| [381] バトラーニューストーリーU] |
- ダイゴウジ・ガイ - 2007年04月03日 (火) 00時56分
第二十話 「それぞれの力、それぞれの拳、それぞれの戦い」
「今日は来ないと思ったけど・・・やっぱり来たわねお客様」
会場の一部と外が爆撃された後、バトラーナイツの全執事が守備及び戦闘体勢に入った。しかし現状況は芳しくない・・・いや それどころか本気でマズイと言った状態だ、一体どうやったかは知らないがパーティー会場全体をブラックセイバーズが 包囲していたのだ。先程テツヤ率いる三番隊が索敵した結果がコレである、周辺にも十二分に注意を払っていたと言うのに 一体どうやってこの布陣を形成したと言うのだ?さらに一番の問題は全体を広く囲まれている事である。これでは生徒達を 早急に逃がそうにも安全性を無視した強行突破くらいしか手はない、最も時間を消費して敵をあらかた倒した後で逃がせばいいのかも 知れないがその間に生徒達は確実に狙われるだろう、守り通せる保証等は一切ないのだ。それにこの敵数・・・・おそらく 今全部隊が集結していないバトラーナイツより少なく見積もっても百人以上は多いだろう、どうやら向こう側も総出で来たようだ。
「バトラーナイツに告ぐ!!今から貴君らに決闘を申し込む!!」
闇夜を照らす月を背景に、ブラックセイバーズリーダーのあの男・・・シドウが高らかに宣言した、決闘と
「ああ!?決闘だあ!?悪いがコッチは今随分不利なんでね!!そんなお遊びできる程余裕がねえんだ!!!」
烈火のごとく怒りをあらわにしてシンゴが叫ぶ、数での不利や生徒達を守らなければならないと言う不利条件がバトラーナイツ には存在する、確かに断るのが至極当然の事である。しかしそのシンゴに対しシドウはあくまで冷静に条件を述べた。
「落ち着きたまえ六番隊隊長の工藤シンゴ、そもそも我等の目的は各財閥の子息子女を抹殺するだけではないのだよ 今回はもう一つ・・・現状では最も我等にとって危険な存在である君達、バトラーナイツを倒す事も一つの目的なのだ!! それに余裕がないも何も私達は初めから君達隊長クラスを完全に倒すまでは白皇生徒に手は出さない、隊員達にも生徒を襲うなと言ってある」
「それでその決闘、一体どのようにして戦うのだ?」
テツヤがシドウに向け疑問を投げかける、するとシドウは待ってましたと言わんばかりに質問に答えた。
「見て分かったとは思うが我等ブラックセイバーズ、この戦いに全兵力を集結させた。無論幹部達も全員ここに集まっていると 言うワケだ、ブラックセイバーズ幹部は全員で6人・・・・丁度君達と同じ数になる、もうお分かりだろう?君達には幹部6人と それぞれ戦ってもらう、そして君達の中で幹部に勝てた者だけがその後私と戦う事ができると言う事だ。無論君達が幹部と戦っている間私も含めて我等誰一人も白皇生徒に手は出さない」
シドウは悪に手を染めてこそいるがこのような戦闘時の約束を破るような男ではない、ヒムロや野々原も幾度となくシドウと 激戦を繰り広げてきた因縁仲であるため十分に分かっている、しかし二人の表情は強ばったままだった。 厄介な相手に違いない敵幹部との一体一での決闘、決闘と言う以上向こうが逃走する可能性は無いだろう。そんな事をすれば いくら見方とは言え容赦なくシドウが制裁を下すに違いない、さらに生徒達を守る必用が無くなった事など一見バトラーナイツに 有利そうな好条件に思えるが本質は違う、バトラーナイツの隊長各達はそれぞれ能力や戦い方や使う武器に違いはあれど 本質的な実力は全員同じなのだ(SP支援団総司令のゲンゾウも含む)そしてシドウも戦闘スタイルや使う武器に違いはあるが 総合能力で見ればユミ、ゲンゾウ、シンゴ、テツヤ、ヒムロ、野々原と同じなのである。もうお分かりだろうか? つまり幹部とユミ達を戦わせるのはバトラーナイツ隊長達を確実に葬る策なのだ、おそらく幹部達もシドウに匹敵するかは分からないが 強力な力を秘めているのだろう。つまりは強力な幹部とユミ達とを戦わせユミ達にダメージを負わせ体力をも消耗させ弱った 所を自分がトドメを刺す。また幹部がユミ達に勝てばそれで良し、自分自身が直接手を下したいと言うワケではなくただ 倒せればいいのだから。自らの部下も敵を倒すための捨て駒に使う・・・・それがシドウのやり方でもある。
「随分卑怯な手を使って来るモンだね」
「それでも私達はどうせ向こうの幹部とは戦う事になるでしょうし」
「うむ、この決闘たとえ敵の罠であっても拙者は乗って見る価値ありと存ずる」
「いくらオレ達が幹部との戦いで疲弊しようと六人掛りならシドウでも倒せるかも知れないしな」
「ええ、とりあえず周辺のザコは皆とハヤテ君やルリさんや生徒会長さんや伊澄さんにまかせましょう!!」
「よっしゃあ!!この決闘乗るぜ!!あの野郎の弔い合戦だ!!!」
ヒムロ、野々原、テツヤ、ゲンゾウ、ユミ、シンゴが順に言葉を放つ、シドウのかけた号令と共に暗がりから幹部であろう六人の人物が 姿を現せ、それぞれが戦うべき相手を決め戦いの場へ誘導して行く、今までは沈黙していたブラックセイバーズの通常隊員達も 一斉にバトラーナイツの執事、SP支援団のSPへと攻撃をしかける。今戦いの火蓋が切って落とされたのだ。
続く

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