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[13] 伝奇旅籠 03/02/08(Sat)
匿名 - 2016年05月28日 (土) 09時01分

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[14] 伝奇旅籠 03/02/08(Sat)
匿名 - 2016年05月28日 (土) 09時02分

伝奇旅籠 03/02/08(Sat)
熱気に淀んだ大気、マーブル状の暗雲の隙間に覗く青空、ピカピカのタイル。
近代的な巨大ビル群を抜け十分も歩くと、古びた雑居街へたどりつく。
三、四階建ての細々した建物が密集した旧繁華街。
はげた塗装、壊れた窓、細くて車の通れない道。
ガイド無しでは数分で方向を見失ってしまうこの界隈の片隅、
車が入れるぎりぎりの所で、一台のタクシーが停車していた。

「お客さん、本当にいいんですかい?」
運転手は脂ぎった顔をクシャクシャのハンカチでこすりながら、
不安そのものの声でそう言った。

「ええ、ここで降ろして頂戴」
白い帽子に、白い上品なスーツ、そして薄茶色のサングラスをかけた、
若い女性客はおっとりした声で答えた。
「まあ、お客さんがそう言うなら、しょうがないですがね。
 でも、絶対に、ガイドはつけるべきだと思いますよ」

女は小さなスーツケースを降ろすと、バタンと戸を閉じた。
帽子の影から空を見渡すと、暗雲がゆっくりと空の端へ逃げていくところだった。
石畳の上に足を揃えて起立する女に、運転手が窓から手を出して合図する。
彼のまるっこい指が、車体の上を何度もなぞり、
タクシー会社の電話番号を女に書き留めさせようとするが、
女は軽くおじぎして、歩いて行ってしまった。

「知らんぞ、くそっ」
運転手は熱気に揺らぐ白い女の後ろ姿を見て、吐き捨てた。
が、すぐに本社に現在の状況を無線で連絡し、
仲間達には心配性だと笑われたが、万一に備えるよう一言添えた。

「これで行方不明になられちゃ寝覚めが悪い」
運転手の心配はもっともだった。
この界隈で旅行者が消息を絶つ事件はもう、何十年も前から起きている。
およそ十年に一度起きる事件を、横に繋げて考えるものは居なかったが、
この運転手は違ったのだった。


一方、白いスーツの女は、のろのろと細道を歩いていた。
その垢抜けた洋服もそうだが、スーツケースと地図を片手にした姿は、
彼女が、金持ちでこの辺に不慣れな外国人旅行者であるということを、
強烈に周囲に知らしめた。

地べたに座る日焼けした子供達が、めんこ遊びの手を止めて、
珍しそうに女を眺めた。
大人達は窓の奥から、女の姿を冷たい目で見つめている。
ソーダー水売りの少女が駆け出してきたが、
女のあまりにも場違いな格好に、立ち止まって様子を窺った。

いくつもの冷やかな視線を背に受けても、女は我関せずであった。
カアッと照りつける太陽の日差しにクラクラしながら、女は歩いた。
五差路に出た女は、それぞれの道を地図と見比べた。
タイルで舗装された比較的新しい道、商店街につながるやや幅広の道、
今まで通りの石畳の小道、自転車通りがある軽くカーブしている道、
竹林の中を登る、間隔の広いなだらかな階段の道。

女はしばらく地図を見つめた。地図の上にぽたぽたと汗が落ちる。
おもむろに懐に地図をしまい、竹林へ続くなだらかな階段を見る。
女の様子に、冷やかな視線の多くが揺らいだ。
人の囁き声が幾重にも重なり、不安な波を空気に伝えた。
白いハイヒールがコツッと硬い音を立てて、一段目の階段を上がると、
中年女性が慌てた様子で駆け寄ってきた。

「ちょっと、ちょっと!ドコに行きたいんだい?」
「この上です」
女が答えたが中年女性は大げさに首を振った。
「この上は古い家がいくつかあるだけだよ。
 だれも住んじゃいないし、見ても気持ちのいいもんじゃない」

「でも、旅館があったはずなのですけれど」
女は躊躇いがちにポケットから封筒をとり出した。
封筒の中から女は一枚の招待状を手に取って見せた。
「へえ、あの旅館に?」
中年女性は目を丸くして、女を見上げた。
女性の驚きは、徐々に周囲に広がり、
彼らの冷やかな姿勢をゆるゆると溶かしていった。

「ああ、それならこの階段をずっとあがった上さ。
 途中で、分かれ道はあるけれど、上へ上へと進めば大丈夫だよ」
「ありがとう」
女はおじぎして、階段を上がっていった。

女が竹林の影に消えると、
中年女性の回りに同世代の女達が集まってきた。
「廃業寸前の旅館が客を取れたのかい?」
「あの土地、売りに出してるんじゃなかったんかねえ?」
「お嬢ちゃんが、うまいことやったんじゃないかい?」
「ま、そりゃお手柄だよ!」
「さすが一流大学へ通ってる才女だねえ!」
「あのオタク親父とはエライ違いだ」


竹林の中は、ぐっと温度が下がった。
見上げれば、太陽の光に透けた緑の葉がエメラルドのように輝いている。
涼風が吹き、肌の上の汗をやさしく乾かしてくれる。
スーツケースをガタゴトいわせて、徐々に急になってくる階段を女は登った。
幾つかの分かれ道を、あの女性の助言を頼りに、上へ上へと選択する。

ふいに吹きつけた風に、竹林がざわめいた。
笹の葉がはらはらとこぼれ、舞い散る。
風が強く、生暖かくなってきた。
階段が急になるに連れ、空模様は再び怪しくなった。
光を失った階段は暗く、不気味な洞窟へと姿を変えた。
ひたひたと迫る悪寒に、女はハイヒールを脱ぎ、
スーツケースを脇に抱えて、階段を駆け上がった。
縦横無尽に舞い上がる笹の葉の吹雪の中、女は走った。

竹林が切れる丘の頂上に……
瓦屋根の上に魑魅魍魎の人形達をずらりと並べた、時代物の門がある。
看板には旧字体で何か文字が書いてあったが、
達筆すぎる筆運びと泥汚れとで、
女には「飯店」の二文字しか読み取ることが出来なかった。
「ここなのね」
女がつぶやいて、門を見上げた。
「ようこそ、我が旅館へ!」
門の側にいつの間にか娘がいた。
「あなたね、私を呼んだのは」
「はい」
娘は人懐っこい笑みで答えた。


娘の案内で女は館内へ足を踏み入れた。
花鳥を大胆に描いた襖、仕きりの細かいガラス戸。
一枚の硝子が最近張り替えられた様子なのを見て、女は少し足を止めた。
軋む廊下は、つやつやと黒光りしていてオニキスのように美しい。
浮き上がった木目が人の顔に見え、
見とれていた女は、そっと足を除けて歩いた。

竹林の中に、街を見下ろす客室につくと、
娘は可憐な茶器と茶菓子を持って、女をもてなした。
「そろそろ話してもらえないかしら?
 私が出来ることは少ないかもしれないので」
茶を上品にすすり、女は言った。
「ええ……」
娘はうながされ、ゆっくりと話しはじめた。

「私が幼い頃、この旅館は父と母とで切り盛りしていたそうです。
 母が亡くなってから、父は一人で旅館をつづけました。
 その父が半年前に倒れてしまって、入院して……」
娘は涙ぐんだ。
「兄はこの旅館を売ろうと提案しました。
 しかし、父は頑なで……
 私も、時代が変わったんだから、旅館の経営は無理だと思うって、
 売れるうちに手放した方がいいって言ったんですが、
 父は聞いてくれなくて。
 もしかして、母との思いでの詰まった旅館を離れられないのかと、
 そう思ったりもしました」

涙をこらえようと、娘は唇を噛んだ。
「兄は父を説得するのを諦め、勝手に不動産屋と話をしてしまいました。
 良い値で買い手もつきそうでした。
 古い建物は取り壊して、レストランをつくるんだとか。
 でも、何度目かの下見の時、事故が起きて」
「事故?」
女が肩をぴくりとあげて言った。

「ええ。でも、怪我人は出なかったのです。
 ただ、狙い澄ましたように瓦が落ちてきたり、石が飛んできたり、
 壁が崩れたりしたんですって。
 それに……幾人かの人はお化けを見たって」
「へえ。お化けねえ」

「買い手がついて話しがまとまりそうになると、
 そんな悪戯がはじまるんです。
 それで、これはもしかしたら、入院中の父が
 誰かに頼んでやらせてるんじゃないかと思って。
 私、近所の子達に聞いて回りました。
 でも、みんな知らないって……」

「で、あなたは自分で調べようとしたわけね」
女が先回りして言うと、娘は大きくうなずいた。
「そうなんです。
 その日、兄が商談相手を案内することを知って、
 私は、先に旅館へ行って身を隠していたんです。
 間もなく、兄達も到着しました。
 それで、じっと待っていると……」

娘は首を激しく振った。
「ああ、ありえないんです!そんなこと!」
取り乱す娘の肩を、女は抱きしめた。
「いいから、話してごらんなさいな。なんでも」
何度か肩をたたいてやると、娘は落ち着きを取り戻し、
恥じらいながら何度も女に頭を下げ、話しを続けた。

「それで私、見たんです……
 中庭の石が持ち上がって、窓ガラスを突き破って、
 勝手に飛んでいくのを!」
娘の目は、信じてくれと訴えかけていた。
女の表情はサングラスで隠されたままだったが、
紅を引いた口元がかすかにほころんだ。

「それは、おもしろいですわね」
女はそう言って立ち上がった。
「本当のことなんです!どうか、帰らないで下さい!」
女の足にしがみついて、娘は泣いて止めた。
「お父さんとお兄ちゃんもずっと喧嘩してばかりだし……
 あれがお母さんの霊の仕業だったら……
 私、もう、どうしていいのか!」

「お母様じゃないでしょう。大丈夫よ」
女は娘の上にかがんで、赤い頬を伝う涙を手で拭った。
「たぶんね、こういう場合、開かずの間があるはずだから。
 そこでちょっと見てみようかと思います。
 案内していただけます?」
娘は、ぱっと顔色を輝かせた。
「はい!」


娘に先導され、女は別館の一室の前にきた。
東洋的な本館と違って、別館は洋風建築が混ざっていた。
「鍵はないんです」
娘が言うと、女はうなずいた。
「鍵穴もないですよね。それなのに閉まってる」
取っ手を掴んで押したり引いたりして、女はフフッと笑った。

「覚悟は宜しいですか?いきますよ」
娘がうなずくのを確認して、女は呪文を唱えはじめた。
扉にかけられた見えない封印の印を浮かび上らせる。
女は複雑にからみあった封印の記号を、指で一筆書きのようになぞった。
指の走るそばから、封印の印はほどけて消えていく。

すべての印がほどかれ、宙に解けてしまうと、女は扉に手をかけた。
カチリと音がして、すんなり開く。
「まいりましょう」
呆然と突っ立っていた娘は、慌てて女の後を追った。
ひんやりとした空気が二人を包んだ。

「階段になってるなんて……」
石の階段を下りながら娘が震える声で言った。
回りを見渡そうと頭を巡らし、娘はつまずきそうになった。
「よろしかったら腕を貸しますよ?」
女の言葉に甘え、娘は彼女の腕にしがみついた。
白いスーツにしわができてしまうぐらいに、
ギュウッと抱きついてくる娘を横目で見て、女は笑った。
「大丈夫。お嬢さんは私が守りますから」
「あ、すみません」
娘は強ばった手をほんの少し緩めた。

階段を降りると、もう一枚の扉が二人の行く手を遮った。
女が扉に触れようとして、躊躇った。
「まずはノックしましょうか?」
「はい?」
娘の素っ頓狂な声に、コンコンと軽い音がかぶる。
中からはなんの返事もなかったが、女はじっと耳を澄まして待った。

「あの、どうしてノックなんか?」
「さっきの扉ね。
 封印は外側に向けてしかなかったんですよ。
 内側からは開くようになってたんです」
「え?」
「つまり、危険な何かを中に閉じこめ、
 それを外に出さないための封印ではなくて、
 外から誰かにここに来られるのが困るという封印だったんです」

まあ、と娘は安堵の表情を浮かべた。
「じゃあ、父の秘密の部屋みたいなものなのかしら?」
「そうかもしれませんよ。さ、いきましょう。
 失礼いたします」

女が入室すると、そこは豪華なホールであった。
「まあ、素敵な部屋……」
娘が驚いて室内を見渡した。
クリスタルシャンデリアの垂れ下がる天井は以外にも高く、
床はピカピカツヤツヤの大理石。
壁紙も花柄とアラベスクのロマンティックなもので、
適度な間隔で配置された猫足のソファーや椅子も美しかった。

「まあ、どういうことなんでしょう?」
娘が顔を上気させて言うと、
女が壁にかかった絵画、鏡、戸棚などを順番に指差した。
「見てごらんなさいな」
一枚の絵画に娘が近づいて行く。薔薇を手にした貴婦人の肖像。
見たところ得に変わったところはない。
首を傾げる娘の後ろで、女が言った。
「絵ではなくて、額縁ですよ」
娘が額縁に目を凝らす。
もっと近くで見ようと軽く触れた時、絵はすうっと動いた。

「隠し扉……!」
「そう。その鏡も、戸棚も、他の絵画もですね」
娘は唖然としてホールを見渡した。
「失礼して、見に行ってみましょう」
女が先頭に立って、薔薇の貴婦人の絵の中へ入って行った。

しばらくは廊下が続き、左右にはいくつかドアがあったが、
女は触れもしないで廊下を真っ直ぐ歩いて行く。
「あの、このあたりの扉はいいんですか?」
「それはダミーですよ。本物は一つみたいです」
女は突然足を止めた。
「ここです」
娘は唾を飲み込んだ。
「いいですか、いきますよ」

娘がうなずいた後、女は軽いノックをする。
「失礼いたします」
女が取っ手に手をかけると、扉は抵抗無く開いた。
中は、小奇麗な洒落た客室。
大理石の床の上に、ひときわ目を引くピアノがあった。
コツコツと女のハイヒールが響く。
装飾を施した化粧台と美しい姿見、それに衣裳ダンスもあって、
部屋の主が女性であることがわかる。

「誰かお泊まりになっていたのかしら?」
数々の手の込んだ調度品を眺め、娘がつぶやくように言う。
「こちらへおいでなさい……」
女は静かに娘を呼んだ。
「こちらがこの部屋の主です」

娘は呼ばれるまま、ピアノに近づいた。
女にうながされ、娘はピアノを見つめた。
しばらくして、娘の顔が恐怖にひりついた。
ピアノは、ピアノではなかった。
その姿を模した、棺桶であった。

「きゃあ!」
甲高い悲鳴をあげて、娘はよろめいた。
「そんな、そんな!
 ここが死者のためのホテルだっていうの?」
娘は可愛い顔を強ばらせて、女にしがみついた。

「死者のためのものではない」
ふいに清々しい声が響き渡った。
二人が振り返ると、杖をついた中年男性が立っていた。
「父さん……」
娘は目を見張った。

「うちは先祖代々、英雄様をお世話さしあげる伝奇旅館なのだ」
「英雄様って……」
「様々な理由で人の境を張るかに越えた方々だ。
 人の世の悪を、時として、人でない悪を成敗し、
 正義の歴史を守ってこられたお方達だ」
父の話しぶりに、娘の顔から緊張が解けつつあった。

「多くのお方は不老不死ゆえ、人として生きる事は出来ぬ。
 しかし、英雄様は超能力を維持されるため、
 あるいは長い戦いの疲れを癒すため、たびたび冬眠に入られる。
 そこで、我が旅館がその御身をあずかり、
 安全な冬眠期を保証さしあげていると、まあこういうわけだ!」

「お父さん、まだ、寝ぼけてるんじゃないの?」
娘が、あきれ返った声で言う。
「なんだと?」
「ジャパニメーションの見過ぎよ」
娘は冷たく言い放って、女の方へ振り向いた。
「すみません、なんか変な父親で」
いえいえ、と女はサングラス越しに微笑んだ。
「じゃあ、浮かんだ石は何なのでしょうね?」
娘の顔が再び強ばる。

「ご主人、その傷はいかがなされました?」
女は娘から体を話すと、その父親の方へ顔をめぐらせた。
「……それが、よく覚えておらんのです」
「医者は何と?」
「傷口から、熊か何かに襲われたのだろうと。
 じゃが、ここらに熊はおりません」
互いの腹を探るような沈黙があった。

女がふうっと息を吐いて言った。
「怪人の仕業だとは思いませんか?」
「おお!」
父は奇声を上げて、目を輝かせた。
「あなたは素晴らしいお人だ!」
あっけにとられる目の前で、女と父は硬く握手した。

「私は、日本から参りました。こういうものです」
名刺を手渡し、女は父に言った。
「怪奇現象よろず請け負います、ミステリーハンター……
 いいですなあ」
父はうっとりした目で女を見つめた。

「じゃ、さっそく仕事をお願いしたい。
 娘はこの通り、なにひとつわかっとらんので」
「依頼人は娘さんなのですが……」
女はチラリと、娘を見つめた。
「心配なさらないで。まかせてくださいね」
父はどこからか古い旅館記帳を取り出して、
ページごとに熱心な説明を開始した。
「フランケン様にクラウン伯爵、こちらの男爵は狼男で……
 現在、我が旅館には十数名の英雄様がお泊まりなのです。
 お目覚めは、一番はやいお客様で、十年後の二月上旬ですが……」
「怪人の出現で、さっそくお一方、
 目を覚まされているんじゃないかしら?」
女がピアノに顔を向けた。

ピアノに似せた棺桶を調べると中はもぬけの殻であった。
「こちらにお泊まりだったのはどなたです?」
「いかん……吸血姫カーミラ様だ……」
父は蒼白になった。
「あの方は凄まじく寝起きが悪くてらっしゃる。
 寝ぼけ頭で、フラフラ巷に出て吸血行為なんぞされた日にゃあ!
 ああ、ワシが休んどる間に!!なんてことだ!」

「では、さっそく彼女を探しましょう。
 ご主人は娘さんと地下旅館をお願いしますね」
女はそう言って背筋を伸ばした。
白いスーツを脱ぎ捨てながら、スーツケースを開けて、着替えはじめる。
「では、いってまいります」
そっと顔を背けた父子が女の声で振り向いた時、
そこには小金持ちで上品な婦人の姿はなく、
ピッタリした黒いボディースーツに身を包み、
変わった銃を手にした凛々しい美女がいた。

「その姿は、まるで……!」
なにか口走りそうになる父の体を小突いて、娘は言った。
「お気をつけて!」
「大丈夫ですよ」
女は真っ赤な唇の両端をかすかにあげて、笑顔を作った。

「さ、ワシらも働くぞ。
 いつ、他のお客様が目覚めてもいいように別館の大掃除だ」
「え、ええ……」
素直に返事をしながらも、娘は自体を飲み込めていなかった。
「私達、どうなっちゃうの、これから……」



コミカルでテンポの良い夢でした。
私の視点は、白いスーツの謎の女の方で、この後、
何人かの英雄達(?)が予定よりずっとはやくに目覚めていることが発覚して、
町中を走り回って、寝ぼけた彼らを追いかけるという、
アクションシーン満載の展開が続きます。
彼女の武器は怪しい催眠銃なのですが、英雄さん達の動きが素早いので、
弾が外れまくりで、もう関係ない人が眠ること眠ること。
かなり危なかったです。

彼ら追いかけていくうちに、
他の地で長い眠りについているはずの英雄達も、
目覚めて行方不明になっているとの情報が入ります。
どうも影には、彼らを操って怪人改造している悪の組織があるみたいです。

伝奇旅館の娘さんは大学を続けながら、旅館のお手伝いをしています。
お兄さんの方は、二人の話を全く信じていないので、
旅館を売るために、あっちこっちかけあっているようです。

私がこの夢から目覚めた時に思ったのが、お母さんの存在。
たぶん、なにかの使命のために姿を消しているんでしょう。
お母さんと再会出来れば、お兄さんも旅館の意味を、
少しは理解してくれると思うのですが。

この夢を見たのは数年も前になりますが、大好きな夢の一つです。
是非、続きが見たいですね。

今宵も素敵な夢が訪れますように。
続きの夢を見れればまた……



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