ある日の派出所
「なぁ、中川」
「何ですか、先輩? お金なら貸しませんよ!」
「違うよ! 横浜に行かないか?」
「構いませんよ。でも、なぜですか?」
「横浜港に停泊中の『飛鳥U』を見にいきたくてさ」
「いいですね。その後は中華街に行きませんか?奢ってあげますよ」
「本当か? じゃぁ決まりだ。麗子、行ってくるぞ。部長にはどうにか伝えてくれ!」
「ちょっ・・・両ちゃん!圭ちゃん!」
車内にて
『ガロロロォ〜ロロォ〜』
「先輩!」
「何だ?」
「先輩は下町を歩く時はほとんど電車を使うのに今回は車なんですね」
「まぁ、電車で行けなくはないんだけども、時間がかかるからな。そうだ、環七を通って足立区の加平ICから首都高を使わないか?」
「そうですね。では、堀切JCTからは向島線にします?それとも…」
「向島線を使おう。浅草も通るしな。それからは両国・箱崎JCTを通って江戸橋JCTから中央環状線・羽田線・横羽線と走り継ぎみなとみらいICで降りよう」
「先輩の頭の中はどうなってるんだ?まるで道路地図のようだ」とつぶやく中川。すると
「わしは一度通った道はビシっと覚えるんだ。いちいちうるせえよ!」中川を叩く両津
「あっ、ちょっと止めて下さい・運転が乱れ・・・危ないっ!」
「おい、中川! もっと丁寧に運転しろ!」
「しょうがないじゃないですか。先輩が・・」
「わしが何かしたのか?」
「いえ、別に・・・・・・・・・」
・・・・数十分後・・・・
「先輩、みなとみらいICに着きましたよ」
「ふぁ〜〜〜ぁ〜〜。そうか。それでは大桟橋方面に向かおう」