| [42] 未来への道標\ |
- ダイゴウジ・ガイ - 2006年05月27日 (土) 04時17分
第九話 「インフィニットジャスティス(不滅の正義)」
「ただいまー!」
アキトさんだ、あの後ヒナギクさんは少し僕等と雑談して帰って行かれた。それは4時あたりの事で、今、もう時計の針は9時を周っていた。
「遅かったですね、アキトさん、うわあ・・・・・やっぱりスゴイ荷物ですね〜・・・・・・」
アキトさんは大きなふろしきに大量の荷物を入れて、背負っていた。 中の物は全て薬品やら薬草やらなのだろう。ほのかに薬局の匂いがする
「ああ、二年あたりは持つ分買って来たからな、ハヤテ、お前もコイツをしまうの手伝ってくれ」
「ああ・・・・・ハイ!!」
その後、約一時間かけて薬草や薬品、その他医療品、医療道具を片付けた。三千院の薬品収納棚はカラッポの状態だった。それが今は隅から隅までぎっしりと薬品等が入っている。
「フウ・・・・やっと終わりましたね、そう言えばマリアさんもう元気になっていましたよ?お嬢様はホウカさんが学校に来た事が嬉しかったらしくて明日は何が何でも行くそうです」
「ハハッ!!そりゃ良かったゼ、今日な、旧友の薬局に行くって言ったろ?そしたらその旧友が執事をクビになったら薬局でも始めろって言ってくるんだ。」
アキトさんは笑いながら面白可笑しくその話しを僕に聞かせた。 アキトさんも友達と会えて嬉しかったのだろうか?
「ああ、そうだハヤテ、お前にまた頼み事があるんだが・・・・」
「はい?何でしょう?」
「いや実はホウカさんの事でな、ホウカさんの家は実は執事が居ないんだ、さがしてはいるが中々良い執事が見つからない、まぁ根本的な部分で大抵の男が嫌いなホウカさんの性格のせいもあるらしいがな」
僕はさっきとは違って真剣な表情で話して来るアキトさんの顔を覗き込み、問い掛けた。
「それで僕にどうしろと」
「いや、ただ執事を探すのを手伝ってくれるだけで良いんだ。別に初めっから執事って感じのヤツじゃ無くても良い、素質があるヤツでも良いんだ、お前なら見抜けると思ってね」
アキトさんが今僕に言った言葉の内容はいたって簡単だった。しかし僕には何かアキトさんから覚悟や決意のような物が伝わって来たんだ。
「それだけですか?」
アキトさんは、真剣そのものの表情で僕に言葉を発した、しかし僕はその発言に拍子抜けしてしまったのだ。
「お前にホウカさんの執事探しを手伝って貰うのは、お前がホウカさんに好かれてるからだ。」
「は?」
「好かれてるつっても恋愛対象としてじゃないがな、いや・・・・・待てよ?いつかそう言う事 になるかも知れないなあこの色男!!」
僕は慌ててアキトさんに反論する。こう言う所ではいっつもからかわれてばかりだ。
「何言ってるんですか!!もういい加減にして下さい!」
「ハハハハ、スマンスマンんじゃ明日に備えて寝るか?執事探しだからな」
「ハイ!そうします!!」
僕達はその後すぐに分かれて自室へと向かった。執事探しって具体的に何するんだろ?
続く

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