| [282] 俺たちパワフルナイン!番外編 3回戦の戦い |
- フォード - 2007年04月09日 (月) 19時30分
柳原「さぁーてと、まあ相手が相手だし、楽に勝っちまおーかね」
上原「まあバス停前じゃあねぇ・・・、何でここまで残ってるんだか・・・」
森「油断は禁物よ、何せここまで二桁で2回戦までを快勝しているんだから」
柳原「そっすね、気を引き締めないと」
上原「さあ、いくぞ!」
VSバス停前高校
ー地方球場ー
よろしくお願いしまーす!
上原「柳原!しっかりやれよ!」
柳原「おう!」
・・・しかし、この戦いは簡単に終わるものではなかった
カキーン!
柳原「なっ・・・」
???「おっしゃあーっ!」
上原「・・・2ランか」
森「・・・」
柳原「あのコースから強引に持っていきやがった・・・バカな・・・」
秋田「(こいつ・・・強い!)」
6回を終わった時点で4−1、バス停前に苦戦
ベンチ
上原「バス停前のキャプテン、石田隆太・・・か、そしてエースの杉本徹・・・やっかいなヤローだな」
森「うーん・・・データではそれほど強くは無いんだけど・・・最近の練習試合の記録がないのが不思議だった・・・と思ったらこういうことだったのね」
上原「そういや山で修行していたとも聞いたな、だからこっちにいなかったのか」
森「ぱっと見たところエースの杉本君の平均球速が138キロ、割と速いわね、そして変化球はスライダー、フォーク・・・くらいかな?、なら1つに絞るしかないか」
上原「いろいろ見てましたが奴はスライダーを多く使っているみたいですよ、キレはそこそこですし、まあ長打は狙いにくいですが」
森「そう、でも一番得意なボールを打つのが得策ね、とりあえず7回の攻撃が始まるから・・・様子見ね」
この回3連打で2点を返すものの、ショートゴロに終わり7回裏を終了
森「キャプテンの石田君はホームランか三振かのイメージね、直球には強くて、変化球に弱い、か」
そして8回、バッターはキャプテン石田
柳原「さっきのホームランのおかえしだ!これでも喰らいやがれ!」
ビシュッ
ククッ!
石田「くっ!」
カッ!
大須賀「おっしゃ!ファーストゴロ!」
こうして石田を打ち取った後、二者連続三振で抑えた
8回裏
柳原「さーてと、・・・(狙うはフォークだ!)」
ビシュッ!
ククッ
柳原「きたぁーっ!」
カキィーーーーーン!!!
杉本「!」
打球はレフトのフェンスを乗り越え同点ホームランになった
上原「おおーっ、公式戦初ホームランか、いいじゃん」
柳原「何とかなるものだな、ストレートだったら三振だったが」
しかし上原はサードフライに終わり、続く打者も凡退した
9回表はツーアウトなもののランナーは3塁、バッターは杉本を下げて代打にスイッチ
柳原「・・・おらっ!」
ビシュッ
カキン!
球審「ファール!」
ビシュッ
バシッ!
審判「ストラーイク!」
柳原「よっしゃ追い込んだ・・・がここだな、勝負どころは」
ビシュッ
パスッ
ブンッ!
秋田「!」
柳原「あっ!」
上原「なっ!」
あと1ストライクだったのだが・・・秋田がボールを後ろに逸らしてしまう
相手「よっしゃ!ワイルドピッチ&振り逃げ!ホーム狙え!」
ランナー「おう!」
秋田「くっ・・・」
柳原「間に合わないな・・・」
こうして後続は抑えたものの、またしても突き放されてしまう
森「・・・まあ仕方ないわね、何とかしないと・・・」
大須賀「俺からだったな、ここは1つ一発を・・・」
森「ダメよ、大須賀君」
大須賀「え?しかし・・・」
森「ランナーを溜めなさい、いくらエースが降りたとはいえ、1発なんてそうそう狙えるものじゃないから」
大須賀「わかりました・・・」
森「もちろん甘い球が来たらセンター方面に飛ばしてね」
大須賀「は、はい」
ランナーを溜める、その一言が勝負を大きく分ける
審判「ボール!フォアボール!」
大須賀「おしっ!」
森「うん・・・ここで代走を使おうか、田坂君!代走!」
田坂「うぃーっす」
盗塁が得意な田坂が1塁に入る
続く安達が送りバントでランナーは2塁へ
森「ポイントはここね、フォアボールでも塁に出なきゃダメ・・・」
しかし6番の国松はここまで3タコ、ただ左打ちのため、外せないのである
森「久保君まで回れば勝利は確定なんだけど・・・」
上原「まあ今日は久保は当たってますからね」
森「いいえ、相手を動揺させるための1つの仕掛けね」
上原「え・・・じゃあ、どういう意味で?」
森「久保君の前の打席にいる2人が勝負を決めるのよ」
上原「なるほど」
そしてカウントは2−2、ここで・・・
カキーン!
柳原「よっしゃ!これはライトオーバーだろ!」
監督もいい出来と後に語った国松の打撃はライトの頭を超えるライトオーバー3ベースを放った
ここでパワフルは同点に追いつきサヨナラのチャンスを迎える
森「あらかじめ外野を浅く守ってたから、長打を狙わせて良かった、そして相手投手のインハイの球をしっかり捕らえたのもよし」
1アウトランナー3塁、スクイズも出来る場面
上原「(・・・監督、やる気か?)」
森「・・・」
バッターは野口、今日は1安打打つものの、最初の打席のみでその後は三振の山である
内野も外野も浅く守っているところを監督は・・・
森「(やりなさい!)」
野口「・・・」
カウントは0−3、フォアボールを選びそうな場面
本来は7,8番を歩かせてピッチャーと勝負する場面、しかし続く打者は今日猛打賞、ピッチャーの柳原もホームラン1本打っている
この場面だからこそ、森監督は野口にある指示をしたのである、そう0−3だからこそである
ビシュッ!
野口「いけっ!」
カキーン!
それは犠牲フライでも、一発でも、ライナー性の打球でもなく、ゴロの打球でもなく、ヘッドを下げる打ち方であった
相手投手「こっ、これは・・・」
フルスイングした打球は地面を叩いて、ボールは高く舞い上がった、晴れた球場のみに出来た戦法である(湿っているとバウンドが今ひとつなため)」
森監督の予想通り、上に上がった打球は取ることも出来ず、ランナーは生還、それは先ほど打った国松の足を考慮して考えた策であった
柳原「よっしゃーっ!」
上原「流石森監督、ソフトボール経験を生かしたプレーですね」
森「まあね、ただバットの芯で捕らえられなかったのは、ミスだけどね」
上原「辛口ですね・・・」
森「何を今更」
上原「ははは、そうですね」
この時、実はヘッドで捕らえろという意味はバッターの野口にしかわからなかったのである、野口と言うバッターはバットの芯で捕らえようとすると必ず詰まる打撃を行っていたからだ、なのでその裏を突いた心理的先方で勝利を収めたのである
つまり
グリップ (芯) 先 ーーーーーーーーーーー
が通常だが野口の場合はバットの芯に当てようとすると
グリップ 打 (芯) 先 ーーーーーーーーーーー
こうなってしまう打ち方をしていたのである、なのでヘッド(先)を下げることによって
グリップ 打(芯)先 ーーーーーーーーーーー
これ以降は複雑なので簡単にすると重力の問題でバットの芯と重点の先がずれる・・・と長くなるが 要するに少しでもバットの芯に近づけられる打撃にしたのである
そして彼らは、準々決勝にコマを進めた・・・
終。
>あとがき 戻ってまいりました、といっても3話だけの掲載ですが とりあえず3回戦の簡易版を戻したのはいいんですけど ややこしい勝負に変換したことをお詫びいたします(大汗)

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