パシャ…

シャッターを押す音なんて、今までは意識してなかったのに
そいつに撮られるようになってから…それが変わった

「千葉？」

いるのか？
周り見渡しても、カメラ撮ってるような奴はいなくて
どこで撮ってんだよ…近くから音したと思ったのによ
ぉ

パシャ…

ほら、また
音だけすんのに姿見えねぇって気になるじゃん…

「千葉？」

…じゃ、なかったらどうするんだ。というツッコミは無視な
あいつだと思うんだよなぁ…テニスコートで写真撮るような奴って

「ちーばー」

いんだろ？音聞こえるような距離だぞ
コートの外だろうな…って、こうやって出てきてやったのに
なんでいねぇんだよ
っていうか…放課後（と、いうよりも夜）のコートにカメラの音って…ホラーじゃん
今俺一人だけなのにさ

パシャ…

「おい、千葉っ。いんだろ？」

あ、声が大きくなっちまった
べ、別に…怖いってわけじゃないからな

パシャ…

「千葉っ。からかってんのかよ！？」

パシャ…

くっそ…返事ぐらいしろよな

パシャ…

「ち…」
「…勇」
「…ば…」

ドサリ、と

何かが落ちてきた
俺の上に

「！！！！！！！！！！」
「あぁ、落ち着いてよ…尾崎。俺だって、俺」

叫びだしそうになった俺の口を大きな手が覆ってて
俺はもぉ怖さでパニックになりそぉなんだけど

「尾崎、尾崎…ってば、聞こえてるのか？」

見上げたら千葉の顔があって
それに安心して
思わず抱きついてしまった
肩に顔埋めるようにして
千葉のコートに涙なんて全部吸わせてやる…

「なんだ…泣いてるのか？」
「うっせぇ…」

誰もいないコートに音が聞こえて
突然上から人が降ってくりゃ
誰だって怖いだろうがっっ

「どこにいたんだよ…」
「あそこ」

指さされたのは木の上
こいつ…じゃあ、俺が名前呼んでるのずっと知ってたんじゃん
しかも人の上に落ちてきやがって…

「怖がって俺の名前呼ぶ尾崎は可愛かったよ」
「うっせぇっ、離れろっ」
「しがみついてきたのは尾崎なのに…」

くっそぉ…
今日は完全俺の方が不利じゃねぇか…
だけどなぁ

お前、俺の事下の名前で呼んだだろ

俺が気付いてねぇと思ってんだろうけどな
耳はいいんだよ…俺はっ
この事忘れねぇからな…
復讐、待ってろよっ


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TOPに置いたミニアンケートで…たった一日でこのカプがダントツ一位で10票以上入っていたので…嬉しくて書いてしまいました。ありがとうございますっっっっ（管理人は単純な奴です）