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「手の先にはあなた」

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とにかく書いてみようというやる気が大事(^^)

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No.10 第8話 投稿者:はやな   投稿日:2006年01月25日 (水) 10時28分 [返信]



好きよ

あなたが・・・誰よりも



今日の分の仕事を終えようとする太陽の輝きが二人を照らす。
紅緋の色は今の彼女には眩し過ぎた。
触れ合う指先から切ないぐらいに熱い思いが伝わってくる。
ねぇ、本当はずっとあなたと手を繋ぎたかったのよ。
でも、これが最初で最後。
「陸遜、ごめんね」
あなたの優しさを信じないわけじゃない。
あなたとの未来を夢見てないわけじゃない。
それでも、私達は。
「今までずっとあなたを困らせてたよね。でも、それも終わり」
「姫?」
「縁談・・・ちゃんと真面目に考えるわ」
そしてきっとそのまま其の人の許へ嫁ぐ。
兄達はこの縁談に乗り気だった。
呉がより大きく、より早く天下へと近づく為に。
相手は荊州の中でも有名な豪族の息子。
孫家との親交も薄くはない。
今回も考えてみてくれと無理強いをするわけではなかったけれど、魏が刻々と大きくなっている今、
土地も戦力も拡大したい思いはよくわかる。
「だから・・・これが最後」
刹那、陸遜の瞳に映ったのは自分と唇を重ねる愛しい人の悲しい微笑み。
掴んでいた指先は、気づいた時には外されていた。

「もう、あなたには会わないわ」


太陽の光は、もう感じ取る事さえ出来なかった。




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