お久しぶりです。
あるサイトで秀吉の指が6本指だったという話を見て、全然知らなかったので興味を持っていろいろ調べています。
実は私のHPで秀吉の6本指説についていろいろ書いていたのですが、
http://members2.jcom.home.ne.jp/infinity_dream/ooo/ooo.html
そろそろ私一人では手詰まりになってきたので皆様のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

向こうに書いたことをそのまま書くと、わけがわからなくなってしまいますので、まず私なりに調べて考えた論拠とそれに対する問題点をまとめて見ます。

■秀吉6本指説の論拠
・ルイス・フロイスの日本史にその記述がある。

完訳フロイス日本史〈4〉秀吉の天下統一と高山右近の追放―豊臣秀吉編(1) 中公文庫
ルイス フロイス (著), 松田 毅一 (翻訳), 川崎 桃太 (翻訳)
該当する記述は203ページの4行目
『彼は身長が低く、また醜悪な容貌の持ち主で、片手には六本の指があった。』
と記述されています。

・日本史側の史料として前田利家の国祖遺言にやはり記述がある。（未確認です。）
いろいろなネット上の情報を総合すると、秀吉は若い頃に親指を切り落とすことをせず。6本指を通したそうです。そのため、信長公から「六ツめ」という渾名をつけられていたとのことですが、これについて詳しく書かれた資料が見つけられず、私は未確認です。
話によると、国祖遺言には原本がなく明治時代に書かれた写本のみということです。
（参考サイトhttp://plaza.rakuten.co.jp/ebe123/diary/200504220000/）

・多指症。
多指症は出生1000人に対して1〜2人の確立だそうです。確率的には、ありえない話ではない。

・浮世絵の謎
これは私のオリジナルな論拠（たぶん）ですが、
http://www.page.sannet.ne.jp/rokano28/index.html
こちらのサイトの「浮世絵の謎」に画像が載っているのですが、6本指で描かれている人物が存在します。
理由はまだわかっていないようですが、昔は全然珍しいものでもなかった・・・？


■この説の問題点
・フロイスの記述の信憑性
読んでみて素直に感じたことを書いてみると、まず秀吉を『悪魔の手先』として、徹底的に悪口を書きまくっているという印象を受けました。
フロイスの立場にすれば確かに秀吉は敵対勢力なのですが、彼の秀吉に対する記述からは客観性をまったく感じませんでした。

・国祖遺言の記述の信頼性
情報が少なすぎで、この国祖遺言が他の部分でどれだけ信頼の置ける史料なのかわかりません。
また、情報どうり原本が存在せず、明治時代に書かれた写本のみしん残っていないのであれば、その記述の信頼性はどの程度のものなのでしょう・・・


■問題点に対する反論
・日本史が秀吉に対する悪意に満ちた記述がされているとして、何故6本指なのか？
秀吉を貶めるためにあえてそう書く必要はないのでは？
だとすると、これは単に事実を記述しただけなのでは？

・史料は二つ存在する。
これが日本史一つなら、悪意に満ちた記述・・・でかたづけても良かったのかもしれませんが、国祖遺言という日本史側の史料も存在する。対立するそれぞれの側の史料で同様の記述があるのだから、信憑性は高いのでは？

■問題点に対する反論の反論（汗
・そもそも記述のとうりだったとして、信長が渾名までつけて呼んでいたのなら、何故そのことがこの二つの史料にしか残されていないのか？
もっと残っていてもいいのでは？

・・・とこんな感じで堂々巡りを繰り返しています。

私一人で考えているとこのまま堂々巡りを繰り返しそうなので、皆様の考えをお聞かせ下さい。
まだ考えがまとまっていないので、おかしい点、抜け落ちている点など多いいかもしれませんがその点も含めて『容赦なく（いえ、お手柔らかに）』ご指摘いただけると嬉しいです。
宜しくお願いします。

＊尚、私はこの説に対して特に肯定、否定派、どちらの立場でもありません。

HOME 2005年05月30日 (月) 19時39分

お久しぶりです。
実は、貴サイトの「徒然なるままに」は常にチェックしていたので、この話題についても興味深く読ませて頂いていました。

私は、三国時代なら少しくらいわかることがありますが、それ以外の時代についてはほとんどまったくさっぱりなので、お力になれるかどうか判りませんが・・・
ずっと、サイトの方を放置状態にしていたので、以前こちらの方に出入りしていらっしゃった方もなかなかお見えにならなくなって・・・

◆まず結論から
　秀吉関連の記述（特に出自）はかなり錯綜している

◆具体例
　秀吉関連の記述はかなりわからないことが多いです。実は信長や彼の配下武将についても同様で、（谷口克広・著『信長軍の司令官』参照）実は判らないことの方がずっと多いという(^^;)
では、とりあえず出自の具体例を。

例１）　ルイス＝フロイス
　美濃の貧農の子。薪売りをして生計を立てていた

例２）　『明史』
　薩摩の寒門　以下、抜粋
　あと、一部には中国人説もある
　（残虐な刑罰を好んだ秀吉は大陸的要素が強いと言える）
日本故有王、其下稱關白者最尊。時以山城州渠信長爲之。
偶出獵、遇一人臥樹下、驚起衝突執而詰之。自言爲平秀吉、
薩摩州人之奴。雄健蹻捷有口辯、信長悦之、令牧馬名曰木下。
人後漸用事、爲信長畫策、奪并二十餘州、遂爲攝津鎮守大將。
有參謀阿奇支者、得罪、信長命秀吉統兵討之。俄信長爲其下明智所殺。
秀吉方攻滅阿奇支、聞變、與部將行長等乘勝還誅之。威名益振、
尋廢信長三子、僭稱關白。

例３）　柳成龍（李氏朝鮮の大臣）
　上と同様、中国人説
　薪売りをして日本国王（信長か？）に見いだされた点はフロイス説と共通

例４）『改正三河後風土記』
　本名を与介と言い、遠江あたりで泥鰌売りをしていた　

まぁ、要するに
　「何も判っていません」ということです。

従って、私は秀吉が６本指でも全然驚きません（笑）。

他にはサンカの出身だとか、河原者の出身だとか、いろいろな説がありますよね。
果たして真相は如何なものなのでしょうか？

メール HOME 2005年06月01日 (水) 00時46分

返信ありがとうございます。

う〜ん、この話題で盛り上がろうという私の密かな企みは、挫折しそうですね^^;
次に企むときは三国志ネタで行きましょう。

結論から言ってしまうと、私もあちらで最初に書いたように、『なんともよくわかりません。』になってしまいます。
この説、結局の所、なんで私が興味を持ったかというと、6本指というよりは、それが『裏づけが取れている』と、歴史的事実のように言われているのを見たので、『えっ？』と思って調べ始めました。

結果はオジオンさんのおっしゃるとうりで、調べれば調べるほど秀吉に関する記述はわけがわからなくなってしまいます。
いっそ、一つしか知らずに鵜呑みにしていた方が頭のほうは楽で済むんですけど^^;
・・・というか、私は歴史好きなだけで詳しいわけではないので、ちょっと前までは、まさにその状態に近かったんですけどね（汗
（今もたいした進歩はしていないですけど）

■情報
で、この件でちょっと面白い（？）情報が人から寄せられたので、載せておきます。
http://nekhet.ddo.jp/item/61
この本は近く取り寄せる予定ですけど、本そのものより、レビューの皮肉の効いた突込みが興味深いです（おぃ）

■現在までの一応の結論
話が脱線してしまったので元に戻しますと
一応私は、秀吉＝多指症説については
多指症の確立が1000人に1人〜2人であることから
『ありえないことではないが』
フロイスや前田利家の史料を持ち出して、
『事実であるとするには足らない』
と・・・思っています。今のところは。

というか、オジオさん、ほとんどさっぱりと言いつつも、いつも圧倒的にいろいろ知っていらっしゃるんですけど・・・
秀吉中国人説は知りませんでした。
私が知らなすぎるだけですか＿|￣|○
雑記帳見てると明らかに読書量に差が（汗

HOME 2005年06月01日 (水) 19時47分

◆秀吉
　本当に、謎だらけの人物ですねぇ〜
ちなみに、秀吉に限らず有名人物についての固定観念（いわゆる「通説」）はほとんど良質の史料で裏付けがとれないとか。
私のお薦めは、
『天下人史観を疑う』（鈴木眞哉）。
鈴木先生は武田信玄にはちょっと点数が甘い気がしますが、それ以外はばっさばっさと斬って捨ててくれます。非常に痛快。

◆情報
　おお、よいサイトを教えて下さいましたね。
最近読んだ、『名刀　その由来と伝説』が高評価でちょっと嬉しかったり。

◆読書量
　いや、ろくな本読んでませんけど。
詳しくは雑記帳を

メール HOME 2005年06月05日 (日) 02時38分

■天下人史観を疑う
とりあえず、今月は予算があれなので、次の機会には探してみます。
ちなみにアマゾンのレビュー陣は酷評ですね。
しかしレビュー信じて失敗した経験もあるので、こればっかりは好みの問題なので読んでみないとわかりませんね。

■『名刀　その由来と伝説』
実は、これと「新・名刀100選」どちらを買うか悩んだ結果、レビューが高評価だった新・名刀100選を買ったところ、今激しく後悔しています＿|￣|○
文章が小難しくて、私向きではなかった・・・
資料として持っている分にはいいですけどね。
これも機会があったら今度こそ他のに浮気せず『名刀　その由来と伝説』を買おうと心に決めていた所です・・・

HOME 2005年06月08日 (水) 18時00分

◆『天下人史観を疑う』
amazonのレビューは基本的に信が置けない、と思っていたり(^^;)
何と言っても、やはり他人の評価なので。
ある程度、レビュアーの嗜好が判っていれば判断の目安にはなりそうですが、通販サイトでは望むべくもないか・・・

◆『新・名刀100選』
　私はもとから刀のスペックとかは全然わからないし、（模造刀も含めて）実際に振るったこともないから、由来とか伝説とかさえ判れば無問題だったので・・・
てか、安かったのが一番の購入動機か（死

◆『文禄・慶長の役　空虚なる御陣』（上垣外憲一・講談社学術文庫）

　真似して購入。
値段の割りには泣けるほど内容が薄い･ﾟ･(ﾉД`)･ﾟ･
まぁ、基礎知識はついたので他の書籍にあたってみます

メール HOME 2005年06月12日 (日) 22時40分

＞『文禄・慶長の役　空虚なる御陣』（上垣外憲一・講談社学術文庫）

この本は私も立ち読みながら読んだことがあるのですが、･･･そこそこ中国史的な部分も書かれていましたから、そういったところは少し楽しかったかな･･･とは。
｢織田信長と同じ年に死んだ明の内閣主輔｣張居正の名が何度か出てきています。

で、最後の方辺りで、この｢文禄・慶長の役｣で明朝にできた大きな隙を突く形で｢高句麗の故地(苦笑)｣から勢力を伸ばした、清の太祖ヌルハチのことについても明言してました。この｢文禄･慶長の役｣が発生した所から来て、そういう結末になってきたには、少し苦笑いしたものでした。

私がふと思ったのは、｢文禄・慶長の役｣から｢関ヶ原の戦い｣→｢大坂の陣｣･･･と日本の歴史が進むさなかに｢ヌルハチ率いる満洲八旗軍が、日本海を船で渡って攻撃を仕掛けてくる｣と言う可能性があったかもしれない、ということでして。

少し話が変わりますが、かの大河ドラマ｢利家とまつ｣に挙げられた、前田利家の子供の世代のときに、清の前身・後金が建国されました。当の利家もヌルハチの勢いを、｢日本海の向こうから｣わずかに感じ取れたのかもしれませんし、その子供たちも｢この海(日本海)の向こうに、明でも李氏朝鮮でもない別の国がある｣ということを感じ取れたのでは？それを感じて少し恐れていたのでは？と、こう考えていたことがあるんですよ(｢加賀百万石｣って、その辺りの人の言う｢海の向こう｣とは、朝鮮よりも沿海州・満洲とかですから)。

･･･何せ、その｢日本海を船で渡った｣というのが、｢大坂の陣｣から700年程前までありましたから(苦笑)。

2006年04月08日 (土) 23時15分

うぁぁ〜、申し訳ございませんでした。
放置プレイがしたかった訳じゃないんです。
ただ、すっかりblogに主体が移ってしまっていて、
「幻想工房なんて飾りです」状態でしたから（死

>後金の勢力伸長
個人的には、『文禄・慶長の役　空虚なる御陣』（上垣外憲一・講談社学術文庫）は、朝鮮出兵が伝統的な中華王朝を盟主とする東アジア国際社会のバランスを崩す歴史的役割を果たしていた、という解釈だったような。
秀吉には女真族やスペイン(マニラ総督府)と共闘する選択肢もあったのですが、何故かそれを行っていない・・・　これは私としても非常に不思議でした。

ただ、建国当初の後金・清に日本海を渡航する力があったかは非常に疑わしいかと。当時は中国大陸内に多くの抵抗勢力が盤踞していましたし、圧倒的少数の満洲人・蒙古人で多数の漢民族を支配する必要がありましたから、「外征」する力は無かったかと。逆に、清は鄭成功等と争うに当たって、日本が鄭成功側に荷担しないように、好意的中立を守ってくれればそれで満足だったような。
当時の日本は国内に溢れかえる失業武士(浪人)の問題がありましたから、彼らを「傭兵」として鄭成功軍に送り込むことも可能だったでしょうから。

メール HOME 2006年04月29日 (土) 02時22分

<書き込み 実行者="管理人さん">
ただ、建国当初の後金・清に日本海を渡航する力があったかは非常に疑わしいかと。当時は中国大陸内に多くの抵抗勢力が盤踞していましたし、圧倒的少数の満洲人・蒙古人で多数の漢民族を支配する必要がありましたから、「外征」する力は無かったかと。


確かに、その頃が清朝にとっては開創当時でしたからね。それで「島原の乱」の頃（日本では）に北京入城を果たしたわけですけど。
明軍との戦いをしている間に、日本の方を向こうとすると、確かに後ろを明軍に突かれて滅亡…というオチは予想できますから。
<書き込み 実行者="私">
この｢文禄・慶長の役｣で明朝にできた大きな隙を突く形で｢高句麗の故地(苦笑)｣から勢力を伸ばした、清の太祖ヌルハチのことについても明言してました。


うーん、実際にヌルハチの挙兵した｢建州左衛｣という地は、その頃でいうと｢李氏朝鮮の北境のすぐ近く｣でして、それから1400年ほど前の頃は、確かに｢高句麗が支配していた｣あたり、900年ほど前まで行くと｢渤海国の領土｣でしたからね…｢高句麗の故地(苦笑)｣から勢力を伸ばした、と言ったのは、そういう意味です。

<書き込み 実行者="私">
何せ、その｢日本海を船で渡った｣というのが、｢大坂の陣｣から700年程前までありましたから(苦笑)。


この文章は、その前例として｢渤海使｣のことを述べたつもりです。｢大坂の陣の起きた年｣-｢700年｣≒｢最後の渤海使が日本についた年｣ですので。

別に出兵でなくても、私がこの書き込みで述べたような、｢外交使節を派遣｣ということもできたかな、と思います。そうなると｢大坂の陣｣の後しばらくは、その頃の後金領から日本を目指そうとすると、「日本海を渡らなければ行けなかった」のではないかと思いますね。

<書き込み 実行者="管理人さん">
逆に、清は鄭成功等と争うに当たって、日本が鄭成功側に荷担しないように、好意的中立を守ってくれればそれで満足だったような。
当時の日本は国内に溢れかえる失業武士(浪人)の問題がありましたから、彼らを「傭兵」として鄭成功軍に送り込むことも可能だったでしょうから。


いや、その頃になると、「日本海を渡らなくても｣日本に上陸できる、鎖国の際に江戸幕府が貿易港に指定した平戸に｢日本海を通らずに｣来られるくらいに、清朝の領土が広がっていたのではないですか？もう発祥の地たる｢高句麗の故地｣も辺境と思える程度に。

2006年06月17日 (土) 23時35分

まず、お詫びいたします。
放置していて申し訳なかったです　<(_ _)>

いや、ほとんど本館の方がゴーストタウンと化しているので･･･　もう更新途絶から何ヶ月も経ってしまっています。
歴史系コンテンツ充実の構想(三國志「北伐」をテーマに)もあるにはあるのですが、日々の享楽に流されて、「流れ流れて、いつか〜」状態です(-_-)

>高句麗の故地
そうですね。
高句麗も、渤海も、清もツングース系ですし。
そして、渤海使についても仰るとおりだと思います。
『渤海国　東アジア古代王国の使者たち』(上田雄・講談社学術文庫)　にも、当時の渤海使の様子が記されています。
ただ、この渤海使の日本海ルート(危険度の高い東シナ海ルートの「バイパス」的存在)は日本側の協力があってこそ、というのも実体だったかと思います。
事実、渤海使の中には予定通りに北陸地方に流れ着かず、東北地方に流れ着いて蝦夷に惨殺された例も少なくなかったとか。ひょっとしたら奈良・平安時代にかけても東北遠征も「渤海使の安全確保」という面もあったのかも知れません。
いずれにしても、渤海使・遣渤海使に見られる日本・渤海のラブラブっぷりには凄まじいものがあるので、是非日本の歴史教科書は、この渤海をもっともっと取り上げて欲しいですね。

>渡海
なるほど「日本海を渡海」という限定つきですね。
ただ、当時の清朝が日本の来寇を案じていたのは間違いないかと思います。何せ、半世紀ほど前に日本が曲がりなりにではありますが大軍団を渡海させる様子を見ているでしょうから。
そして、この「壬辰・丁酉の倭乱」があってこそ清朝が成立した、と言えなくはないので。

メール HOME 2006年07月10日 (月) 02時44分

＜書き込み 投稿者="管理人さん"＞
逆に、清は鄭成功等と争うに当たって、日本が鄭成功側に荷担しないように、好意的中立を守ってくれればそれで満足だったような。
当時の日本は国内に溢れかえる失業武士(浪人)の問題がありましたから、彼らを「傭兵」として鄭成功軍に送り込むことも可能だったでしょうから。
＜/書き込み＞

日本の戦国時代（明朝の正徳・嘉靖年間）にあった「後期倭寇」のようなことが、清朝が全土制圧しようとしていた時（順治〜康煕初期の頃）に、失業武士(浪人)による傭兵などで実現すると、その様は確かに「南明や鄭成功軍、呉三桂軍などへの援軍」と解釈できますよね。
そうなると清朝もそれら相手に余計な苦戦を強いられるはずで、だからこそ日本に対してそうしないように配慮しようと考えていたのではないかと。私もそう思います。

でもこれらとて「東シナ海越えの渡海」ですから^_^;。

＜書き込み 投稿者="管理人さん"＞
事実、渤海使の中には予定通りに北陸地方に流れ着かず、東北地方に流れ着いて蝦夷に惨殺された例も少なくなかったとか。
＜/書き込み＞
満洲人が「日本海を渡る」とすれば（八旗軍でもそうでなくとも）、「奈良〜平安初期頃に着いた」渤海使のルートを再現できたのでは、と。（渤海使が後半頃にとったコースは、清朝の時代では、「出発地が李氏朝鮮領内」ですから…）

＜書き込み　投稿者="TM47"＞
少し話が変わりますが、かの大河ドラマ｢利家とまつ｣に挙げられた、前田利家の子供の世代のときに、清の前身・後金が建国されました。
当の利家もヌルハチの勢いを、｢日本海の向こうから｣わずかに感じ取れたのかもしれませんし、その子供たちも｢この海(日本海)の向こうに、明でも李氏朝鮮でもない別の国がある｣ということを感じ取れたのでは？それを感じて少し恐れていたのでは？と、こう考えていたことがあるんですよ
＜/書き込み＞
そうなると清朝の時代で、この「奈良〜平安初期頃の」渤海使のルートを再現すると、確かに前田利家の子孫がいる「加賀百万石」の領内に到着する可能性もあったわけですよ。それゆえこのように言ったわけです。

＜書き込み 投稿者="管理人さん"＞
ひょっとしたら奈良・平安時代にかけても東北遠征も「渤海使の安全確保」という面もあったのかも知れません。
＜/書き込み＞
坂上田村麻呂の遠征には、その「渤海使の安全確保」という面を考慮できますね。
「炎立つ」に詳しい前九年の役・後三年の役の頃は、「日本海の向こう側」は遼王朝の影響下にありました。奥州藤原氏の滅亡直前の頃は、「金王朝・世宗時代」です。

＜書き込み 投稿者="管理人さん"＞
何せ、半世紀ほど前に日本が曲がりなりにではありますが大軍団を渡海させる様子を見ているでしょうから。
＜/書き込み＞
うーん、鄭成功・呉三桂などが清朝に反発した頃というと、その「壬辰・丁酉の倭乱（1592〜98）」からは「60〜90年くらい」過ぎていますからね。

2006年07月13日 (木) 22時29分

初めましてです。某所でコーエー外字の話題が出てたので…

結論から言いますと入力できない訳じゃないです。Ｘも11も。
Ｘは例の入力方法で入力すると候補に「・」が並んでますが、確定すると漢字として表示されます。スカもありますけど…

11はコマンド自体が無効っぽいのでやっかいですが、前作と使用している文字コードのアドレスの範囲は同じですので、その範囲に存在するのを片っ端から単語登録すれば入力可能です。

2006年04月11日 (火) 17時40分

うぁぁぁぁ〜　全然、こっちに気づきませんでした。

初めまして、ようこそ「幻想工房」へ。
そして、長々と放置しちゃっていて大変申し訳ございませんでした。

なるほど〜　そうやって入力するのですね。
ほとんど前作からの使い回しですから、特に意識することなくコンバートを繰り返していただけでしたが、わざわざお教え頂き、恐縮です。

また、こちらで何かコーエー「三國志」関連の記事を扱うことがありましたら、お力添えを頂けますようお願い申し上げます。

メール HOME 2006年04月29日 (土) 02時10分

最近三国志11の批判では、「城塞都市なのに、城外に建設物を作るのはおかしい」という非難が多いですね。

少し違和感ありますが、言いすぎですな。城内に住んで、城外で耕作する・とか城外以外にも村はあったのですし、漢代に里と言う単位でまとめて統治してましたが、それがみな城壁の中であったとは聞いたことない。「城塞都市」と聞いてその言葉の概観だけで即断していいのか？東呉も末期に荘園をもった官吏の話があるが、遺言でそれまで隠していたが、それは蜜柑を植えて林にした物でそれが城内だと簡単に気が付かれてしまう。

微妙なのもので安易な攻撃は遠慮しておきましょう。

では再見！

2006年02月06日 (月) 08時14分

お久しぶりです。

>城塞都市なのに、城外に建設物を作るのはおかしい

まぁ、確かにその通りだと思いますが、そこまでリアリティに拘る方々は根本的にゲームに向いていらっしゃらないんじゃないかな、というのがオジオンの感想です。

仰るように、当時は遺産分けとかの段階で思わぬ所から「隠し財産」とも言うべき田畑などが見つかったりしていますが、こういうのがことごとく城内にあれば、驚くような話じゃないですしね。

あと、ゲームでは便宜的にいくつかの都市(城塞都市)を本拠地として用意していますが、実際にはあれ以外にいくらでも城塞都市は存在していたはずです。そういうことにツッコミ始めると、もう収拾がつかなくなると言うか・・・

メール HOME 2006年02月08日 (水) 02時09分

出雲安来の名族
尼子家代々に仕え七難八苦を三日月に誓って尼子家の隆盛のみを悲願とした戦国有数の猛将にして悲劇の武将
永禄九年（1566）
尼子義久は毛利元就に敗れ月山富田城を開城し降伏した
事実上名門尼子家はここに潰えた…
しかし山中鹿之介は新たに尼子勝久を奉じて織田信長の支援を受け中国毛利攻めの総大将羽柴秀吉の合力を得て尼子家最高を図った
播磨城月城に入った鹿之介と勝久さ尼子残党三千人は再び毛利五万の大軍に囲まれ籠城するも援軍を約した秀吉の助けはなく勝久は切腹　鹿之介もまた虜囚の身となって惨殺された
島左近は尼子家滅亡に関わるこの戦を憶えていた
それは天正六年（1578）秀吉が中国攻めの折三木城の別所長治攻略を優先させるが為の信長の戦略により秀吉は上月城への援軍を出せなかったのであるが…それが結果的に尼子家と鹿之介を悲劇に追いこんだのであった

舞台、奈良への出陣、心から嬉しく思います。あなたからの教え、月を眺めて語って頂いた思い出は無駄に出来ません。誰のせいでもなく自分の脆さを克服する時間であり同じ過ちを繰り返さない為にも今一度、一からのスタートを踏んだ所です。
あなたに一歩でも近付けるようにこれからの時間を精進して行き必ずはい上がってきます。

2006年01月23日 (月) 22時08分

どちら様でしょうか？

HOME 2006年01月23日 (月) 23時46分

あ、ナムコさんがＰＳＰで「中原の覇者」を出すとか。

ＰＳＰはきついが、是非やりたいです。三国志ゲームの最初にやったものが、ファミコン版でした。相当にやりこみまして、思い入れも多いですから。
コーエイ三国志シリーズの傑作クラスに匹敵する面白さですよね。

では、再見！

2005年09月18日 (日) 07時32分

さらにコーエーさんはＰＣ版「三国志１１」まで今年発表とか。忙しいというか、うれしい悲鳴です。

2005年09月19日 (月) 08時49分

お久しぶりです！
>「中原の覇者」
　いや、実は全然知らないです。
しかし、ＰＳＰか〜
「やるドラ」シリーズもう一回やったり、「ガンダム・バトルタクティクス」をやったりするために購入すべきか？
ただ、nintendoのわんちゃんソフトもやりたいからＮＤＳも欲しいしなぁ〜（死

>「三國志XI」制作発表
　ついに、おそれていたことが・・・
「新武将保管庫」、いい加減に完成させないと・・・

HOME 2005年09月21日 (水) 03時10分

「らき☆すた」のゲームを買ったのに、ＮＤＳが実は何なのかよく分かっていない私です。

「三国志11」出るんですか？
バグはもう止めてください、あと晋の武将を増やしてください…（あと諸々）。

2005年12月25日 (日) 17時51分

◆水野白楓さん
お久しぶりです！

>ＮＤＳ
　そりゃ、わんちゃんと戯れるためのゲームですよ！
・・・この認識、間違ってます？

>三國志XI
　そうですね、晋将は是非増やして欲しいですね。てか、登録武将で登録さえできるようになっていれば文句は言いません。
・・・今作こそ、「兄弟」関係の設定ができるようになっているかな・・・　それも心配。

HOME 2005年12月25日 (日) 23時45分

＞今作こそ、「兄弟」関係の設定ができるようになっているかな・・・　それも心配。

それは本当に今回は実現してもらいたいです。

2005年12月26日 (月) 16時18分

あと、「父子」設定でも、登録武将の方を「父」に設定できるようにしてくれたら、定価買いしても悔いなしですよ？
司馬防とか、曹熾とか

HOME 2005年12月31日 (土) 12時57分

本年も宜しくお願いします。
登録武将の設定では私もよく使いますけど
兄弟武将を作ろうとしたら
その親から作らなければならないんですよね。
しかも年代の関係である程度制限されてしまいますから。
私も兄弟設定は欲しいです。
・・・別にそんなに難しいことでは無いような気がするんですけどね？
なんで搭載されないのでしょう・・・・

HOME 2006年01月02日 (月) 07時21分

◆南斗さん

明けましておめでとうございます。
そうですね、「兄弟」設定と「親子」設定(従来の逆バージョン)は是非とも入れて欲しいところです。別に技術的に難しいということは無い(孫堅・孫静や曹仁・曹純はちゃんとゲーム中でも「兄弟」と認識しあっていますし)と思いますし。

あと、セーブデータについては、セーフモードで立ち上げながら緊急避難させていたバックアップデータが利用できましたので、「三國志VIII」の方は、うまくいけば近日中にでもupできるかも・・・

って、これから10日くらいは忙しくってダメっぽいですけど。

HOME 2006年01月04日 (水) 02時17分

こっちには全然顔出してませんでした・・・。
兄弟設定とか欲しいですね。
そうしたら史実武将のいない部分を保管する事も容易になりますからね。
三国�\で孫羌とか作ってみたんですけど、孫堅とかと全く関係ない武将になっちゃいます。
やっぱり親設定・兄弟設定は必須でしょう。
すでに親がいる武将とか除外するのが面倒だったりするんですかね？
コーエーの事だから二重親になってしまうバグとか搭載されそうですね・・・。

2006年01月07日 (土) 12時57分

そうです、「兄弟」でいろんな可能性が開けてきますからねぇ〜　これは大きいですよ。張汎(張遼の兄)とか、龐林(龐統の弟)とか、李邈・李朝・李邵の「李家三龍」とか、鍾離駰(鍾離牧の兄)など、兄弟関係を再現できるようにすればむちゃくちゃ楽しめると思うのですが・・・　ダメかな、コーエーさんよ？

HOME 2006年01月08日 (日) 01時25分

秀吉からすこしとんで、李舜臣を調べたいですね。

だれかいい情報ありますか？

安岡正篤が李舜臣が諸葛亮の崇拝者で朱子学者であったというのを読んだことですね。なかなか他の情報がなくて、蓮池薫氏が小説翻訳しましたが、書店にも少なくて・・・。

では再見！

2005年07月06日 (水) 16時45分

お久しぶりです。

>李舜臣
『孤将』でしたっけ？
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4105757016
このように、非常に評価も高い様子です。

彼の国に「ニュートラルな歴史検証」を求めるのは不毛ですが、日本の戦国武将がどのように評価されているのか、非常に気になると言えば気になりますね。

メール HOME 2005年07月07日 (木) 23時47分

安岡正篤も御用学者臭くてある意味陽明学者としてはどうだろうと思うのですが…個人的には好きじゃないですね。ついでに細木数子の前夫というあたりも…。

まあ、秀吉の朝鮮攻撃も秀吉的には「惣無事令」に朝鮮が違反しているという無茶苦茶な発想だったという説もあるようですが…。

2005年07月09日 (土) 18時37分

オジオンさま

「弧将」かなり評価が高いようですね。まず図書館で。

水野白楓さま

＞安岡正篤も御用学者臭くてある意味陽明学者としてはどうだろうと思うのですが…個人的には好きじゃないですね。ついでに細木数子の前夫というあたりも…。

私はまあまあです。中国史の細かな面白い話を書いているのは陳舜臣氏がでてくるまで、安岡氏のもの位しかないから・・・。その元ネタの資料としてはいいですね。

陽明学者なら日本では山田方谷ですね。それ以降人物は私は安岡含めて小物だらけなような・・・。三島由紀夫は誤解気味な解釈だったようですし。死ぬ理由に陽明学を用いるのは王陽明の学を学ぶ者ではない！と考えますがね〜。

2005年07月11日 (月) 15時31分

>山田方谷

実は私も好きで山田方谷に関する本を何冊も購入しています（個人的にはあと石橋湛山と東郷茂徳が好きですね）。山田方谷は言葉だけではなく、政策も言行一致の人だったと思います。少なくても最近の国会じゃ余り見かけませんね（苦笑）。

2005年07月12日 (火) 12時49分

お久しぶりです。
うおぉぉ〜　難しすぎてよくわかりません（死。

>安岡正篤先生
　すんません、全然著書を読んでません。
私、政治学者か何かだと思っていましたよ。
「狡知会」じゃなかった、「宏池会」とか「平成」とかの命名者として有名ですが、確かに権力者とべったりで、反権力の象徴・「陽明学者」としてのイメージは皆無に等しいですね、私の中じゃ。

>惣無事令違反
　言いがかりというか、口実としてはそうだったかも知れませんが、秀吉の「唐入り」はかなり自覚的であったと思います。
もっと言えば、確信犯的に当時の極東アジアの国際秩序を根本的に組み替えようとしていたというか。
今日の小泉首相程度ではないです。
「日本を安保理常任理事国に」っていうより、
「中共の代わりに日本を安保理常任理事国に」
くらい、ぶっとんだ考え方だったというか。
ただ、手際は悪かったと言わざるを得ませんね。
・女真族居留地への攻撃
・スペイン・マニラ総督への服属要求
とか、明を主敵とするなら明らかに協調できる可能性のあった周辺勢力を進んで敵方に追いやっている訳で。

メール HOME 2005年07月17日 (日) 23時18分

安岡や細木が持てはやされるのは、ひとつは江戸期にあったような教養の伝統が失われたのが大きいでしょう。

亀井勝一郎という人に言わせると「明治以降の政治家は歌もよく読まない！」とか。山縣有朋くらいまでは歌も読めたようですが、昭和初期から現在までは御寒い有り様です。近来ではずいぶん前は大平元首相、故小渕元首相くらいかな。首相就任後に冷めたピザを持って写真に写って見せたのは今の政治家では到底できない糞度胸もあるようですね。

細木さんの大活躍は明治以降、軍国教育と職業教育しか成果のなかったナレノ果てということです。

2005年07月27日 (水) 18時22分

あ、それはいえるかも。
幕末〜明治くらいの志士・政治家も漢詩詠んでたらしいので。

とにかく、調整能力にたけた政治家ばかりが表に出てきて、
本当に気骨のある政治家が表に出なくなったような・・・

まぁ、田中角栄のように漢詩を詠んでみたはいいけど、
韻を踏めていませんでした、ってオチもちょっと困りますけど。

しかし、小渕恵三首相はどんな歌を詠んでいたのか。
ちょっと気になりますね。

HOME 2005年07月28日 (木) 23時56分

小渕元首相の教養は、戦犯として処刑された広田元首相のように、自身の教養のなさを自覚できるほどだったでしょう。広田弘毅は辞世の句を「自身大それた教養がないから」との理由で作らなかったと。「かみそり」と言われた切れ者東条英機氏も辞世の句は素人同様でした。教養に関しては凡人そのものだったようです。それを自覚していた広田氏の方が、教養があったということでしょう。

故小渕氏も大それた物が無いのを自覚できるほどの教養と度胸があったといえます。張ったりと教養が有るふりをする現首相は、度胸とワンフレーズ以外は教養にも問題ありでは？

2005年07月29日 (金) 15時51分

　確かにありました、東条英機辞世の句
［我ゆくも　またこの土地にかへり来ん］

・・・本当に平凡ですね。
英語に訳したら、
「I　shall　return」？

いや、戦国武将たちの辞世の句は格好いいのが多いじゃないですか？
蒲生氏郷
　［限りあれば 吹かねば花は 散るものを 心短き春の山風］
とか、むちゃくちゃ格好いいし。
むしろ、「死ぬ10年くらい前から手ぐすね引いて用意してたの？」
と疑いたくなるくらい、出来のいいのが多い。

しかし、広田弘毅に辞世の句がなかったとは知りませんでした。
よい勉強になりました。
こういう、戦時中の政治家・軍人の辞世の句ってのを
集めてみるのも面白いかもしれませんね。

小泉首相は・・・
オペラとか好きだそうですから、「教養人」のイメージが
ありますが、実際はどうなんでしょうかね？
やはり、だめですか？

HOME 2005年07月29日 (金) 21時13分

ある方でしょうね、小泉さんは。ただ、政治家・特に国家最高指導者としたら、ブッシュジュニアと対して変わらないほどかな？

金大中とか、シラクとかの言動と比べると、落ちますね。先進国のなかでは！

教養があるのではなく、教養がすきである振りをしているような・・？

まあまだ芸術鑑賞できるくらいに、日本の指導者もマシになったというのはいいことですがね。

2005年08月03日 (水) 08時01分

何か、政界の方はゴタついて来てますが・・・

ここで、政治史に残るような名言（古典準拠）を吐いて、
衆議院を解散したら、
　「　○　○　解　散　」
として、公民教科書に末永く名をとどめると思いますが・・・

さて、どういうパフォーマンスを見せてくれるか？

小泉総理の好きな歌劇の演目って何でしょうかね？

HOME 2005年08月06日 (土) 23時57分

今回の解散は小泉さんの「破壊者」としては優秀なところを見せてもらいました。

さて如何変わるかな、日本の政治情勢は。

2005年08月10日 (水) 08時03分

何か、意外に刺激的な台詞がなかったですね。

次は選挙後に、どんな台詞を残してくれるか。
　「是非に及ばず」
なみの名台詞を期待していいのかな？

こういう不謹慎な有権者が多いことがそもそもおかしいのでしょうけど(^^;)

2005年08月16日 (火) 17時28分

むはー。簡鍛さんの書き込みを拝見して、もしや？と思ったらビンゴでありました(^_^)　実は私、発信元の朝日ハルカさんから『三国迷ぐっこのHP』さんに回ってきた時にバトンを受けていたり。ですがお気になさらず、ご指名ありがたく承りますぞ。基本的にそちらで回答したものの再録ですが、一部手直ししてあります。

1.Number of your book about history（歴史に関係する本の所持数）

どの辺まで含まれるのかしら…　WW2のどちらかというと軍事の範疇に含まれそうなのまで入れるとやっぱ数百は行きますよね。そうでないにしても百〜二百はあるのではないかと。そして、オジオンさんの回答を拝見して気付いたのですが新書系を失念しておりました。これを含めるとやはり三百に届いてしまうような気がします。

2.People who patronizes it now（今イチオシの人物）

敢えて今、というのは特にないのですが、常時プッシュしているのが西晋の馬隆。軍事傾斜型のマルチロールファイターにしてエピソードも割と豊富な好漢。『三国時代後期は名将がいないよね』などとは言わせない、晋書馬隆伝を熟読せよ！

3.The battle I remained（印象に残っている戦い）

　■レイテ沖海戦（1944）
太平洋戦争末期に行われた、フィリピンを巡る日米間の一連の海戦。米軍のフィリピン上陸に対して発動された日本海軍乾坤一擲の大博打である『捷一号作戦』、当時残存していた主力艦隊の大部分を多方面から同時侵攻させるという壮大な目論見…は見事に失敗。航空機の援護のない日本艦隊は米機動部隊艦載機の猛攻の前に壊滅的な損害を受け、以後大規模な艦隊作戦の遂行が不可能となったという悲惨な結末に。
また、この一連の海戦とは基本的に別個のものとして語られる『神風特別攻撃隊』もまさにこの時期に最初の突入を開始しており、引き続いて行われたフィリピンへの壮絶な強行輸送作戦（そのほとんどが撃沈された）や孤立した地上軍の末路なども含めて、大戦末期の日本軍が置かれた極限状況の記録は見る者を粛然とさせるものがあります。

で、そもそも印象に残っているのはやはりこれが私の歴史ネタに対するファーストコンタクトだったからでして、小学生の頃に読んだ子供向け文庫にあった戦艦『武蔵』（この海戦で沈んだ大和型戦艦の二番艦）の死闘の描写は子供心に「戦争とはカッコイイ兵器だけのものではない」という認識を与えてくれたものでした。

実はこれも“battle”（戦闘）というより“campaign”（戦役）の範疇に含まれるのかもしれませんが…
“campaign”だと他には西晋の諸王相撃つ『八王の乱』（291〜307）、前秦と東晋の南北大戦『肥水の戦い』（383）、ナポレオン戦争のターニングポイントとなった『イベリア半島戦争』（1806〜1814）、窮地の果てにナポレオンが最後の輝きを見せた『フランス本土戦役』（1814）、太平洋戦争末期、フィリピン失陥によって南方資源輸送ルート遮断が時間の問題となり、今や名ばかりの“航空戦艦”『伊勢』『日向』を中心に貴重な戦略資源を輸送して奇跡的に生還した『北号作戦』（1945）など。

2005年07月21日 (木) 21時19分

4.Five person favorite of me, or that mean a lot to me（好きな、若しくは特別な思い入れのある人物５人）

　■張嶷
三国志から一人選ぶならばこの人物。私のマルチロールファイター好きの血を覚醒させた憎いあんちくしょう。最初に演義でのかませ犬っぷりを見たときはただの雑魚Ａという認識でしかなかったのに、正史での濃ゆい業績と柴練『英雄生きるべきか死すべきか』における八面六臂の壮絶な最期を読んで一気に転ぶ。『三國志孔明伝』での不自然なまでの役立ちっぷりに歓喜し、SLGシリーズで徐々に上昇する評価を見てはﾆﾔﾆﾔするのが俺のｼﾞｬｽﾃｨｽ。

　■王導
晋朝にもおもしろ人物はたくさんいるけれど、他のメンツとのバランスも考えると彼になるかしら。東晋王朝初期の大混乱に際して帝室を見事に守り抜き、また琅邪王氏の繁栄をもたらした人物。宰相としての手腕も確かで、時にしたたかさすら感じさせるやり口など“清濁併せのむ”系の味な漢。『世説新語』に記されたエピソードも豊富で、興味は尽きない。

　■伊達政宗
ミーハーっぽいけど戦国時代から挙げるならやはり彼か。何だかんだでやはりひとかどの人物であったのは確かだし、『伊達者』の名を残した心意気も良し。ただ、反骨精神を生き甲斐にしながらも結局は天下人の掌の上で踊らされていたというか、平地に乱を起こしたがる好戦性がことごとく裏目に出たというか、いわゆる「世が世なら」というシチュエーションで彼の器量は本当に天下に手が届いたのかというのは疑問。
そういうIFの世界に思いを馳せてもなんなので、実際の所は『時代の変わり目を生き抜いた人物』というポジションが私は好き。と言いつつ一番の要因は大河ドラマでの渡辺謙の好演か。あとすまけいも。

　■ラペルーズ
18世紀後半フランスの軍人・航海者。かのイギリスの“キャプテン”ジェイムズ・クックの少し後の時代の人。太平洋全域および日本海・樺太の探検を行い、ヨーロッパ人として初めて宗谷海峡を通過した。ちなみに現在でも海外の地図では宗谷海峡は『ラペルーズ海峡』と記されている。その後太平洋上で行方不明になり、本国でのフランス革命〜ナポレオン戦争と続いた混乱が明けた後に探索隊により遭難が確認された。

大学図書館で偶然見つけた彼の航海記の和訳（部分）を読んで非常に興味をそそられた。当時（18世紀末）鎖国状態だった日本に対する知識に乏しいヨーロッパ人が見た日本の描写が面白い。洋上から見たとある島の「絞首刑台のような建築物」の挿絵が描くのは明らかに“神社の鳥居”であり、交流のない異文化理解のサンプルとしてとても興味深い例をいくつも見ることができる。

参考までに
　小林忠雄編訳『ラペルーズ世界周航記　日本近海編』白水社　1988
また、
　エティエンヌ・タイユミット著　増田義郎監修『太平洋探検史−幻の大陸を求めて』創元社　1993
でもラペルーズについて一項を割いて触れている。

　■ナポレオン・ボナパルト
最初は漠然と『フランスの英雄・戦争の天才』といったイメージしか抱いていなかったが、調べるにつれてむしろ彼のマイナス面に興味がシフトしてきた。つまるところ彼も聖人君子ではけしてなかったのであり、また感情の起伏の激しさはやはり常人とは一線を画している。彼の絶大な自信が現実と乖離して次第に空回りしてゆく経緯が興味深い、というのは少々意地の悪い見方だろうか？

というわけで、今のオススメは月刊「ヤングキングアワーズ」連載中の長谷川哲也『ナポレオン　獅子の時代』（少年画報社）。ナポレオンの「性格の悪さ」を活写している。しかし連載は現在フランス革命恐怖政治期のクライマックス近くであり、ロベスピエールはじめ大革命の錚々たる面子がこれでもか、とばかりのアツい存在感を振りまいている。

5.One-Five people to whom I'm passing the baton（バトンを回す人１〜５人）

むー。実はですね、私も先だって回答したときにオジオンさんにバトンを渡そうかと考えたりもしたわけでして。クロスカウンターでおあいこ（なのか？）ってとこでひとつ。

2005年07月21日 (木) 21時20分

うーん

馬隆ですか。あと文淑とかも面白いかな？もっと調べてみたい。

張巍・馬忠が私も最近のゲームではニンマリしてます。

あとは陶淵明自慢の曽祖父陶侃にも興味が。

で欧州はいつもの様にマリア・テレジアです。が日本では最近はオーストリア宮廷料理人の資格を日本人が初めてとった位しか話がない。ただ「ハプスブルク家の食卓」という本が結構面白いですね。

日本近現代史は「責任・ラバウルの将軍今村均」これを靖国問題とかそういう機会に再び紐解きます。

2005年07月22日 (金) 07時41分

お手数をおかけしましたm(_ _)m

しかし、よくよく考えてみれば玉川様ほどの歴史に通じた方が今までスルーされてきたわけがないか(^^;)

>かっこいい人物は一杯います
　張嶷・馬隆・馬忠とかもいいし、王導も前出の３人の野戦指揮官たちとはまたちがった魅力にあふれていますねぇ〜
　他にも、戦国時代だと有名どころでも佐竹義重とか蒲生氏郷とか、陸奥宗光とか他にも有名どころだけでもいくらでもいますねぇ〜
　ラペルーズとか、全く知りませんでしたから本当に勉強になりました。あと、戦闘(battle)、会戦(campaign)、戦争(war)はそれぞれ似ているようで実は全然違ったりしますからねぇ〜
この辺、史料に乏しい古代〜中世くらいの戦争についてはなかなか挙げづらかったですよね〜

2005年07月22日 (金) 21時15分

大学の図書館で史記を読んでて思ったのですが、項羽や英布といった武将の子孫はどうなっているのでしょうか？
そういえば三国志で「項」や「英」が性の武将は見たことが無いような気がして、ふとそんなことを考えてしまいました。

劉邦が2人を滅ぼしたとき一族を皆殺しにしたって記述も無かったと思うのですが･･･。
殺されはしなかったけど庶民に落とされて、歴史の表舞台から消えていったとか、そんな感じなのでしょうか？

2005年04月28日 (木) 23時34分

こんなのを見つけました。文章転載不可だそうなので、URLのみ載せます。
有名なわりに項羽や英布の子孫については出てこないですね・・・

http://kanso.cside.com/kouu-itizoku.htm

これによると、項羽の子孫かどうかはわかりませんけど３人は漢に仕えたようです。
・・・確かにその後が気になりますね。

2005年04月29日 (金) 10時27分

『正史・三國志』（ちくま学芸文庫）より

確かに、英姓の武将は見つかりませんでしたが、項姓の人物は一名発見できました。

項竣（呉将）
呉の郎中。孫権の代の末年、太史令・丁孚とともに『呉書』の編纂にあたったが、両名共に歴史家としての天分に欠けていた。（「薛瑩伝」から）

とあります。
もっとも、これは薛瑩をヨイショするために華覈が孫晧に上疏している文章から引用した内容なので、鵜呑みには出来ません。
現に、孫邵（呉の初代丞相）は『呉書』（韋昭）に立伝されてしかるべき功績のある人物ですが、韋昭は（派閥争いでの保身のため）「孫邵伝」を立伝していませんが、項竣の『呉書』には「孫邵伝」があったようですし・・・

メール HOME 2005年04月30日 (土) 02時03分

項竣･･･知らなかったです。
しかも項梁や項羽のイメージとはかけ離れた文官一直線な感じですね。

英雄の子孫、やっぱり気になります。

2005年04月30日 (土) 18時27分

呉の孫皓の子孫はその後どうなったのでしょうか？
劉備の子孫は西晋末の混乱下で壊滅してしまったのは有名な話ですが…。

2005年05月15日 (日) 17時05分

こんなサイトがありました。
http://f27.aaa.livedoor.jp/~sonpoko/index.html
ここの孫晧伝の最後にある「孫家・その後」によると、数人晋で働いているようです。
詳しくはリンク先を見ればわかると思いますが・・・。
孫晧の子孫に限って書いてあるわけではないですが、どうぞ。

2005年05月16日 (月) 16時36分

孫一族の方は出仕したり、反乱に担ぎ出されたりする人物がいたんですねぇ〜
蜀の劉一族は全くお呼びがかからないところが・・・
まぁ、地縁も血縁も無いから仕方ないと言えば仕方ないのですが。

メール HOME 2005年05月18日 (水) 00時49分

＞しかもその時、「姜維が少年時代を過ごした故郷を攻撃していた(苦笑)」のですよ。

最近、PHP文庫で「馬超」という題の小説が出ていたのを見たのですが。この記述に該当するシーンは「第５章・流浪」という章でした。
どうもこの本では、その章で詳しいところの、楊阜・姜叙・趙昂といった「姜維が少年時代を過ごしていた頃の故郷の大人達」に敗北を喫したシーンでも、当の姜維のことは、全く描写していなかったようですが…。
うーん、なんと同じシーンで「ホウ徳が馬超・馬岱と別れてしまった」ように書いてありましたよ(苦笑)。

確か本来は、ホウ徳も張魯治下の漢中に来ていたことがあって、曹操が漢中に攻めてきた時に投降したのでしたよね…？

2005年02月24日 (木) 19時01分

ああ、この本ですか。
（馬超＝騎馬隊を率いて最強）

確か、煽り文句がちょっと・・・
熱烈な蜀ファンを自認するオジオンでもちょっと引いてしまいますね、あの煽り文句は。

龐徳は仰る通りです。
馬超が漢中に客将として逗留中に曹操の攻撃を受けたのですが、その時に降っていますね。
龐徳は高幹討伐戦でも楽進や李典を敗走させた郭援を討ち取るなど、抜きん出た武勇を誇っていたので案外馬超の不甲斐なさに愛想を尽かしていたのかも知れませんが(^^;)

メール HOME 2005年02月25日 (金) 02時36分

私もコレ読んだのですよ。どうもホウ徳のキャラクターが妙な扱いになっていましたね。

馬超とは初対面の時から微妙にウマが合わないような関係に描かれていましたが、例の決別のシーンも「曹操に降ることを決意したホウ徳が手土産に馬超を騙し討ちしようとして失敗、遺恨を残したまま去る」という感じでしたわね。私はことさらにホウ徳を贔屓するわけではありませんし、馬超との間のミゾというのもお話のネタとしては面白いと思うのですが、どうもここでは彼が矮小化されたキャラクターに描かれているような感がありました。

冀城の攻防戦では楊阜一党の暗躍にページが割かれていました。もっとも今回のお話で姜維が出てこないのは仕方ないですが…

張飛の「バカっぽさ」を示すというエピソードもどうかなあ、と。この小説としては劉備軍団の気風と馬超の親和性が後半の鍵になっていますが、それを示すのに適切なものだったとはちょっと思いがたいものがありました。

でもこの小説、かの劉雄鳴のエピソードがまるごと入っていたりします(^_^;)

メール HOME 2005年02月27日 (日) 11時43分

>馬超と龐徳
　少なくとも、馬超は龐徳を高く評価していそうですよね？
龐徳だって、何も積極的に馬超を裏切った訳ではないですし。彼の最期（降伏拒否）を考えれば折り目正しい人物だというのは想像つきますしね。

>張飛
　これも勘違いしている人が多いですね。張飛は馬鹿なんじゃなくてサディスティックなだけです。あと、断じてロリコンじゃないはずだ！！！


・・・と思いたい(^^;)

>劉雄鳴
　渋すぎる〜
うちの保管庫に格納されている登録武将の中では一番知名度の低い部類じゃないでしょうかね？　投降して下さったＳＭＡＳＨ様に感謝ですよ。

メール HOME 2005年02月27日 (日) 19時26分

この手の本で、関羽がでたとか。最近PHPは良く出すな〜。

2005年03月08日 (火) 08時14分

戦国時代関連はともかく、三國志関連は地雷の可能性が高いと思います。
関羽とか、呂布とか、虚実取り混ぜて逸話が伝わっているので史料性を重視したい読者からはウケが悪くなりそうな

メール HOME 2005年03月09日 (水) 02時56分

もし、蜀天下取りif小説があるのなら…。

対峙する馬超率いる蜀軍と龐徳率いる魏軍。
そこへ龐徳の許に馬超から投降を勧める使者として馬岱が送られる。
だが、龐徳は馬岱の説得に首を振らずに一言。
「それがしは既に陛下（曹操…既に漢から帝位を簒奪した設定）から受けた御恩がある。だが、孟起殿からの旧恩も忘れるわけには行かない。ならば、明日先陣を承って奮戦する事で陛下への御恩返しとし、明日蜀軍に討たれて孟起殿の手柄とさせることで旧恩をお返ししたい」
かくして、翌日龐徳は壮絶なる戦死を遂げたのであった。

2005年03月29日 (火) 18時05分

水野白楓様

その方が実に龐徳らしい最期ですよね。
if小説はいろいろありますが、そういう展開のってありましたっけ？
是非、そういう展開のif小説を読んでみたいです。

・・・
各々で書くのが一番手っ取り早いのですが、やはり文才が無いと難しいですわな。　

メール HOME 2005年03月31日 (木) 01時56分

実はその妄想は元ネタは後藤又兵衛の話なのですが、どちらかというと龐徳の方が相応しいと思いましたので使わせて貰いました。個人的には正史の黄権のエピソードを陳群に対するもの（夷陵の敗戦がないから）にしたりと妄想だけは広がります。

2005年04月23日 (土) 21時21分

>後藤基次（又兵衛）
　ありゃ、彼って伊達家の片倉重長に討ち取られたんじゃ？　とか思ってしまうのですが、これって勘違いですかね？

メール HOME 2005年04月25日 (月) 00時27分

もう少し細かく説明すると、大坂夏の陣の時武勇を惜しんだ家康から自分とあなたは元々争う関係でないのだから東軍に降れば厚く遇したいという手紙が送られた時に使者に対して後藤又兵衛が「先陣をもって秀頼に恩を返し、初日に討たれて徳川軍の憂いを無くす事で家康殿の行為に報いたい」と述べたそうです。
その割には渋江政光（個人的には「信長」シリーズで佐竹の軍師として出なかったのが不満）とか奥田忠次（忠高の息子と言っても誰が思い出すのだろう…）とか死ぬ間際まで結構首を討ち取ったわけなのですが…＞後藤

2005年04月29日 (金) 11時59分

ああ、
　家康→←又兵衛
のやりとりだったんですね？
私はてっきり、
　長政→←又兵衛
の、やりとりだとばかり。

この両名は年齢も近く、一緒に育った武張った君臣ということで、馬超・龐徳を連想してしまったのですが。

奥田忠次（忠高の息子）　
　全然知りませんなぁ〜、確かに。
渋江政光
　ただ、こっちは判ります。
以前に玉川雄一様からご紹介頂いた『雪の峠』（岩明均）の主人公とも言える渋江内膳のことですね？
こいつ、後藤又兵衛に討ち取られていたとは・・・

メール HOME 2005年04月30日 (土) 01時33分

ちなみに奥田忠高は信長の「戦国群雄伝」「武将風雲録」「覇王伝」に出てくるとても1602年まで生きたとは思えない斬首候補です。

2005年04月30日 (土) 19時14分