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[63] 未来への道標]T
ダイゴウジ・ガイ - 2006年06月11日 (日) 01時27分

第十一話 「女執事のレジェンド(伝説)」後編

「私がお屋敷に入れるんですか!?」

アキトさんから説明を受けた辻夏野こむぎさんが嬉しそうにアキトさんに問い掛けた。

「ああ、君には持って来いの場所だし、君とていい加減執事として働きたかったはずだろ?」

「うわぁ!!ありがとうございます!!」

簡単の辻夏野さんも受けてしまったが大丈夫なのかな?話しを聞く限り
辻夏野さんは絶対に初心者、しかもお屋敷に住み込みで働いた経験が無さそうだ。アキトさんもあの病弱な(聞いただけだけど)ホウカさんの執事が本当にこの人につとまると思ってるのかな?

「あ〜、そうだハヤテ、お前今から適当に執事見つけて来てくれるか?明日にでも屋敷に入れるヤツだったら誰でも良いから、初心者でもかまわんぞ?」

「ええ!!本当にそんなので大丈夫なんですかぁ!?どうなっても知りませんよ!!」

アキトさんやる気の抜けた様なセリフに内心不安を抱えながらも僕は走り出した。執事を探しに・・・・・(一応・・・・・)


ハヤテが走り去った後、その場にはアキトとこむぎだけが残り、ホウカの屋敷にこむぎが移る事での相談になっていた。仕事や屋敷の広さ、使用人の数、そしてホウカのプロフィールを見た時こむぎが口を開いた。

「あれ?ホウカお嬢様って白皇学院なんですね・・・・・・・」

そのこむぎの「白皇」と言う文字を見た時の嬉しそうで、そして何か切なそうな顔をアキトが見た瞬間、その表情に込められた意味をさとった。

「ああ、嬉しいか?東宮の坊ちゃんに会える機会も多くなるからな」

「そっ!!そんなんじゃありませんよ!!!」

こむぎは赤面し両手を振って違うと言い張った。しかしアキトには他人に自分の好きな人を言い当てられた時の言い訳にしか聞こえなかった。
事実、こむぎは東宮の坊ちゃんこと、東宮康太郎に恋心を抱いている。
アキトのみがその事実をこむぎ本人以外で知っているのだ。
だからこそ、アキトはこむぎを選んだ。ホウカもその康太郎の執事であり、アキトの親友の野々原楓に興味を持っていたからだ。
主と執事が他の屋敷の執事と主に恋をする。その恋愛が成功すれば面白い、そして同じ屋敷の者を好きになった者同士、話しが合うかもしれないとアキトは思った。その二つがこむぎを執事に選んだ理由である。


「それにしても適当に探して来いって・・・・・どうすれば良いんだろ・・・・・」

アキトさんから執事探し続行を命じられた僕は途方に暮れて歩いていた。そんな都合良く明日から住み込みで執事が出来るような人が見つかるハズも無かった。それに絶対にさっき訪問した執事候補の人達はダメだろうし・・・・・・深いため息を一つ吐き、僕は公園のベンチに座った。そう言えばお嬢様と出会ったのもこの公園だったな・・・・・・
と思い返している時だった。

「どうしたの?ハヤテ君?ため息なんか吐いちゃって・・・・・・」

そこの立っていたのは、僕の前の学校の同級生の、菜刃芽露さん(なはめろん)が立っていた。



続く









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