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イオンとアニスとアリエッタ。
月由梨 棗(管理人)
注意。
現在管理人はキャラそれぞれの口調がはっきりつかめていません;;
なので口調が変だったりするかもしれませんが、軽く見逃してください。
それと、管理人の妄想からできた小説です。
アリエッタとアニスが普通に一緒に行動してます。
イオンの導師守護役を一緒にやってます。
そんなのでも宜しければどうぞ。

+     +     +     +


「イオン様〜!お茶を淹れたんですけど飲みますかぁ?」

一室の宿の部屋に、元気な少女の声が広がった。
その少女の名前はアニス・タトリン。
少々癖毛なこげ茶色の髪をツインテールに結っている。
少女の声を聞いて、本を読んでいた少年が顔を上げる。
「あ、はい。頂きます」
その少年の名前はイオン。ローレライ教団の最高指導者である。
深緑色の髪を顔の横で纏めており、頭の後ろでは短めの髪の毛が特徴的に撥ねている。
「はぁ〜い、どうぞ♪」
そう言ってアニスはイオンが座っていたソファの前にあるテーブルにお茶を置く。
「ありがとうございます、アニス」
イオンは優しく微笑みながら、お茶を手に取り、口に運ぶ。
「どうですか?お茶ってあまり淹れたことないから自信ないんですけど〜・・・・」
「いいえ、美味しいですよ。アニスはお茶を淹れるのが上手ですね」
「はぅあっ!本当ですか〜!?イオン様に褒めてもらえるなんて、私嬉しいです♪」
イオンの反応を見て、アニスが大袈裟なくらい嬉しそうにする。
「ええ、本当に美味しいですよ。アニスも一緒に飲みませんか?」
「飲みますぅ♪是非ご一緒したいです♪じゃあ、私の分を持ってきますね」
そう言ってアニスが扉の方に近づいていくと、いきなり扉が開いた。
ゴンッ!という鈍い音と共にアニスがその場にうずくまる。
どうやら扉に額をぶつけたらしい。
「はうぅ〜・・・・痛いよぅ・・・」
そして扉を開けた人物が遠慮がちに入ってきて、アニスの様子を見て思わず声を漏らした。
「あ・・・・」
今入ってきた少女はアリエッタという。
綺麗なピンクの髪を背中まで伸ばして、頭に帽子を被っている。
そして、いつもぬいぐるみを手に握っている。
痛みを堪えながら顔を上げて、扉を開けた人物を見たアニスは、勢いよく立ち上がった。
「あぁぁ〜!根暗ッタ!今の痛かったんだから!」
「ね、根暗じゃないもん・・!アニスのばかぁ!」
「うるさい〜!静かにしてよ、根暗ッタ!」
「また根暗って言った・・・・!アニス嫌い〜〜!」
いつものように導師守護役同士の言い争いが始まる。
それを微笑ましく見ていたイオンだが、やがて止めに入る。
「アニス、アリエッタ。駄目ですよ。ほら、アリエッタも一緒にアニスが淹れたお茶を飲みましょう?」
「イオン様と一緒なら・・・・アリエッタも」
「じゃあ、アニス。アリエッタの分もお願いします」
「はぁい。わかりました〜。本当は根暗ッタの分なんてすご〜く嫌だけど、イオン様が言うんだから淹れてきまぁす♪」
しぶしぶながらも了承してアニスは出て行こうとする。
「あ、アニス。アリエッタのお茶に変なもの入れないでくださいよ?」
「え・・・い、嫌ですね〜、イオン様。アニスそんなことしませんよぅ♪」
少し慌てたような顔をして、アニスは笑って誤魔化した。
「・・・・でも、アニスには前科があるので、大丈夫かなと思いまして・・・」
「だ、大丈夫ですよぅ。イオン様ったら心配性〜」
「そうですよね。それでは、お願いしますね」
「はぁ〜い♪イオン様、アニスが戻ってるくるまで、根暗ッタに気をつけてくださいね!」
念を押して言ってから、アニスは厨房の方へ向かっていった。
「あ・・・・アリエッタ、なにもしないもん!」
「はい、わかりましたから、一緒に座って待ってましょう?」
「・・・・・はい」


そして10分後に、アニスは急いだ様子で戻ってきた。
「イオン様ぁ〜!只今戻りましたぁ〜♪もう、大変だったんですよぅ。トクナガが間違ってお茶を零しちゃって、私が代わりに怒られちゃったんですよぅ!しかも、後片付けまで私がやったんですよ!もう散々でした〜。その後、また淹れ直したんですけど、イオン様、まだ飲みますかぁ?」
いつものように一気にベラベラと喋るアニスを特に気にした様子も無く、イオンは微笑んで頷く。
「はい、頂きます。アニスとアリエッタとも一緒に飲みたいですから」
「今度も美味しいかどうかわかりませんけど。急いでたので」
「いいえ、きっと美味しいと思いますよ。アニスが淹れたんですから」
「そうですかぁ?じゃ、2人分用意しますね〜♪」
2人分、とさりげなくアリエッタを抜かしてカップを用意する。
「あ、アニス!・・・アリエッタの分も用意してよぉ!」
それに気がついたアリエッタが慌てて大声を張り上げた。
「・・もぅっ!根暗ッタ、うるさいよ!イオン様とアニスで十分だよ。根暗ッタはお茶飲めないでしょ?」
「アリエッタも飲むもん!アリエッタだってお茶飲めるもん!それと、アリエッタは根暗じゃないんだからぁ!」
「あ〜、もうわかったよ。だからあまり叫ばないでよ!・・・・・・・・・・根暗のくせに」
最後に毒づくアニスの言葉は聞こえなかったのか、アリエッタはイオンの隣に座った。
その2人を見て、いつものようにイオンはにこにこと笑っている。
「イオン様〜、お茶が入りましたぁ♪」
「ありがとうございます」
イオンがお茶を受け取るのを確認してから、アニスはアリエッタの方をみて口を開いた。
「・・・・・・・・・・・・あ、根暗ッタも飲むんだっけ?根暗オーラに紛れてて見えなかったぁv」
「アリエッタ根暗じゃない・・・・根暗じゃないもん!」
「はいはい、え〜っと、これでいいか。はい、どーぞ。さっさと飲んでよね」
「・・・・・・・・・・」
黙って受け取って、アリエッタはカップの中身を眺めた。
「どうしたの、根暗ッタ?お茶は飲めるんだよね?」
「・・・・・・・・・・・・」
「やっぱり飲めないんじゃないの〜?お子様〜♪」
「お子様じゃないもん!・・・・・だけど、これお茶の匂いがしないんだもん」
その様子を見ていたイオンは、アリエッタのカップの中身を覗き込む。
「あれ、アニス、これは・・・・・・・お茶・・・・ではないですよね?」
「えぇ〜、お茶ですよぉ?イオン様まで酷い〜!」
「え、でも、これ・・・なんか、黒い色してますよ」
そう、アリエッタのカップに入っているのは黒い液体。
「う〜ん、じゃあ、イオン様のために教えてあげま〜す♪これは、コーヒーで〜す♪」
「・・・・コーヒー?」
「あ、もしかして、コーヒーというのは最近非常に人気な飲み物のことですか?・・・・でも、これは高くて気軽に買えるものではないですよね?それこそ上流貴族の方たちは好んで飲みますけど・・・・」
「ふふ〜♪このアニスちゃんがどうやって手に入れたかというと・・・・・厨房にあったからですv」
「アニスがお金を出したんじゃないの?」
「もう、コレだから根暗は。私はこんなもののためにわざわざお金は出さないよ」
「・・・アニス、厨房にあったのはわかりましたけど、なんでアリエッタに?」
「そんなの決まってますよぅ。味見です。これは結構苦いと聞いたので、そんなもの簡単にイオン様に飲ませるわけにはいかないじゃないですかぁ♪」
「でもアリエッタのに入れるなんて酷いっ!アニスが自分で飲めばいいのに!」
「この可愛くてキュートなアニスちゃんは苦いものとは無縁なの!」
「アリエッタだって苦いのは苦手だもんっ!」
また言い争いをはじめそうになった二人を見て、イオンが止めるように二人の間に入る。
「じゃあ、僕が飲みます。それでいいですか?」
「駄目ですぅ!」
「ダメぇぇっ!」
「は、はい・・・・」
同時に怒鳴られて思わず数歩後ろに下がる。
そこで更に激しくなった言い争いにどうしたものかと困っていると、いきなり扉が開いた。
「アニス、アリエッタ、イオン様。そろそろ出発しますよ」
入ってきたのはジェイド・カーティス大佐。
「あ、は〜い。しょうがない、お茶は今は諦めて、また今度飲みましょうね!イオン様♪」
「あ、ずるい、アニス〜!アリエッタも一緒だもん!」
「おやおや、お茶ですか?では今度、是非私もご一緒したいですねぇ」
「はい、そうですね!皆さんで飲んだ方が美味しいと思いますし」
「じゃあ、これはここで解決、ということで。行きましょう」
「はい♪イオン様、先に行ってますね〜♪」
「・・・アリエッタも呼ばれてるから、先にいきます。イオン様、じゃあ」
「はい、二人ともまた後で。・・・・・・・ジェイド、助かりました。いいタイミングできてくれましたね」
「ええ、もちろんですよ。・・・なんたって怒鳴り声が響いて廊下まで聞こえてましたから」
「・・・・・・喧嘩するほど仲がいいって言葉は、本当なんでしょうか」
「本当なんじゃないですか?こちらからは微笑ましく見えますしねぇ」
「そうですね。二人とも、いつも楽しそうに僕は見えます」

廊下からは、また怒鳴り声が聞こえていた。




+あとがき+

物凄く長いですが、ようやく書き終わりました。
どうやって終わらせようかと悩んでいたんですが、ちょうどいいキャラ、ジェイド大佐がおりました。
そしてこのお方のおかげでストーリーがちゃちゃっと進み、ぱぱっと終わりました。ジェイド大佐、感謝!
[9] 2005年12月22日 (木) 18時35分



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