| [141] ★白石ゆうこの物語★ |
- 山中入江 - 2006年06月28日 (水) 13時43分
2・美咲の涙(後編)
美咲が死んでいたなんて考えられない…
だって美咲はー… だってって何???
人が死ぬのにだってもひったくれも無いんだよ…??
私はそう心に決め、美咲の部屋へとあがっていった。。。
「美咲ー…全部、あった事はなしてくれない??つらいとは思うけどそーでもしないと私、納得できないよー…」
「…」
美咲は後ろを向いたまま話もしてくれない。が…美咲は決心をしたかのように口をあけた…
「ゅこネエ…美咲、美咲さぁ。。。約一年前交通事故でね、お買い物の帰りにね、おっきいトラックにひかれちゃったの…足がね、バキバキバキ…って鳴らしながらひかれてすっごく痛くてね、叫んだの…「幸太お兄ちゃん!!!…ゅこネエ…!!!!」って…でも叫んだのもつかの間…気がついたら、ね、私、家にいたの。お母さんもお父さんも死んじゃって、すっごく暗くなった家にいたの。でね、こぅ兄がいてね、私は生き返れた…って思ったの。デモね、こう兄が美咲を抱きしめようとして、美咲の腕が消えたの…そんでぁ、美咲、死んじゃったんだっておも…って…」
美咲は全て話してくれた。全て話し終えるとすっと楽になったかのように足から消えていった。。。
「…美咲っ!!!!」
「ゅこ姉、美咲、美咲ね、こぅ兄がいて本当の姉ちゃんのようなゅこ姉がいて、8年ってぃうみじかい人生だったけど… …『幸せ』…だったよ…ありがとぅ… 」
そぅ最後に言って美咲は消えていった…
もしかしたら私に会っていなかったら成仏出来なかったかも知れない。でも私のせいで…私がこんなときに帰ってきたせいでこんな事になったのだと自分を憎んだ…
下に降りると幸太が床に座って泣いていた…
「幸太…あのね、美咲は…」
と幸太に向かっていうと幸太は、
「…分かってる…」
…としずかに言った…
そんな幸太を見ると、幸太は優しい、優しい人間だからこんなに綺麗な涙が出るのだと私は思ってしまい、また、自分を恨んだ。
『ごめんね、ごめんなさい』と私は幸太に何回も言った…
続く
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