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[146] ポケットモンスター アークジェネレーション!!         第24話「悪の集団『煉』」
@ - 2004年05月08日 (土) 13時30分

今までの話はこちら



24th「悪の集団『煉』」

 

前回までのあらすじ:
 ケイコが悪の一団『煉(れん)』の隠れ家に見当をつけ、そこへと侵入。それはなんと、グレンジム! 『煉』のリーダーは、グレンジムリーダー:カラシだったのだ。一方シクーとソウトも、ケイコを追ってグレンジム内へ侵入。そこで『煉』のメンバー達の襲撃を受ける事に。

 

 現在、カントー地方に12箇所あるというトレーナーの修行場、ポケモンジム。そしてココは、その中でもグレンタウンに存在するグレンジムだ。建物内には照明で明るくされた広いバトルフィールドがあり、そこに数名の大人達と、2人の少年の姿がある。

「(やっぱり、ここが……グレンジムが、悪の一団『煉(れん)』の隠れ家だったのか)」

 黒眼黒髪で、フードのついた黒い洋服とインラインスケートを装備した少年……詩空(シクー)が、心の中で言っていた。隣りにいる、スポーツ刈りの頭をした少年を見ると、彼も険しい表情を浮かべている。同じような事を考えているのだろう。
 ……2人の少年はたった今、数名の大人達の1人から話を聞いていた。リーダーであるカラシという男の実力が、強大である事を。そして彼は、最初からココを『煉』のアジトとする為にジムリーダーになったという。話を終えると、その者はポケモンを繰り出した。

「!?」

 それまで話してきていたのは女性で、彼女が繰り出したのはゴローン♀。すると他の大人達……つまりは他の『煉』のメンバー達も、ブーバー♂やデルビル♂などのポケモンを出してくる。

「まぁカラシ様の凄さを口でいくら言っても、ガキってのは素直に話を聞いたりしないでしょうからね。大人しくしてもらうわよ」

「ソ、ソウト……」

 シクーは敵の多さに不安を覚え、隣りに立つスポーツ刈りの少年……想人(ソウト)の顔を伺った。しかしソウトの表情には、怖じ気づいているような曇った様子は見られない。むしろソウトは意気込みながら、こう口にする。

「うるせぇ。そう言われて大人しく従う程、俺はヤワじゃねぇんだよ。それに、親父もきっとココに捕まってるんだろ? だったら、俺が助け出す! サンド♂(Lv:7)、行くぜ。敵は多いが、ぐだぐだ言ってられないからな!」

 ソウトが相棒であるポケモンを繰り出した。そんなソウトの前向きな感じに、シクーも勇気を貰ったような感覚を覚える。明るさを取り戻したシクーもまた、臨戦態勢に入った。

「よし。分かったよ、ソウト。何とか強行突破しよう!」

「やっぱりガキよね。状況が判断できないのかしら? ……まぁ、いいわ。岩尚(イワヒサ)、私達は集団でソウジの息子をのしてやるから、アンタはもう1人のガキを大人しくさせなさいよ」

「え゛」

 早い話、イワヒサという男はシクーと対戦。他の『煉』のメンバーは、全員でソウトを襲おうと言うのだ。


「……なんでソウトは一対多数で、僕は一対一なんだよ?」

「そりゃ、お前がザコだからだ」

 グサッと突き刺さる言葉を言ったのは、シクーと戦うらしいイワヒサという男。シクーは顔を暗くしながら、気持ちのこもらない淡々とした言葉でソウトへ次の事を述べる。

「……よかったね、ソウト……。ソウトはザコとは思われてないって。……嬉しい?」

「嬉しい訳あるかぁ〜!!」

 ソウトだって意気込みはしたが、シクーと半分ずつ敵を倒すつもりでいたハズ。それが『煉』のメンバーほとんどが自分を狙うとなると、さすがに引く。

「よし、みんな。狙いはソウジの息子よ! 行きなさい!」

「おおーッッ!!」

「クッ……おい、シクー。そんな男とっとと倒して、俺に加勢してくれ!」

 敵襲団に逃げながら、ソウトはシクーに叫んだ。

「……ムチャ言わないでよ、ソウト〜」

「確かにムチャだ。お前如きが、俺に敵うはず無いからな」

 そう言ったのは、シクーの相手イワヒサ。さすがにシクーだって、それを聞いたらカチンとくる。

「な、なんだと!?」

「ガキは大人しく、俺等にひざまずけ。行け、ドンメル♂(Lv:7)!」

「何をッ! ムッソ(ケムッソ♂ Lv:4)とケッちゃん(ケムッソ♀ Lv:5)、頼む!」

 シクーが繰り出したのは、2匹のケムッソだ。対する相手は、背中が山のような形をした、四つ足の黄色っぽいポケモン。

「バカめ。ドンメルは、炎・地面タイプのポケモン。炎相手に虫で挑もうとはな……えッ!?」

 シュルルル……! イワヒサが無駄口をたたいている内にそんな音が聞こえ、気づけばドンメルは糸でぐるぐる巻きになっている。ケムッソの糸を吐くが、相手の動きをあっという間に止めてしまったようなのだ。

「2匹で同時に糸を吐けば、動きを止める事ぐらい出来るよ。ムッソとケッちゃん、体当たりだ!」

 バキッ! ズガッ! ドゴッ! …………
 身動きの取れないドンメルに、次々と2匹の攻撃が叩き込まれる。されるがままで、ドンメルはボロボロにされて気を失った。

「よし、まずは1匹!」

「この野郎……。捕まえたばっかで全然育ててねぇ奴を倒した程度で、いきがるな!」

 イワヒサが次に出したのは、イシツブテ(Lv:16)。どうやら今の言葉もまんざら嘘ではないらしく、レベルの高いポケモンが現れる。

「ムッソ、ケッちゃん。あのイシツブテも、同じ手で……」

「ハッ! 同じ手で倒せると思うか?」

 イシツブテは。シクーの持つ2匹のケムッソに近づく。その刹那……ズドーンッッ!!

「!! だ、大爆発!?」

 突然カッと体を光らせたイシツブテは、そのまま破裂! それは凄まじい勢いとなって、巨大な爆風が周囲に広がった。シクーのケムッソは2匹まとめて、この紅蓮の爆風にのみこまれる。当然その強烈なダメージに耐えきれるハズもなく、戦闘不能に。

「そんな……」

「どうやら、勝負あったな。俺の残りのポケモンであるサイホーン♂(LV:13)とポニータ♂(Lv:17)が、お前を叩きのめす!」

 イワヒサは2匹のポケモンを繰り出し、シクーに迫らせた。

 

 ……一方でソウトはというと、敵襲団に追われっぱなしな状況だった。人は大体7〜8人程度で、当然1人につき数匹のポケモンを持っている為、ポケモンはその数倍の数である。

「待ちやがれ、小僧ー!」

「いさぎよく、私達に降伏しなさい!」

 などという言葉と共に、『煉』のメンバー達とそのポケモン達が、ソウトを追い回す。もちろんソウトは止まるつもりもないが、このまま逃げてばかりでは何も解決しない事は百も承知。しかし、とりあえず自分が精一杯でシクーの方を気遣う余裕も無いみたいだ。

「クッ、いくらなんでも敵が多すぎるっつーの!」

 ソウトは後ろを向いて、追ってくる敵達の様子を見ながら走り続けた。だが、そこで前方へ首の方向を戻すと……目の前に、1本の柱が。

「いッ!!?」

 柱はバトルフィールドの端っこの方に数本立てられており、いつの間にかソウトはその中の1本に突っ込むように走っていたのだ。

「や、やべっ! サンド♂(Lv:7)!」

 慌ててソウトは、一緒に走っていたサンドの事を呼ぶ。すぐさまおやトレーナーの声に反応すると、サンドは強力なツメを目の前の柱に叩き込んだ。結果……柱は見事に音を立てて砕け、ソウトが位置する所からみて反対側へと崩れ落ちていく。

「あ、危ねぇ……」

 ソウトは額の汗を拭いつつ、足を止めた。ところが、すぐに次のようなうめき声が聞こえてくる。

「ギャッ!!」

「ゴッ!!」

「……へ?」

 それは、ポケモンの声。よく見ると、そこには砕けた柱が岩なだれのようになって、ポニータとサイホーンを襲っていた。

「あ゛」

 次にソウトが聞いたこの声は、シクーの物。そして更にその次には、シクーの対戦相手イワヒサの声も。

「何!? ポニータとサイホーンがッ!!」

 どうやら不運にも崩れた柱の攻撃を受けたのは、イワヒサの持つポニータとサイホーンのようだ。2匹がシクーに襲いかかろうとしたところに柱が崩れ、岩なだれ同然の攻撃となって直撃したようである。

「な、何やってんの……?」

「…………。気にするな、シクー。助かっただろ?」

 もちろんソウトは狙った訳でも何でもないが、結果論を言うならポニータは一撃ダウン。サイホーンは堅い岩の体を持つ故か、かろうじて立ち上がろうとするがフラフラ状態。完全に足に来ていた。チャンスと言えば、シクーの絶好のチャンスである。

「まぁ、いいや。メノクラゲ♀(Lv:6)、冷凍ビーム」

「よくねぇだろッ!!」

 イワヒサの声は完全無視(!)で、シクーはメノクラゲを戦闘に出して攻撃。フラフラのサイホーンも、これによって今度こそ完全に倒れた。

「ぐっ……ち、ちくしょう」

「ったく。何やってんのよ、イワヒサ!」

 そこへ、それまでソウトを追ってきていた『煉』のメンバー達がシクーとソウトを取り囲む。

「お、俺は突然柱が倒れてこなけりゃ、やられるなんて事は……」

「もういい! みんな、こうなったら2人まとめてボコしてやろうぜ」

 囲まれ逃げ場を失ったシクーとソウトに、じりじりと詰め寄る敵達。だが、次に聞こえてきたのはこの声。

「ニャースちゃん、ニューラちゃん、エネコちゃん! みんなで攻撃よ!」

「ガーディ、ドーブル、デルビル、ポチエナ、グランブル! 全員行けー!」

 突然登場したのは、猫の形状をしたポケモン軍団と、犬の形状をしたポケモン軍団。それらは、『煉』のメンバー達を総攻撃した。

「わー!?」

「なんだー!?」

「誰だー!?」

 そんな声が飛び交い、不意打ちで倒れていく敵のポケモン達。するとやがて、奇襲をしかけた2人が姿を現す。
 ……現れたのは、久志(ヒサシ)とマドカ。ソウトのいとこ達だった。

「ヒサシとマドカ……」

 小太りの少年ヒサシと、常に元気に打倒ソウトに燃える(?)少女マドカ。
 シクーも以前2人と出会った事があるので、現れた彼等の名前を何気無く呟いた。何でもソウトとヒサシとマドカは、3人がそれぞれお互いにいとこ同士なんだとか。とにかく何故なのかは分からないが、そのヒサシとマドカが突如として現れ、加勢してくれたというのは確かなようだ。

「おい、2人共……何でココに?」

 そう口にしたのは、ソウトだった。するとマドカが、ソウトに叫ぶように述べる。

「ソウトの後を追ってきたの! グレン島じゃあもう、ソウトの父親のソウジさんが『煉』に捕まってるかもって言う話は有名になっちゃってるのよ!」

「……そりゃ、警察が動いてる程だからねぇ……」

「その通りよ、シクー。だからシクーとソウトが、ポケモンセンターを飛び出してグレンジムに向かって走るのを偶然見かけた時、ひょっとしたら2人はソウジさんの居場所を突き止めたのかもって思ったの。……で、この私マドカちゃんがヒサシを引っ張って来て、後を追いかけてきたって訳!」

 つまり、ヒサシは巻き添えらしい。

「マドカは、強引だからなぁ。まっ、今に始まった事じゃないけど。それよりシクーとソウト、大丈夫なのか?」

 そのヒサシが、シクーとソウトを気遣って話しかける。一応、2人は頷いて答えた。

「ま、まぁ……確かにマドカの読み通りだ。この奥に親父はいるらしい」

「だったらソウト、とっとと先に行きなさいよ。ここは私達が引き受けるわ!」

「何! おいおい、マドカとヒサシだけで大丈夫かよ?」

「ナメないでほしいわね。事件が解決したら、今度は私がソウトを倒さなきゃいけないのよ! だから、その……気を付けてね」

 ほんのちょっとだけ顔を赤くしながらも、マドカはソウトにそう言った。

「……んじゃ、後は任すぞ。シクー、俺と一緒に奥に行こうぜ!」

「分かったよ、ソウト!」

 奇襲で敵達が混乱している、今がチャンス。シクーとソウトは、すぐさまグレンジムの奥の部屋へと続く道を発見すると、そちらへ駆け込んだ。
 ……そして残ったヒサシとマドカは、当然『煉』のメンバー達に睨みつけられる事となる。

「オイコラ、ガキ共! 俺達に刃向かった代償は、大きいぜ!」

「う、うるさいわね! ……ねぇ、ヒサシ? あんたの手持ちポケモンって、奇襲の時に出したポケモン達で全部?」

「聞くまでもないだろ、マドカ。俺は犬型ポケモンの使い手……で、マドカは猫型ポケモンの使い手だろ? でもって、今んとこ他のポケモン達は持ってない。つまり俺もマドカも、今出したポケモン達が全部って事になる訳だ」

 猫使いマドカが繰り出したのは、ニューラ2匹とニャース、それからエネコというピンクの外見と黄色の顔を持つ、これまた猫のようなポケモン。
 犬使いヒサシが繰り出したのは、ガーディ、デルビル、ドーブル、あとはポチエナという黒っぽい犬とハイエナの間の子みたいなポケモン。それと……グランブル?

「……犬?」

 グランブルを見て、マドカが言った。

「いいじゃんかよ、顔がブルドックみたいだろッ!? それよか、本当に俺達だけでこの状況どうにかなるのか?」

「…………。とにかく私もヒサシも、持ってるポケモンはこれだけ。レベルは大体6〜10。対する相手は、グレンジムの精鋭トレーナーにして、悪の一団『煉』のメンバーである人達。当然、レベルはこっちよりも高いわよね?」

 そして一呼吸おいて、マドカはこう呟く。

「……もっと育てておくべきだったわ……」

 2人は、ガク〜っとうなだれた。「…………」と、少しだけ哀れみが含んだ様子の『煉』のメンバー達に見られながら。

「と、とにかく! このまま帰す訳にはいかねぇんだ。かわいそうだが、これで……」

 ガスッ!! 突如、その男の背中に衝撃が走る。

「!!? ま、まさか……また侵入者……?」

 そのままドサリと、彼は倒れてしまった。

「こ……こんなに何度も……誰かが……侵入してくる……なんて……! だ、だから……カラシ様……早く入り口のカギ……直してくれって……言ってたのに……ガクっ」

「あ゛、カギ壊れてたの?」

 そんな事はどうでもいい(?)として、とにかくこれでヒサシとマドカも助かった事となる。今度助けてに来てくれた人物、それは実に心強い人だった。

「あなたは確か……シクーの姉の、ミカンさん!?」

 このヒサシの言葉通り、来てくれたのはミカン。彼女の側には、巨大なハガネールがたたずんでる姿もある。

「な、何だ〜! 貴様は!?」

「ヒサシ君と、マドカちゃん……でしたね? 敵の数を減らしますから、少しじっとしててもらえますか?」

 ニッコリ微笑みながらミカンは語りかけると、今度はじっと敵の姿を見据えて、こう叫んだ。

「アイアンテール!!」

 バキバキバキバキっ!! ハガネールは鋼鉄の尾を一振り。それを受けてほとんどの敵は、人もポケモンも次々に気を失って倒れてしまったのだ。

「つ、強いわ……ミカンさん」

「あ、あぁ……」

「お2人とも、お怪我はありませんか?」

 ミカンの優しい心遣いに、すぐマドカは答える。

「あ、大丈夫です。だけど、この先にシクーとソウトが……」

「そうですか」

 それを聞いて、ミカンはグレンジムの奥の部屋へと続く通路を見つめた。

「……シクー……」

 

 

 

 その通路のずっと先に、2人の少年は走っていた。
 シクーとソウト……彼等はようやく、通路の奥にあった扉を発見する。

「! ここか?」

 2人で扉を一気に開けて、中の部屋へと突入した。すると中にいたのは、ケイコとソウジ。そして……

「ん? なんだ、また誰かが来たのか。それも、ソウジ……てめぇの息子達じゃねぇか」

 そう話した男こそ、グレンジムのリーダーにして悪の一団『煉』を束ねる男、唐士(カラシ)だった。

 

 続く

 

 次回は、第25話「6匹フルバトル! ラーヴァフィールドの決戦」です。
 いよいよカラシの元まで辿り着いた、シクーとソウト。遂に悪の集団『煉』との最終戦闘! お楽しみに♪

 

<現段階ポケモン図鑑データ>

【NAME:シクー】

見つけた数:37匹
捕まえた数:2匹

バッジ数:0個

手持ちポケモン
・メノクラゲ/メノクラゲ♀ Lv:7 HP:24 タイプ:みず・どく おや:シクー
・ケッちゃん/ケムッソ♀ Lv:6 HP:22 タイプ:むし おや:シクー
・ムッソ   /ケムッソ♂ Lv:5 HP:21 タイプ:むし おや:シクー
・タマゴ

【NAME:ソウト】

見つけた数:23匹
捕まえた数:1匹

バッジ数:0個

手持ちポケモン
・サンド♂ Lv:8 HP:28 タイプ:じめん おや:ソウト

【NAME:ケイコ】

バッジ数:2個

手持ちポケモン
・バクりゅう/バクフーン♀ Lv:36 HP:119 タイプ:ほのお おや:ケイコ
・デンりゅう/デンリュウ♀ Lv:31 HP:110 タイプ:でんき おや:ケイコ
・ラプりゅう/ラプラス♀  Lv:32 HP:139 タイプ:みず・こおり おや:ケイコ
・ラスりゅう/ラプラス♀  Lv:32 HP:142 タイプ:みず・こおり おや:ケイコ
・ゴンりゅう/フライゴン♀ Lv:34 HP:113 タイプ:ドラゴン・じめん おや:ケイコ



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