| [19] 未来への道標X |
- ダイゴウジ・ガイ - 2006年05月13日 (土) 01時33分
第五話 「病弱なる少女、その名は未羽ノ恵 鳳華」
良い朝を迎えた。昨日は良く寝たので、目覚めがとても良かった。 お嬢様やマリアさんの事はクラウスさんに任せて、僕とアキトさんは白皇学院へと向かった。
「でも・・・・何でまだ二時間近く時間があるのにこんなに急ぐんです!?」
「うるせぇ!!来たくないんなら付いて来なくても良いって言ったろうが!!」
アキトさんが僕の耳元で怒鳴った。今僕達は車を凌駕するスピードで走っている。とは言えもちろんアキトさんは本気でなど走っておらず 僕の速度に合わせていると言った感じだ。 そして僕が何故アキトさんに付いて来たかと言うと、どうやら今日は珍しい生徒が来るらしい、僕はまだ会った事がなく、その子は心臓が悪いため、滅多に学校に来ないらしいのだ。
「大体なぁ!俺だってここまで早く出ようとは思わなかったさ!! お前が誰よりも早く今日来る子に会いたいなんて言うからだろ!?」
「スミマセンねぇぇぇぇ!!!!!!」
僕は車を完全に越えたスピードを出して、アキトさんを追いぬいた。
「へぇ!この俺を抜こうってぇ!?ならば!!流派東方不敗流奥義!! 超球破王!!電影だぁぁぁぁぁーーーーん!!!!!」
アキトさんの周囲は気で構成されたエネルギーが渦巻き、一つの弾丸と化した。アキトさんの持っている必殺奥義のうちの一つだ。しかもこの技は移動もきくのでかなりのスピードを得る。アキトさんは発動の瞬間に、すでに僕を追抜いていた。僕がアキトさんに会ったのは学校に付いてからだった。
「んで、その子本当に来るんですか?ホウカさんでしたよね?」
僕は今まで一度も会った事の無い人物の事を良く知ろうとアキトさんに学校に着いてからずっと質問を繰り返していた。
「お前の学年のクラス、一個席が開きっぱなしだったろ?だからお前と同じクラスさ、心臓が弱くって、中々来れねぇから友達も作れねぇんだ」
アキトさんが、時に見せる真面目な表情で僕を見た。
「俺の調合した薬で前よりずっと心臓も強くなったが、まだまださ、そんな彼女が学校にやっと来れるんだ。だから早目に挨拶しようと思ったんだよ」
アキトさんは他にも色々話してくれた。勉強がかなりできるだとか運動神経にも目を見張る物があるとか、髪がとってもサラサラでキレーなんだとかを、そうこうしているうちに一台の車が止まり。中から女の子が一人出て来た。
「うわー、キレーな人ですね〜、誰ですかね?」
アキトさんは僕の発言など気にせず、すぐにその女の子の元に駆け寄った。
「ホウカさん、薬は良く効きましたでしょうか?お元気そうですね」
「あら〜、大道寺さん、お久しぶりです〜、ええとっても良く効きました。今はすっごく元気です〜」
「そっか!いや良かったよ!効き目がどうだったか心配でね? あと俺の事はアキトでかわないよ?」
「そうですか〜じゃあアキトさんと呼ばせていただきますわね〜」
僕は話している二人に近付き、アキトさんに問い掛けた。
「あのぅ?アキトさん?もしかしてこの方が?」
「あら〜?誰ですの?このお方は〜?」
「ああ、そうだ二人とも会った事まだ無いんだったな、ホウカさん紹介しよう、三千院家で新しく執事になった・・・・・」
「綾崎ハヤテです、よろしくお願いします。アキトさんそれじゃあやっぱりこちらの方は・・・・・・・」
「ああ・・・・・・未羽ノ恵鳳華さん(まわのえほうか)だ。」
この人が・・・・・見る限りそんな何処かが悪いようには見えない、それどころか健康そうに見える。
「綾崎さんですね〜、よろしくお願いします〜」
そう言って彼女は僕に手を差し出して来た。僕はその手を握り返し
「ハヤテで結構です。よろしくお願いします。未羽ノ恵さん」
「あら〜、ホウカで結構ですわ〜ですから私にもハヤテさんと呼ばせてください〜、お友達になりましょうね〜」
「あっ!!はい!!是非!!」
「フフン、何かちょっと心配してたけど大丈夫そうじゃない?お前もホウカさんも、んまあ仲良くやれよ?」
アキトさんはそう言うと、一人教室へ向かった。 僕等も校舎に入り、教室へ歩いて行った。
続く

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