プロレタリアを探して、混沌の道へ?
先日の書き込みで、 シュタインが1842年にプロレタリアートに注目し、この階層を社会運動上の重要な要素と見なした点は、その後のマルクスの思想形成にとっても大きなことであったと見なされていることを紹介した。 この邦訳本の解説では、さらに「シュタインに先んじてプロレタリアートに注目したドイツ人に、 カール・バートラム・システューフェと、フランツ・フォン・バーダーがいる」との記載があったが、前者は不明、後者のバーダーは、1765年3月生まれ、ドイツの哲学者,神学者。1841年没としか分からない。
ここで次に「階級独裁」論の初出を辿ろうと、バブーフ、ロベスピエールらを探し始めたところ、「ブランキ 革命論集」(1968年刊現代思潮社)に出会ってしまった、 ブランキは1832年1月、「15人裁判−市民ブランキの陳述」で「陪審員諸君 私が告発されたのは、私と同様プロレタリアであるフランス3千万の人々に、生きる権利がある、と語ったためである。」と語りはじめた証言録がある。この文書では「これは富める者と貧しき者との戦争だ」「特権者…わずか10万のブルジョア」云々と、共産党宣言が出た16年前に、初期の構図がすでに自覚的に展開されていた。ブランキは、まだ26歳の時の論述である。 シュタインは、少なくともプロレタリア論の初出ではなかった。
さてこれからも何が出てくるのか…。
[416] 2018年10月20日 (土) 15時32分
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