トロンボーンさん、みなさんこんにちは。
少し見方を変えて、「感染症において、患者が激増し始めてから下降に転ずるまではどのくらいの期間か」というのを見てみます。
新形コロナウイルス感染症は、言うまでも無くコロナウイルスによる感染症で、上気道から特に肺に重篤な障害を起こして、最悪死に至るものです。
この種の感染症に、人類は繰り返しさらされてきたのですが、今のところそれらによって、「滅亡」には至っていません。
そのためおそらく今回の流行も、いつかは必ず終息するときが来ます。
それで、ここ10年ちょっとの間で流行した感染症に着目して、「患者の激増が始まってから下降線をたどり始めるまで」はどのくらいの期間なのでしょう?。
http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/diseases/flu/flu/少し下にグラフがあります。これはインフルエンザのここ数年の流行を示しています。青い線が2018年シーズンで、このところでは激発年になりました。
これで患者の激増が始まったのはおおよそ54週目。ピークから下降を始めたのは5週目あたりです。緑の線で見ても同様です。
そうすると、インフルエンザの一番警戒するべきはおおよそ1ヶ月ちょっと、ということがわかります。もちろん、ピークを外して感染することもありますから、いつも警戒は怠れませんが、一番危険なのはだいたいそのくらいという目安にはなるでしょう。
https://www.forth.go.jp/topics/20191112.htmlコンゴ共和国における「エボラ出血熱」のデータです。
これで見ると、やや顕著なピークは見えにくいですが、おおよそ11-Mar(3月11日)から患者の激増が始まり、13-May(5月13日)に一度下降に転じています(赤色の地域が顕著)。その後他都市の増加でもう一つ山がありますが、おおよそ2ヶ月程度かかっています。エボラの場合は、医療体制が脆弱な国で発生しており、グラフであまり明確なピークが見えないのはそのためかもしれません。
http://idsc.nih.go.jp/disease/swine_influenza/2009idsc/09idsc22.html2009年に大流行した新形インフルエンザH1N1のグラフです(上から2つめを見て下さい)。この棒グラフでは赤色が新形ですが、急な増大が見られるのは27週でしょうか。下降に転じるのはおおよそ35週に見えます。そうするとその間はおよそ2ヶ月ですね。
その他SARSも見ましたが、やはりおおよそ2ヶ月で激増−ピーク−下降をたどっています。
これらからすると、今回の新型コロナウイルス感染症も、激増が始まってから2ヶ月くらいたつと、さしものウイルスも感染者がかなり減り始める(終息ではありません)のではないか、と推定できると思います。
今の日本は、おそらく激増期に入ったところと思われます。検査を国策で絞っているので、実数はわかりませんが、傾向としては同じだと思われます。そうすると、これが下降に転じていくにはおおよそ2ヶ月くらいではないかと推定できます。つまり5月下旬くらいに峠を越えて行くのではと思いますが…。
もちろん、非常事態宣言による強力な外出自粛などの条件の変化があれば、より短くなる、あるいはピークが低くなるなどはあると思います。
あまり確かなことは言えませんから、過去のデータからのだいたいの推定とお考え下さい。また、「感染の開始から終息までの期間では無い」ということにもご注意下さいませ。