No.4301  投稿者:nekohon   投稿日:2025年03月11日 (火) 07時30分

それにしても便利な世の中になりましたね。

この間、ある人の名前を度忘れしてしまいました。顔も声もありありと思い出せるのに、名前が思い出せない、「吉村さんじゃなくて・・・ええと」（私も歳か？汗）

こんなときはAIに聞くのが早いです。
「弁護士で、元大阪府知事で、子供がたくさんいる人の名前は？」
Copilotがたちまち答えてくれました。
「その方は、橋下徹さんです。橋下徹さんは元大阪府知事であり、現在は弁護士として活動しています。また、彼は7人の子供を持つ父親でもあります」
今の時代は、多くの事柄について、誰でも正しい答えを簡単に得やすい世界になってきました（AI利用はまだ限られますし、結構間違えますから全面的に信用はできませんが）。
そういえばどこかの偉人が、「もっとも利口な人とは、どんなことについても、誰に聞けば正しい答えを得られるかを知っている人のことだ」といっていたような記憶があります。
が、誰の言葉か覚えていません。
CopilotもGeminiも、誰の言葉かは答えられませんでした。

なら、そんなことを言いそうな偉人といったらソクラテス/プラトンあたりかなと、うちにあるプラトンを読見返してみました。
『ソクラテスの弁明』でソクラテスはたしかに、「自分が何も知らないということを知っている人こそ最も賢い人間である」という意味のことを言っています。
でも、「誰に聞けば正しい答えを得られるかを知っている人こそ云々」とは言っていませんでした。
ソクラテスではなかったか・・・

すごく久しぶりのプラトンが面白かったので、うちにある本を全部読んでしまいました。『ソクラテスの弁明』のほかは『饗宴』『ゴルギアス』『国家』しかありませんけど。

そう、最初は面白かったのです。
でも、『国家』を読み終えた頃にはなんか憂鬱というかガッカリというか。

だって。
人間って、ソクラテス/プラトン時代から全然進歩していないどころか、むしろ退化しているんじゃ！？

彼等が生きていたのは今から2400年くらい前。文明は驚くほど進化しました。
しかし、肝心の人間は精神サッパリ。
なぜ？
知識や技術は蓄積できるものだけど、ヒトがオギャアと産まれて頭が固まるまでの学習期間は2400年前とあまり変わらないのだから、仕方ないと諦めるべきなのか・・・

最近、人間性がむしろ退化してきているように見える要因のひとつとして、SNSがあると思います。
ネットが発達する前は、世の中に意見を発表できる人は限られていました。それら選ばれし人々は、本音を隠し建前を発言する人が圧倒的に多かったでしょう。

ところがSNSが発展して個人が「匿名で」本音を世界に向けて発信できるようになってしまいました。
その結果、今まで建前（きれいごと）ばかり聞かされてきた人たちが、どす黒い考えを持っているのは自分だけでは無いと気づいてしまった。
むしろ「どす黒い」が多数派な場合もけっこうあって。
その一方で、建前とか「盛り」もめちゃ多いですから、もう何が真実で何が虚偽だかわからない。
それで世の中、こんなゴタゴタしてきちゃったのかなあ、なんて思わずにいられない、今日この頃です。