ゆりさん。はじめまして。日本フェミニストカウンセリング学会認定フェミニストカウンセラーのマリコと申します。
DV夫と離婚し、その後資格を取得し経済的にも精いっぱい頑張って来られたのですね。
離婚後の女性が平均的な家庭水準を維持するのは大変な努力が必要だったことでしょう。
よく頑張りましたね。
子どもさんは2歳の時脱出し、いまは小学校の低学年なのですね。
2歳だから、子どもがDV夫と妻の関係が分かるはずがないと思っていませんでしたか?
2歳でも、子どもは夫婦の緊張や怖さを眼で見、耳で聞いて肌身で感じているのです。
DVを目撃させることはしなかったとしても、子ども自身が安全に生き延びるためのアンテナはしっかり張られているのです。
子どもはDVの第二の被害者なのです。
子どもさんはとても不安だったのですよ。
ただ言葉で怖さや不安や悲しい気持ちを表現できなかったのです。
きっとその時の怒りと悲しみがが溜め込まれたままになっているのだと思います。今に及んでも、子どもさんの心には分けの解らない感情が渦巻き、キレてしまうのです。
今の状態ではキレることが自分が壊れないようにするため、自己を保つため彼には必要なのです。
お父さんに似ている→お父さんそっくり
になるのではないかと言う、あなたの不安を子どもさんは身をもって反映しているのです。
子どもは、驚くほど親が思う方向へ育ってしまうのです。
誰にも話(気持ち)を聴いてもらえなかった置き去りにされた子供の心は、方向を失い、お父さんそっくりと子どもを見る眼差しに串刺しされてしまうのです。
子どもは、親や周囲の人を頼って生きて行くことしかできません。
全くの受動態なのです。
キレるのは苦しいからなのですよ。
多くの親が「いい子にしてなさい」「人に迷惑をかけちゃダメよ」「~しなければ」「~しなさい」と子どもを縛ってしまうのです。
DV被害の中で暮らした子どもは大人が考えるより厳しくそれを自分に課すのです。
出来なくて当然なのに、要求水準が高いので、キレてしまうのですね。
ではどうしたらキレない子どもに育てることができるか?
まずは、子どもがキレたとき、あなたが怖がりパニックになって子どもを叱らないことがが必要です。
「どうしたの?」と聞いて気持ちを聞いてあげてください。それでも暴れたら、抱きしめてあげてください。
大丈夫ですよ。子どもは可塑性が高いのです。
お母さんの優しさを繰り返し体験することで、キレるのは少なくなっていきます。
たぶんゆりさんのご家庭は緊張の糸が張りめぐり、子どもさんもあなたも息苦しい生活を送っていらっしゃるように思います。
その緊張を破るため「よい子」でなくても、楽しく暮らすことに軸足を置いてください。
子どもさんが好きなものは何ですか?
子どもさんが喜ぶ食べ物は何ですか?
どんなテレビ番組が好きですか?
子どもさんが好きなことを一緒にすること。子どもの笑顔が一番、お母さんの笑顔も一番です。笑顔ができてますか?
笑顔は相手OKの信号ですから、お互い信頼を持ち合うには絶対必要条件です。
子どもさんと子どもさんが好きなビデオ、マンガなど一緒に見て笑う楽しい時間をもつことが必要です。
ゆりさんのご両親から叱ってもらうなどは、論外です。してはならないことです。
子どもにとって1対3で敵(いま彼の心の中ではそうなっています)が多すぎ、とても辛い苦しい状態なのです。
ちっちゃい子に自分の死活を決める権力を持った大きな大人が3人ですから、怖いんです。キレるのは怖さの裏返しでもあるのです。
>「あんなくそなやつのとこなんかもう行くか」などと言う始末。子どもさんが素直に気持ちを表現したのですよ。
>この時は強く叱りました。逆効果です。あなたにも心を閉ざしてしまいます。
大人から責められ家庭が面白くなくなり家庭に居場所がなくなると、子どもは外でそのエネルギーを発散しようとします。
問題はより大きくなるだけです。
>もうなにもかも放り出したい気持ちになることもあります。百合さん。放り出す前にここに書いてくれてよかったです。
ここに書くには勇気が必要だったでしょう。
その勇気を子どもさんとの現状のすべてを受け入れてほしいと思います。
受容されることができて、はじめてお母さんの愛が子どもさんの心に届くときが来ます。
声がけも重要です。笑顔で「おはよう」「行ってらっしゃい」「おかえり」「ただいま」「大丈夫だった?」「おやすみなさい」
それから思い切って、一緒にだっこして寝て絵本を読んだり、作り話をしたり、子どもさんお話を聞いたりも効果があります。
大丈夫です。きっと楽しい親子の生活ができるようになりますよ。
参考図書を紹介しますね。
一番のおすすめは、森田ゆりさんの本です『気持ちの本』(童話館出版)¥1400円+税
『わかってほしい』MOMO作イラストレーションbyYUKO (クレヨンハウス)¥1200円+税
『パパと怒り鬼~話してごらん、だれかに~』¥1800円+税
なお、私のホームページ「DVマリコのかけ込み部屋
http://park22.wakwak.com/~eses/index.html 」がここのリンク先のトップに掲載されています。
子どもさんへの影響についてもかいてますので、参考になると思いますのでごらんください。