No.10538 モラルハラスメントが与える子どもへの影響 投稿者:まちゆき 投稿日:2013年09月24日 (火) 09時46分 [返信] |
結婚21年目 20歳 19歳 13歳の子供を抱え、共存しています。
子どもさんのことでの書き込みが続いているので、新しいスレッドを立ててみました。
私は、以前、このサイトで、モラルハラスメントのモラ夫の影響が与える子どもへの悪影響について、完全的とはいえないまでも、否定的な考えでした。
「いっしょに暮らしていて、影響がないとは言えない」 「精神的な暴力、身体的な暴力、それが子どもに与える影響は必ず出てくる。一刻も早く離れたほうがいい」
いろいろな意見をいただきました。
私自身、東京で学生生活をしている長男、同居して反抗期真っ盛りの次女
かなり手こずっているし、「やってもらってあたりまえ」「母親は奴隷」的な考えは、やはりモラ夫の影響か・・・
と考えてしまうこともあります。
しかしながら、ごく普通の家庭、いや・・・ほかの家庭と比べることはとても難しいし、ちょっとナンセンスなようにおもっています。
なにより、認めたくはないけど・・・
子どもたちは、モラ夫の遺伝子を受け継いでいます。子どもなので、言い聞かせていくことはできますが、子どものことをコントロールすることはできません。
子どもには子どもの自我があります。
「モラ夫との生活が、こんな子どもにした」 「モラ夫から離れられないから、子どもたちがこんなことになった」
そう思いがちだし、思わざる負えないときもありますが、
子どもの力、子どもの社会性、子どもの判断力
信じたくなることもありませんか?
同じ家庭で暮らしていて、影響が全くないと言えません。でも、そうじゃない家庭でも同じことが起こっていることは、なかなか知られることでもないし、情報が入ってこない。
私は、子どもの力、判断力を信じたいです。
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No.10540 とても辛いお返事ですが 投稿者:ミシェル 投稿日:2013年09月24日 (火) 15時13分 |
子どもたちに悪影響を与えてこなかったと考えたいお気持ちはわかります。でも事実はみつめなければならないでしょう。両親間のDVを目撃することは、子どもの脳に形態学的変化を及ぼすことが、近年の研究で明らかになっています。以下は、友田明美先生の「新版・いやされない傷」という本の受け売りです(友田先生は,いい加減な筆者ではなく、児童精神医学の日本の権威です)。
「子どもの頃に両親の家庭内暴力を目撃して育った人は、暴力のない家庭で育った人より脳の一部が小さくなっているという研究結果が、最近明らかになってきた」「DVを目撃した経験のある人は,脳の視覚野と呼ばれる部分が、目撃しなかった人に比べて20.5%小さくなっていることがわかった」「視覚野は目から受ける情報を処理する脳の部分で、そこが損なわれると視覚的な記憶力や知能、学習能力にも影響が出るといわれている。前述したように児童虐待防止法では、家庭内での暴力を子どもが目撃することも心理的虐待にあたるとしている。これらの研究結果は、それを医学的に裏付けるものと考えられる。」〔87頁〕
「驚くべきことに、DVへの曝露と暴言虐待の両方を受けた被虐待者たちは、大脳縁辺系症状が身体的虐待や、その他の精神的虐待(ネグレクトなど)を受けた被虐待者より、重症であった。また解離症状も、DVへの曝露と暴言虐待の両方を受けた被虐待者たちのほうが、身体的虐待や、その他の精神的虐待(ネグレクトなど)を受けた被虐待者たちより、重症であることもわかった。これらの結果からも、両親間のDVと暴言虐待に曝された子どもたちはDV曝露以外の被虐待児に比べてトラウマ反応が生じやすいことが明らかになったわけである。」(89-90頁)
「両親間のDVへの曝露が子どもの精神疾患症状や言語関連の知能に影響を及ぼすことは、以前の研究によりすでに明らかにされている。・・・トラウマや虐待歴がなくても、DV目撃のようなストレス環境下に小児期に、曝されることにより、DV曝露の影響は子ども時代のみならず成人になってからも神経認知機能に不可逆的な影響が及ぼされることが明らかになった。つまり、子ども時代にDVを頻回に目撃する環境に置かれた子どもたちは、そのこと自体がトラウマをもたらすストレス源となり、成長した後も知的レベルに問題を生じることが初めて明らかになったわけである」(91頁)。
友田先生は、こうも書いておられます。 「『自分さえ我慢すれば・・』と、DV被害の女性たちの多くが口にする。でも母親が暴力を受けると、子どもたちも深く傷つくことになる。DVは、被害者にとっても、子どもたちにとっても、深刻な人権侵害なのである。DVの連鎖を断ち切るためにも、暴力をなくしていかなければいけないと強く感じる。」
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No.10541 ミシェルさま、捕捉させていただきます 投稿者:まちゆき 投稿日:2013年09月24日 (火) 16時36分 |
辛いということはありません。
ミシェルさまをはじめ、皆さんが悪影響を感じているからこそ、危機感を募り、我を攻め続けているから・・・
なんとか脱出しても、なかなかきっかけもつかめず、共存中であれば、なおさら、離れることができないことに自分を責め続けるのです。
先生が本に書かれていることは、その当事者が1番わかっているとおもいます。
パブではなく、つぶやき板に投稿するべきでした。
申し訳ありません。
ただ・・・
悪影響はなかったと信じたいのではなく、影響下の中でも、子どもの力は信じたい。
ただそれだけです。
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No.10543 傷をいやすために 投稿者:ミシェル 投稿日:2013年09月24日 (火) 17時38分 |
まちゆきさま
こちらこそ、言葉足らずに引用だけして、申し訳ありませんでした。私も、子どもたちがつけられた傷をいやしていく力をもつことを信じたいと思います。でもそのためには、正確な知識を持たなくてはならないとも思うのです。そしてただ放置して信じるのではなく、子どもたちの傷ついたこころに働きかけて、回復を促す必要もあると思います。
友田先生も、「こうしたトラウマに対する取り組みとしては、言語化による『過去の虐待体験の認識』がどうしても必要である。被虐待児たちがこころに大きな傷を負ったときには、早期から子どもが感情をはき出せるよう周囲が配慮をすることがとても大切である。適切なこころのケアがほどこされなければ、長期にわたって『こころの傷』が癒えず、いわば傷口が開いたままになる」「時間の経過が回復を促す上でとても有利に働くので、急ぎすぎてはいけない。患児たち本人の対処能力や直接的でない機能回復を周囲から支えながら(支持的精神療法)、トラウマの体験を忘れてしまうのではなく乗り越える力を身につけていってもらうことが必要である」〔109頁〕と書いています。
でもこの本は、そのような治療法については、あまり詳しく書いてありません。きっとそういう本もあるのでしょうけれど。もしそんなプロフェッショナルのハウツー本を見つけたら,ご報告しますね。
でも、それよりはこのパブで見られたように、被害者である母親たちが,困った行動をとる子どもへの働きかけを話し合い支え合うことが、実は最も現実的で有効な、子どもの心の最先端の治療法を共有していることになっているようにも思われるのです。自分たち自身が傷ついてきたのに、それでも子どもたちを癒やそうと努力している皆様の努力に、心から敬意を表します。
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