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| 参議院選挙まで１か月、日本の現状を憂う | |
| [37] 2016年06月10日 (金) 03時46分 管理人 | |
| 2016年参議院選挙が近づいている。7月10日の投開票で実施される予定だ。参議院選挙の争点などについては後日また取り上げようと思うが、現政権についての評価や公約について考える前に日本社会の現状について少し考えてみたい。 4月に熊本で大きな地震が発生した。天災は忘れた頃に起こると言われるが、東日本大震災から5年が過ぎ、震災が風化しつつある中で大地震は起こった。被災した人々の苦難や犠牲になった人たちのことを思うと胸が痛むが、突然の困難におそわれても、整然とした人々の様子にこの国の素晴らしさを改めて感じた。困難な任務に当たる、警察や消防、自衛隊には頭が下がるし、政治も与野党問わず協力し結束して対処するという意思を感じる。また大勢のボランティアが全国から集まり活動している。復興までには時間がかかるだろうが、きっとこの国の人々なら、再び今まで以上の世の中を作れると確信している。 東日本大震災の被災地の復興もまた道半ばだが、ゆっくりとではあるが着実に前に進んでいるように思える。その一方で、家族を亡くし時計が止まったままのように前に進めない人がおり、福島では今でも事故を起こした原発と奮闘する人々がいる。多くの国民も決して震災を忘れてしまったというわけではないだろう。人々の記憶に深く刻まれているのではないかと思う。だがやはり関心が低くなってきているという事実は否定できない。 少し前に気になることがあった。「日本■」と題したブログが話題になったことだ。マスコミや国会でも取り上げられ、一部マスコミや政治家は共感する声が多いと好意的に取り上げている。個人的には言っている内容はともかく、「日本■」という文言が使われていることに不愉快になったが、どうやら世の中ではよく言ったという声もそれなりに多いらしい。「■」という表現はネット上ではよく使われており、違和感を感じない人が増えているのかもしれない。待機児童問題が大きく取り上げられるためにあえてそういった乱暴な表現を使ったが、表現は正しくなかったということなら、まだ投稿者に理解はできる。だが多くのメディアでは待機児童の数が表面上減らないことや、国会でのヤジの質の問題にばかり焦点を合わせていて、「日本■」については特に問題がないかのようだ。むしろ投稿者を礼賛するような報道があふれていることにこの国の世論をリードする人たちの一部に対して不信感を覚えた。 震災の風化という言葉を聞くが、結局この国の少なからぬ人々は、喉元過ぎれば熱さを忘れるで、緊迫した状況が去り、平和な日常が戻れば過去の苦難は忘れて、「■」すら肯定してしまうのではないか。今の平和な日常がずっと続くとでも思ってしまうのではないか。国民がバラバラに言いたいことを好き勝手に言っていれば良いと思っているかのようだ。実際には今の日本は、危機感を持って様々なことを実行したから、もうすぐ日本が破綻するかもしれないという状態から脱し、やっと一息つけている状態だと思う。実際に保育の問題は少子高齢化対策という点で重要だし、他にも課題は多い。しかし不満ばかり言って政治はだめだ、日本はだめだと言っているだけでは、また危機が訪れるのは目に見えている。何もやらない政治や低レベルな行いをする議員には当然批判が必要だ。だが何でもかんでも批判し、実行力のある政権の足までも引っ張るようなことを続けていれば、また、政局が不安定になり、何もやらない政治に逆戻りし、すぐにいつ日本が破綻するか分からないような状態に戻るのではないか。 大事なことは、真っ当な批判をするのは当然のことだが、何でもかんでも批判ばかりしていればよいというわけではないということだ。政治が再び不安定になり、何も実行できなくなればすぐに経済は悪化し雇用状況は悪化し、減少してきた自殺者数もすぐに増加し、将来に対する不安ばかりになり、そしていつの日にか実際に国家破綻のような日が訪れるということだ。高齢者は山に捨てられ、中年は街で乞食、若者は海外で重労働・・・。やがて、貧しさに不満が高り、人々が生存できるか危機感が高まったところに独裁者が現れ、戦争に突き進む、歴史はそれを証明している。そんな姿を想像してみたらいい。大事なことは批判すべきは批判するが、日本が完全に復活の軌道に乗り、昔のように政治が大した仕事をしなくても大丈夫という世の中になるまではもう少し団結が必要だと思うのだがどうだろうか。 今の安倍政権の政権運営については完璧ということはないだろう。そもそも実際の政治の世界は高度で複雑で、すべての国民が納得できる政治など現実に存在しないだろう。個人的にはその実行力や日本をなんとか復活させようという姿勢は支持したい。民主党政権時代や政権を取られる前の自民党政権時代のような体たらくが再現されるようでは日本人はいつか奈落の底に突き落とされることになるだろう。政治がリーダーシップを発揮すれば、今ならまだ日本崩壊を防げると思う。 安全保障法制に関する議論では、自分の意見と違うものは排除するかのような主張が横行している。まるで世の中の分断を望んでいるかのようだ。日本の良さは「和」を重んじるところだと思うが、少し世の中が安定すればすぐに対立しているようでは、いずれ危機に見舞われて、国民の暮らしが脅かされることになるだろう。 もちろん、意見を表明することは特別なことではないし、まして悪いことではない。和を重んじるばかりに自分の意見が言えない世の中が良いわけがない。大事なことは自分の意見を主張するなら、自分と違う意見も理解し尊重する姿勢だろう。その基本が忘れられているのではないだろうか。この豊かな社会を守る、将来も安心できる日本にしたいという点ではおそらく誰も異論はないだろう。その共通の認識もと、当サイトではより良い社会を目指して様々な意見を求めたいと思う。大きな災害の前では、皆が協力し助け合うことが大事で、右や左といった、考え方の違いなどは大きな問題ではない。自分と違う考えの人を排除してしまうのではなく、多様な意見に耳を傾け、より良い結論を導き出せる成熟した社会。今回は選挙について語る前に、社会の基本的なあり方について、意見の投稿をお待ちしております。 |