| [68] 奥様はワイルド・ピッチャー!? |
- しんかー進化 - 2005年05月13日 (金) 18時30分
松田家・・・。 リビングには家族3人、 父・明夫、母・幸子、息子・孝(タカシ)がいる。 テーブルの上にはケーキがあり 黒いチョコプレートにホワイトで 「おめでとう50さい」 と描いてある。
幸子「お誕生日おめでとー!!!!」
パンパンッ!!
明夫「ありがとう・・・。」 孝 「お、オヤジ・・・おめでとう。」
テレながらも父に挨拶する息子。
明夫「ありがとな・・・。孝。」 幸子「さ、今日は豪華に行きましょう!! 父さんの半世紀記念よ!!」 明夫「そうだな・・・。」 孝 「・・・と、とりあえず〜!! けーきでもたべたいな〜!!」
孝は父親に元気を分けようと 無理にはしゃいだ。 本当は甘いものは好きじゃないのに・・・。
幸子「お父さんはビール? それとも焼酎?」 明夫「び・・・いや、ジュースでいいよ。たまには。」 幸子「ダメダメ!!ビールでもパーッと飲んで!!」 孝 「父さんもチキン食べれば? すっごいおいしいよ!!」 明夫「・・・そうだな・・・。」
父親の元気の無さに孝と幸子は 思いっきり空振りをしているような感じがした。
実は誕生日の今日、父明夫は会社から戦力外通告が出てしまった。 しかし母は 幸子「あ、そう!!じゃあ明日から連休ね!!」 と笑顔で答えた。
もともと母親の幸子は逆境に強いタイプ。 面倒見がよく、(うっとおしい感じもあるが・・・) 話しと値引き好きな普通な中年専業主婦だ。
底抜けに明るく、超ネガティブ思考・・・ つまりプラス思考の上に楽天家。 しかし松田家の生計は彼女がやりくりしてきた。
父がリストラさせられても凹むどころか 笑顔さえ見せた。 少しの貯金はあった。 しかしどんながんばっても笑える状況ではない。
中二の息子がいる。 来年は受験。 再来年からは高校。 なんにしてもお金がかかる。
そのせいか・・・。 さっき父がビールではなくジュースを要求されたのは。 と息子の孝はチキンをジッと見つめ考えていた。
今日は父と息子の共通の趣味である野球ナイターも 移動日のためお休みだ。 と、ここで孝は野球のスケジュールを考えた。
孝 「あ・・・明日から地元(ココ)だ。」
明日からはマリンスタジアム、 千葉ー所沢戦だった。
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