| [155] 未来への道標U]T |
- ダイゴウジ・ガイ - 2006年06月30日 (金) 01時08分
第二十一話 「心強き相棒」
アキトさんの妹さんを客間に招き入れ、現在は仕事の話しなどをしている、新しいメイドさんとして働いてくれる方だからね
「改めて紹介するぜハヤテ、俺の妹の大道寺瑠璃(だいどうじるり)だ」
アキトさんが妹さんの肩をポンッと叩きながら言う、見れば見るほどアキトさんには似ていないがキレイな人だ。 アキトさんの言葉の後に、妹さんが僕に頭を下げて挨拶した。
「よろしくお願いします。お兄ちゃんから色々聞いています。私の事はルリで構いません、綾崎先輩」
さっきまで気付かなかったが声もキレイな声だ。僕はルリさんに言葉を返した
「あ、ハイ!こちらこそ!お願いしますねルリさん、先輩だなんて呼ばなくてもハヤテで良いですよ」
「いえ、綾崎先輩は聞いた話しで尊敬のできる方ですのでこう呼ばせていただきたいのです、私のけじめだと思って下さい」
尊敬って・・・・そんなに僕は凄い事でもしたのだろうか?大方アキトさんが面白おかしく僕の事を聞かせてある事無い事喋ったんだろうけど
「あっ!そうだお兄ちゃん、この子預かるのってもう良いよね?飼い主に戻した方が嬉しいと思うし」
と、ルリさんが少し大きめの鳥かごを自分の前に置いた、その中には一羽のタカが入っていた。
「おお!!トゥール!!久しぶりだな!元気だったか!!」
どうやらアキトさんが飼っているタカのようだ、カゴから出すとすぐアキトさんの肩に飛び乗った、かなりなついているようだ。
「ああ、マリアとハヤテはルリを部屋に連れて行ってやってくれ、俺はトゥールを裏庭に放しに行く、やっぱし広い方が良いし、トゥールには専用の小屋だって造ってあるしな」
と言ってアキトさんはお屋敷の門を開けて外へ出て行った。マリアさんがアキトさんの背を見ながら呟いた。
「アキトったら・・・・ルリさんをお部屋まで送って行ってあげれば良かったのに、妹さんが来たのに嬉しくないのかしら?」
「いえ、お兄ちゃんは多分フルートを吹きに行ったんだと思います、お兄ちゃんと約束してたんです。曲は何でも良いから着いたらまずフルートを吹いて聞かせてって」
どうやらそうだったみたいだ、アキトさんが吹いているフルートの音色がここまで聞こえてきた。
アキトは自分のフルートを吹きながら、広い空を気持ち良さそうに飛ぶトゥールを見つめていた。本来鳥は夜になると目が見えなくなる(鳥目)なのだがトゥールは見えずとも気配等で感じ取れる。
「上手いですね、アキトさん」
「ハヤテか?ああ、フルートに感しちゃあの西園寺にも負けねぇ自信があるからな」
ハヤテに視線を移した時にはもう、トゥールは空にはいなかった、小屋に戻ったようである。
「ルリさんを部屋にお連れしました。しかしルリさんまで白皇編入ですか?」
「ああ、アイツ編入テストで98点だったんだぜ?スゲェだろ?」
僕はそれを聞いて顔や性格は似ておらずともやはり兄妹なんだな、と思った。
続く

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