空軍受け付け
感想、意見、雑談。 もちろん空軍参加も受けつけてます(笑)
基地に帰還する?
「例えばさ」ぽつり、ぽつりと声が続いた。その声の主はにんじんのクッションを抱えて床に寝転んでいる。俺自身もクッションに頭を乗せて仰向けに転がった。「これから先、ずーっとずっと時は進んで行くじゃない?」「うん、どうした?」「それで、10年とか20年とか経つじゃん」通り過ぎた思い出が蘇った。きっと隊長がそう感じてるからだろうな。「今という時間はどこまで残るんだろうね?」「今は今としてずっと残るだろ?」至極当然の事を疑問に思うものだと思う。記憶は永遠、価値は変わらず、色褪せるものではないはず。「それはロウだからさ。人間の記憶は意外と脆いものよ?」くすくすと笑って羨ましいなぁと呟いている。「10年後も同じでいられるか?って聞かれると、でもそれはまず無理でしょ〜?」遠くない、それでも決して近いわけでもない未来の話。俺にはいまいち実感が湧いてこない。だって俺はこの時しかまだ生きていない。何ていうか、不思議な感じだ。「隊長も未来を不安に思う事があるっすね」「ロウだって不安じゃないと言えばそれは嘘だろ?」笑って隊長は言ってくれる。「そんなもんですか?」「そんなもんですよ」こうしている間にも時は静かに通り過ぎていく。一分一秒愛おしく感じる暇さえ作らずに。でも時の流れだけは常に変わる事がない。「これこそまさに日常だね。こうやって時が流れているからこそ非日常が日常へと変わっていくんだ」「何言ってんだか全然わかりませんよ」「お前は本当バカだな〜」物凄く失礼な事を言って隊長は笑ってくる。「隊長の言葉がおかしいんだ。普通通じないよ」「そうそう、その通りだよ。ロウ」そう言うと隊長は手を伸ばして俺の頭を撫でてきた。よくわからないけど悪い気はしない。「私にはわかっても君にはわからない、自己満足の言葉さ」そういうものなのかなぁ?「さて」一言、口を開いて隊長は立ち上がった。「ロウ、行こっか?」笑顔と共に隊長は手を伸ばしてくる。差し出された手を何の躊躇いもなく掴み取った。
ロウはかわいいなぁ〜と、思った(^^)
じゃあきっとそういう子なんだよ