うと、少し驚いた顔
ガラじゃないのは、俺っちの方かな
ポトリと
落ちた線香花火
これが見たくなかったのに
そう、思ってたら
珍しく、かっちゃんからのキス
「泣くな…」
抱き寄せられて
泣くな、なんて言われても
俺、泣いてねぇもん
花火が見たくないから泣いたなんて
思わないでいいから
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ミニアンケート奥哲40票記念。なんとなく、哲希は楽しいこと好きだけど、遊びが終わる瞬間を嫌いそうだなぁって。