2011年3月12日、下記の要望書がNPO法人全国女性シェルターネットから出されてます。このサイトでも、管理人@fixさんはじめ、沢山の方々が地震災害時の女性に対する暴力の多発を危惧されて居られます。ご参考まで掲載します。
緊急災害対策本部 内閣官房長官 枝野幸男様
東北地方太平洋沖地震被災地災害の女性に対する対応に関する要望書
NPO法人全国女性シェルターネット 共同代表 近藤恵子/土方聖子
現在、東北地方太平洋沖地震の被害状況が刻々と報道されております。政府等の迅速な対応に心から敬意を表します。 私たちNPO法人全国女性シェルターネットは女性に対する暴力被害当事者を支援する全国の民間団体ネットワークです。今回の大震災で、現地の女性の皆さんが避難生活において、女性特有のニーズが満たされてるだろうか、また、暴力に晒されていないだろうかと大変危惧しております。なぜなら、女性は災害弱者としてさまざまな被害を被るという事実が、過去の国内外の震災後に頻繁に報告されているからです。
例えば、避難生活では、月経用品や下着などが不足し、膣や外性器に炎症を起こしやすくなる事態も発生しがちです。女性の健康に関するニーズについて、早急に対応することが必要です。避難生活では、トイレや着替えなどでのプライバシーが十分保証されず、女性がトイレを我慢して膀胱炎になる事案も頻発しています。
また残念ながら、性被害、DVや児童虐待など暴力被害は、災害時には驚くほど増加することが阪神淡路大震災でも報告されております。 こうした実態を踏まえ、現在の政府対応に加えて、女性の災害時における人権の確保に向けて、下記のとおり実施していただきたく要望いたします。
(1)災害後は女性への暴力が増加することを予測して、被災地における性暴力などの女性に対する暴力に対する予防措置を実施すること。被害者の相談・支援体制を災害対策本部に確立すること
(2)被災地における出産対応や月経用品の配布等、リプロダクティブ・ヘルスサービスの臨時対応をすること
(3)避難生活におけるトイレや着替え等、女性のプライバシーを確保すること
(4)犯罪防止のため速やかに防犯灯の復旧工事を行い、街を明るくして人々を犯罪から守り、女性を性被害から守るための特別警戒をすること
(5)現在実施中のパープルダイヤルを利用して、DV・性暴力の防止キャンペーンを行い、女性に対する相談窓口の設置や情報提供など被害者支援を充実させること
(6)男性が暴力を家族に向けないよう、生活に関する広報とあわせて広報すること
(7)PTSDやトラウマに関する正しい情報を、被災者にわかりやすく提供すること
(8)避難所となる学校などの施設はバリアフリー対策を整備すること
(9)セクシャルマイノリティのニーズにあった支援策を実施すること
(10)一人暮らしの高齢女性や母子など住む、老朽化した住宅への住宅診断士の派遣や補修費用補助、災害後の優先入居などを行うこと
(11)国籍や在留資格の有無を問わず、被災者として支援すること。外国籍の場合は出身地によって文化背景が異なるため、被災者のニーズに配慮した支援を行うこと
(12)災害対策本部に女性に対する暴力の直接支援経験があるものを登用すること
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