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[66] 林檎の日常生活*3
貴野下 桜 - 2006年06月11日 (日) 10時29分

第3話「勉強会」

「わぁ、ツカサ君そこよく分かるね。」
「べ…別に…。」
「…カナ…教えてもらいなよ。」
「えっ何で!?」
「グホッ」
「ツカサ君どうしたの!?グホッて!?」
「イヤ、何か今ささったっていうか…。」
「私はいいよ。林檎が教えてもらった方がいいんじゃない?」
「ガハッ」
「ツカサ君!?」
「ええっ!?私!?」
「うん、ツカサ君ダメ?」
その純粋な目で見られたら、誰だってことわれやしない。
でも……
「お…おう…。」
「はぁあっ!?」
私はおもわず立ち上がってしまった。
「わーっ良かったねー林檎!」
「イヤ、ちょっと待ってよ!?何でっ…」
私はいきおいよくツカサの顔を見た。
ツカサは魂がぬけたような顔をしてぼーっと座っていた。
「カナ!じゃあアンタも一緒に教えて!?」
「えっ!?私も!?」
「そ…そうだよ!カナ、俺一人じゃ不安だし!!」
2人が必死に言うものだから、カナは
「う…うんいいよ…?」
と、あっさりOKしてくれた。
「は〜…良かったぁ…。」
「ツカサ君、そんなに不安だったの?じゃあ最初から言ってくれればよかったのに…。」
「はははっ…」
ふと見るとツカサは今までに見たことないような笑顔だった。
そんなにすきなんだな…。
何か…ちょっと…なんていうか…
「…楽しみ…だね…。」
「林檎が勉強楽しみっていうなんて…風邪でもひいた?」
「どういみだ!?」
ちょっとだけー…
「お前の偏差値いっきに90にしてやるよ。」
「ソレは無理だよ。」
いつにもまして明るいツカサをみた私は、
どことなく…悲しかった。
「…」
「どうしたの、林檎?」
「ううん…なんでもないよっ…」

どうしてだろう…。

つづく



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