宮迫千鶴「はるかな碧い海」43ページに、複雑な育ちで母の愛を得ることができなかった著者が、精神科医の加藤清に、人生を生きるために一番大切なことは何かを問う場面があります。 加藤は、それは「ベーシックセキュリティ」だと明快に答えます。「基本的安全感」。
私もまた、母の愛を感じることができず、十分な「ベーシックセキュリティ」をもつことができませんでした。
子供に、自分がもてなかった、十分な「ベーシックセキュリティ」をあたえてやること、また、それを得ることを阻害しないこと。 私は子供を育てながら、いつもそれを考えていました。
モラハラの中にいても、自分の子供に、「ベーシックセキュリティ」を十分持たせてやることができたならば、子供は、今、父親のモラハラで混乱していても、自らの力で、きちんとした本来の方向に気がつくはずです。
父親のモラハラの渦中にいて、その被害のために正しい判断ができなくても、いつか必ず、自分にとっての正しい方向を理解するはずです。
私は自分の子供たちのその時を待ちます。
バーバラさん。 私はバーバラさんの言葉に助けていただいきました。バーバラさんの生き方は、深く深く私の中につきささっています。毎日バーバラさんのことを考えています。私は離婚後、なんとか仕事もできて、幸福にくらしていますが、毎日、バーバラさんのこと、自分の離婚と娘たちのことを考え続けています。
バーバラさん、バーバラさんと離れるまでに娘さんに贈り続けた「ベーシックセキュリティ」が、いつか必ず娘さんを救います。 そして本来の正しい方向に気付かれます。母であるバーバラさんのように。
|