「いやぁ〜。ニコライ堂から御茶ノ水駅までの坂は意外と急ですね」
「そうだな。“坂の街”というイメージの象徴だな」
〜聖橋界隈を歩く〜
「・・・・・・おっと聖橋だ。この橋の歴史は意外と浅いんだ」
「なぜですか?」
「この下を流れている神田川は江戸城の防衛目的の一つとして人工の堀割だったからんだ。明治になると聖橋と、隣の御茶ノ水橋が架けられたんだ」
「そうなんですか。よくよく見るとこの橋はアーチ状で美しいですね」
「だろ。実はこれも2代目なんだ。関東大震災の復興事業の一環として1927年に完成したんだ。ここでクイズだ!なぜ『聖橋』と名づけられたでしょうか?」
「え〜〜〜。…難しいですね・・」
「正解はな、わしも最近夏春都から聞いたんだ。なんでも湯島台側の湯島“聖”堂と駿河台側のニコライ“聖”堂を結んでいるかららしいんだ」
「お互いの『聖』という字からとったんですね。短い時間で思いつきません」
「知ってたか? この下の神田川で釣りや、水泳ができた事を?」
「えっ!? こんな浅そうな川でそんな事ができたんですか?」
「驚きだろ。さっきも言ったが神田川は人工の堀割と言ったろ? しかし、それとは裏腹に幽邃な渓谷と池のようなものがあったらしいんだ(これも夏春都から聞いたんだが)。今では想像すらで謹賀な。」
「確かに。中央線、総武線、さらに丸ノ内線が瞬時交錯していますし」
「まっ、都会的な仲にも情趣がある所ということにしておこう」