[717] [留学生の一日<午前>] |
- 懐かしのゴーファー姉妹 - 2021年08月07日 (土) 00時24分
<何ともカオスな留学生の一日>
ボクの名前はマイルス・テイルス・パウアー。この学校の留学生。 ボクがこの学校に来てからはやもう三ヶ月。 来た時に比べてかなり慣れては来たけれど……。
この学校、何か変。
「よし、皆揃ってるかー?」
朝のHR。担任のブレイズ先生が教室に入って来た。 先生が教室を見渡す。すると先生の目が教室の廊下側の一番後ろで止まる。
ブレイズ「やはり速瀬は今日も遅刻か。」
先生がはぁとため息を漏らす。
ブレイズ「まぁいつの事だな。よし、HR始めるぞ。」
速瀬というのは、この学校で一番の問題児。必ず毎日遅刻で、来たら毎日必ず学校の 窓を三枚以上割る。 学校側ではかなり嫌がられているけど、ボク達の間では結構人気だったりするんだよね。 何て言うか……、すごい人なんだ。
HRも終わり、一時間目の授業の前の休み時間。
「テイルスー!!」
ボクの後ろの方から声を掛ける、赤いハリモグラ。
テイルス「ナックルズ、何?」
教室を出て廊下で話す。ナックルズがとても得意げに声を弾ませる。
ナックルズ「今度俺達のチームで試合をやるんだ!!まぁ、いつもやってるけど、今回は違う。 名門校との公式戦なんだ!コレで買ったら今度の地域トーナメントに出場出来るら しい!!」
テイルス「えっ!そうなんだぁ!!すごいよナックルズ!夢の第一歩だね!!」
ナックルズはウチの学校の野球部キャプテン。ウチの野球部は強いんだけど…、前は反則負けで 地域トーナメント出場権を剥奪されちゃったんだ。
ナックルズ「だから今度の試合。お前絶対見に来いよ!!チア部も結構張り切ってるし。」
テイルス「チア部も行くんだ!う〜ん本格的〜!!」w
「アタシ達がそこまでやってあげるんだから、負けたら承知しないわよ!」
ふいに後ろから声をかけられる。振り向くと、そこにはクラスメイトのエミーがいた。
エミー「本当はバスケ部の応援しかしない主義のアタシ達が、アンタ達みたいなイモい野球部のチア してあげるんだから、反則負けなんかダサイ事しないでよ!」
エミーはこの学校で初めて自分からクラブ結成に成功した唯一の人物。 自分で結成したチア部のリーダーをしている。
ナックルズ「へっ、バスケ部が最近試合ねぇから暇になっただけなくせに〜。」
ナックルズが横目でおちょくる。
エミー「Σそ、そんなんじゃないわよ!」(汗)
テイルス「まぁまぁ、どちらにせよ野球部には勝って貰いたいから、ボクもちゃんと応援するよ!」
エミー「そうね!頑張るのよナックルズ!!」
ナックルズ「おうよ!」
と、そんな話をしているとチャイムが鳴った。 一時間目の授業が始まり、ブレイズ先生が名簿と教材、そしてお決まりの竹刀を持って 教室に入って来た。ブレイズ先生は生徒思いの熱血教師で、生徒が悪い事をすると竹刀で おかまいなく殴る。(笑) だからブレイズ先生の授業の時だけはとても静か。
「あ〜っ!やっと来た!ソニック遅刻!!」
教室の外、裏門の辺りで声が聞こえる。
ナックルズ「お〜、やっと来たぜ。また頑張ってるなぁ〜、シルバーの奴も。」
皆が一斉に教室の窓から外を覗く。裏門で白いハリネズミと青いハリネズミが論争をしている。 白いハリネズミの方はシルバー君で、副委員長をしている。 そして青いハリネズミがさっき話にした問題児のソニック。
ソニック「オイオイシルバー。お前この前俺、水道管の破裂直してやっただろ?それでチャラって 事で。」
シルバー「なるかっ!!遅刻は遅刻!今日こそはちゃんと付けさせて貰うぜ!!」
シルバーが遅刻表に描く寸前、ソニックがシルバーに耳打ちをする。
ソニック「シルバー君、君はこの前……」
一時の沈黙、シルバーの顔が真っ青になる。
シルバー「そ、ソニックセーフ……」
ふるえた声でそう言うと、泣きながら何処かへ走って行った。また何の弱みを握られたのやら。 シルバーが居なくなって、ソニックが学校の敷地内に入る。
ナックルズ「オイ、おせーぞソニック!!」
エミー「ソニック〜!」
皆が口々に窓から叫ぶ。ソニックはこっちを向いて手を振る。
ソニック「Good morning!! Everyone!!」
他のクラスも窓から見ている。本当にソニックの生徒からの人気はすごいなぁ。
ブレイズ「コラァァァッ!!速瀬!!貴様また何悠々と遅刻してんだ!!速く教室に来い!!」
ブレイズ先生は竹刀で校舎の窓をバシバシ叩く。が、ソニックは気にもせず、のん気に歩いて校舎に入った。
ガララッ
ソニックが教室に入って来た。ブレイズ先生が投げた竹刀をひょいと避けて自分の席に座る。 ソニックはカバンから教科書を出し、机に置いてそれを枕に早速寝始めた。 ブレイズ先生がまたはぁとため息をつく。
授業も後半に差しかかった所、ソニックが起きて思い切り背伸びをする。 ブレイズ先生はそれをちらりと見るが気にしない。
ソニック「ん、ま〜だ終わってなかったのか?……ちっ、んじゃ。」
ソニックはそう言うと、音速で教室から出て行った。いつものソニックの校内徘徊が始まった。 ブレイズ先生は黒板に文字を書き続けながら一言。
ブレイズ「黒沢。」
「はい。」
黒沢というのは、この学校の生徒の中でトップ、先生からも一番頼りになる委員長、シャドウ君。 音速で走るソニックに対して、それに並んで連れ戻す事の出来る唯一の人物。 いつもソニックの校内徘徊に付き合わされていて、授業時間も少ない筈なのに、何故かいつも 成績トップのカリスマ。皆からはその親しみもこめて「委員長」と呼ばれている。
委員長が教室を出て行ってから数分、授業の終わりのチャイムが鳴る寸前にソニックを連れて戻って来た。
シャドウ「先生。今回の逃走での被害は、ガラス8、ドア3、壁6、カーテン2です。」
ブレイズ「速瀬……お前また随分と暴れてくれたな?後で職員室に来る様に!あと黒沢、 ご苦労だったな。」
委員長は先生に一礼した。先生が教室から出て行くと、一斉に皆喋り出す。 ナックルズがソニックに話しかける。
ナックルズ「オイ、ソニック。今日はまたいつもより速く捕まったな?」
ソニック「委員長がいつもより殺気強くてさー、その執念に負けた、みたいな?」
ソニックがふざけた感じに言う。委員長は既に自分の席に戻っている。
ナックルズ「へへっ、またお前なんか委員長の気に触る様な事言ったんじねぇのか〜?」
テイルス「おはようソニック。」
まだソニックに挨拶してないのを思い出して、声を掛ける。
ナックルズ「お、おいテイルス人が話をしてる時に横から入って来るn……」
ソニック「Hey,テイルス!そういやまだだったな。」
ナックルズ「Σか、完全に無視!!?」
ソニックが笑って挨拶をする。何故かいつもこの顔で一日が始まる気がするんだよね。 ナックルズが怒っているのは気にもせず、話し続ける。
テイルス「あ、そういや次の授業って……。」
ソニック「Wow!!体育じゃないか!!」
ソニックが嬉しそうに言う。ソニックは英語と体育しかまともに授業受けないんだよね……。 体操服に着替えて、グラウンド集合。体育は勿論ブレイズ先生。 体育は隣のクラスと合同。男女に分かれて行われる。
ブレイズ「今日は50m走のタイムを測るぞー。」
「えーっ」と一部からブーイング。ボクも入っている。 走るのは基本的に苦手なんだよね……、体力には自信あるんだけど。
ブレイズ「『えー』じゃない!ホラホラ、並べ並べー!!」
元々引いてある、50mのラインに並ぶ。自信のある人と自信のない人の差が顔を見ると良く解る。
ブレイズ「速瀬と黒沢はいい。別の事をやる。」
ソニック「な!?何でだよ!」
ブレイズ「お前らの速さじゃストップウォッチで測れん。」
あ、ごもっとも。ソニックと委員長も納得した。他の事をするみたいだ。
ブレイズ「まずこっちやるぞ!はい位置について!」
一番前の列が慌てて位置につく。先生の合図で走り出し、どんどんボクの番に近づく。
ブレイズ「はい位置について!!」
ついに来た!よ〜し!まず転けない様に頑張ろう!!(汗)
ブレイズ「ドン!!」
ボクの列にはナックルズも居た。一斉に走り出し、そしてゴール…… 一番最後に(笑)
ブレイズ「ナックルズ3.4、……テイルス5,7。」
Σ遅っ!!……はぁ、ソニックみたいに速くなりたいなぁ…。OTL
ナックルズ「テイルス、お前野球部に入れよ!足速くなるぜ!!それにお前がドベじゃないぜ!一人転けた 奴居るから!!」
テイルス「ボク美術部止めたくないから……。でも有難うナックルズ。……ん?転けた!?それって誰!?」
ナックルズ「シルバー。あいつ学校にブーツ履いて来てるからなぁ。」(爆)
テイルス「うわぁぁ……。学校にブーツ、確かに、それはないよね……。なんか元気出たかも、 有難う、ナックルズ。」(汗)
ナックルズ「俺じゃなくてシルバーに言った方がいいんじゃないか?落ち込むだろうけど。」(爆)
と、その時。
ソニック「おらぁぁぁっ!!」
シャドウ「させるかぁっ!!」
皆がボクの後ろの方を見ている事に気が付いて、ボクも後ろを振り返る。 ソニックと委員長が……、何だアレ?ば、バスケ…かな?(汗)
ブレイズ「よし、皆終わったな。じゃあ速瀬と黒沢には先にやって貰っているが、次の授業はコレだ。 皆さんにはバスケの試合をして貰います。」
先生は解るでしょうと言う様にバスケをしているらしい後ろの二人を指差す。
テイルス「イヤ、殺し合いしてる様に見えるんだけど。」(汗)
ブレイズ「じゃあ皆さんには殺し合いをして貰います。」
ナックルズ「Σゆ、言うと思った!!バトルロワイヤルかっ!!!」(汗)
ナックルズのツッコミに皆がうなずく。最早バスケじゃない。喧嘩にしか見えない。(笑)
ブレイズ「チーム分けするけど、自由にするか?」
全員が「自由!」と声を揃える。
ブレイズ「じゃあ、差別のない様に分けろよ。先生は差別が一番嫌いだ!」
そして生徒同士の取り合いと余り物拾いが終わり、チームが完成した。
<続く>
〜あとがき〜 一話目完成。と言っても結局話がよく思いつかなかったから変ですね。(汗)OTL というより途中からオフィシャルのキャラどんなだったか解らなくなって……。OTL 最後まで読んでくれた貴方に極限に有難う!!!(感動感激)まだ続くので宜しくお願いします…。(汗)
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