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隠れた優しさ。 (シンイオシン?)
月由梨 棗(管理人)
「ボクはお前が嫌いだよ」
その一言に向けられた相手は。
「僕は・・・・・あなたのことは嫌いではありませんよ」
導師イオン。七番目のレプリカ。
では言葉を放った相手は。
「ボクは嫌いなんだよ。別にお前のことは聞いてないしね」
六神将。烈風のシンク。
「ええ、わかっています。でも、言っておこうと思って」
イオンは物腰柔らかな物言いをするが、シンクは反対に棘のある言い方をしている。
「必要ないね。どうせボクらは敵なんだ。顔をあわせるとしても戦場だよ」
「・・・・僕は、それを望みません。戦いを止めて見せます」
そう断言するイオンに向かって、シンクは馬鹿にしたように笑った。
「ハッ!そんなことお前にできるわけがないだろ?導師のレプリカで完全体じゃないお前がさ。少なくとも、ボクよりは有能だけどね」
「・・・・・・・・そうですね。でも、僕が完全ではなくても戦いは止めます。導師イオンとしてではなく、今ここにいるイオンとして。これは導師の意思ではなく、僕の意思です」
「ふん。どっちにしろ止められないだろうけどね。そんな体でなにをするって?ダアト式譜術を少し使っただけで倒れるようなお前がさ」
強い口調で言うシンクを前に、イオンは相変わらず微笑んでいる。
「・・・僕のことを、心配してくれているんですか?」
僕が無理をしないように、と付け足して。
「そ・・・・んなわけないだろ。ボクがお前を心配する必要がどこにある?」
「でも、僕にはそう聞こえたんです。あなたがそう思っていなくても、僕はそう受け取りました。ありがとうございます」
「勝手に言ってなよ。ボクの知ったことではないからね」
そっぽを向くシンクは、心なしか顔が赤くなっている。
でもそれにイオンは気がつかない。
「僕は、あなたがいなくなるのは悲しいですから。・・・シンクの代わりは、誰も務められません。誰も、代わりなんてできないんです。だから、僕はあなたに戦って欲しくない」
「・・・・そんなことはわかっているさ。それに、僕はやられるようなヘマはしないね。お前と一緒しないでくれない?」
「そうですよね。・・・・僕とは、違いますよね。体が弱くて、皆さんの足手まといにしかならない僕とは」
今まで微笑んでいたイオンから表情が消え、悲しそうな表情になった。
それを見て、シンクが少し焦る。
「べ、別に足手まといとまでは言ってないよ。耳悪いんじゃないの?ボクとお前じゃ根本から違うって言ってるんだよ。今まで戦ってきたボクと教会で過ごしてきたお前とだったら比べ物にならないね」
相変わらずそっぽを向いて喋るシンクは、どこか焦っていた。
それに気がついたイオンはしばらく不思議そうに見ていたが、シンクの顔が赤いのを見て覚った。
これは、シンクなりに元気付けてくれているということらしい。
「・・・・シンク、ありがとう」
シンクは少し驚いた顔をしていたけど、すぐに理解したようでまたそっぽを向いてしまった。
「勘違いしているようだから言うけど、ボクはお前のことなんか心配していないよ」
「・・・・・・そういうことに、しておきますね」
「しておく、じゃなくてそうなんだよ。勝手に解釈しないでくれる?」
「そうですね」
イオンは最初とかわらずにこにこと笑っている。
それを見てシンクは更に不機嫌そうな顔をしていたけど、仮面に隠れて見えない目は微かに笑っていた。






+あとがき+
恐ろしく短いです。
・・・・・・シンイオ?イオシン?そけともCPなし?
とりあえずシンイオシンで。(イオン受けはどこにいった)
シンクの口調はあっているかわからないけど楽しい。
イオン様がシンクより上手(うわて)になってますよ。天然でボケ担当という設定はすっ飛んでる・・・(汗
[11] 2005年12月29日 (木) 12時04分



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